体験を伝える―『ガジェット通信』の考え方

面白いものを探しにいこう 本物を体験し体感しよう 会いたい人に会いに行こう 見たことのないものを見に行こう そしてそれをやわらかくみんなに伝えよう [→ガジェ通についてもっと詳しく] [→ガジェット通信フロアについて]

【20代の不格好経験】5億円もの資金を投じたフィットネスクラブが、目論見の甘さから2年足らずで閉鎖~株式会社FiNC CEO溝口勇児さん

今、ビジネスシーンで輝いている20代、30代のリーダーたち。そんな彼らにも、大きな失敗をして苦しんだり、壁にぶつかってもがいたりした経験があり、それらを乗り越えたからこそ、今のキャリアがあるのです。この連載記事は、そんな「失敗談」をリレー形式でご紹介。どんな失敗経験が、どのような糧になったのか、インタビューします。

リレー第17回: 株式会社FiNC 代表取締役社長 CEO 溝口勇児さん

株式会社Loco Partners代表取締役 篠塚孝哉さんよりご紹介)

f:id:itorikoitoriko:20160401173754j:plain

(プロフィール)

1984年生まれ。高校在学中からトレーナーとして活動し、プロ野球選手やプロバスケットボール選手、芸能人など延べ数百人を超えるトップアスリートや著名人を担当。24歳の時に勤務先であるフィットネスクラブの経営立て直しを任され、V字回復を実現。2012年4月、モバイルヘルスを手掛けるFiNCを創業。

f:id:itorikoitoriko:20160401173755j:plain

▲ダイエットの専門家であるトレーナーや栄養士から、栄養や運動、メンタル面のサポートを受けられるアプリ「FiNCダイエット家庭教師」。同社ではこのほか、ヘルスケア領域の専門家に特化したクラウドソーシングや法人向け健康・ウェルネス経営サービスなど、ヘルスケアに特化した事業を幅広く展開している

店舗閉鎖でスタッフは全員解雇、会員からも猛抗議を受ける

私は2012年4月、27歳の時にFiNCを立ち上げましたが、その前に勤めていたのは社員数100名程度のフィットネスクラブでした。高校在学中からトレーナーとして働いていた会社です。

23歳の時、大きなチャンスをもらいました。行政と合同で新しいフィットネスクラブを立ち上げ、地域活性化を図るというプロジェクトを任されたのです。しかし、5億円もの資金を投じて店舗を立ち上げたものの、わずか1年8カ月で閉鎖することになってしまいました。

一番の要因は、会員数が目標としていた人数の半分にも届かなかったこと。ただ、それでも約1500人の会員の方が通って下さっていました。会員同士のコミュニティーもでき、「ここに通うのが生きがいだ」とおっしゃる方もいたほどです。閉鎖が決まった3カ月前に、全員にダイレクトメールを送って閉店の告知とお詫びをしましたが、翌日から閉鎖に反対する手紙や電話が数多く舞い込み、店頭で泣きながら抗議を受けたこともありました。

当然、このフィットネスクラブに関わっていた現地スタッフも全員解雇せざるをえませんでした。店舗立ち上げに伴い、私が一から採用に携わったスタッフばかりで、「この店舗を盛り上げたい」という熱い思いで一丸となって突き進んできた仲間たちです。会員の方々や、スタッフなど、数多くの方を泣かせることになってしまい、本当に辛かったですね。

力がなければ何も変えられない…無力さを痛感したことが起業を志す契機に

f:id:itorikoitoriko:20160401173756j:plain

この時に痛感したのは、「力がないと、何も変えられない」ということ。行政との合同プロジェクトだったため、店舗閉鎖が決定する前に、議員を含めたその土地の有力者の方々に何とか支援をお願いできないかと働きかけたのですが、全く聞く耳を持ってもらえなかったのです。再生プランを練り上げ、決裁者への面会をお願いしたものの叶わず、何人もの有力者に当たってようやく1時間のアポイントが取れたと思ったら、何十分も待たされた挙句に「時間がないから10分で説明して」と言われ…。悔しさとともに、自分の無力さを思い知らされました。

1 2 3次のページ
リクナビNEXTジャーナルの記事一覧をみる
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。