ガジェット通信

見たことのないものを見に行こう

貴乃花親方が巡業部長に 2年後の理事長戦見据えた布石か

DATE:
  • ガジェット通信を≫

 3月28日に行なわれた相撲協会の理事長選では、貴乃花親方の劣勢は覆らず八角理事長(元横綱・北勝海)が再選を果たした。その2日後、大阪市内で理事会・年寄総会が開かれ、新体制の役職人事が発表された。貴乃花親方の役職は「巡業部長」だった。その人事を決定した相撲協会の最高意思決定機関である理事会は、力士出身の年寄理事10人と、学識経験者3人の外部理事によって構成される。

 力士出身の理事にそれぞれ役職が割り振られ、理事長をトップに、事業部長、総合企画部長、広報部長の4理事が「執行部」となり、協会本部のある国技館に常駐して協会運営に当たる。

「それ以外の巡業部長や地方場所担当部長、審判部長といった執行部外理事は、役職としてはワンランク下に位置づけられる」(協会関係者)

 だからこそ、今回の貴乃花親方への人事は「左遷人事」との声もある。だが、新人事発表にあたって協会が配布した資料をみると、貴乃花親方は上から3番目に記載されており、それをもって「ナンバー3の立場は変わらない」と報じたメディアもあったが、関係者の多くは執行部外の巡業部長への「格下げ」とみているのだ。

 加えて、「巡業部長」という役職をあてがわれたことにも意味がある。大相撲は年6場所のほかに4月、8月、10月、12月に春夏秋冬の4巡業を全国各地で開催する。1巡業につき約3週間かけて15~16か所を巡回しており、昨年末には力士会から待遇改善を求める異例の提案書が出されるほどの過密スケジュールが組まれている。

 各地の興行主催者は勧進元と呼ばれ、巡業にあたって協会側に力士の派遣を申し入れる。この折衝を統括するのが巡業部長で、1年の大半は地方への“ドサ回り”に忙殺される。地方場所では開催期間中も、理事室ではなく巡業部の部屋に詰めることになる。協会執行部とは最も縁遠い役職なのである。

「1か所の巡業の開催権を700万円(土日900万円)で勧進元に売る協会としては、今以上に日程を詰め込みたい。過密日程に反発する力士会との調整役を貴乃花親方にやらせる、というのが協会トップの思惑だろう。相手が貴乃花親方となれば、力士会会長である白鵬を中心とした力士たちも文句はいえないだろう、という計算も透けて見えます」(相撲担当記者)

 多忙な巡業部長の立場では、貴乃花親方が掲げる協会改革には一切タッチできなくなりそうだ。

 八角理事長は人事発表に際しての会見で、「本場所で力を出すには巡業での稽古が一番大切」と語って貴乃花親方を持ち上げてみせ、貴乃花親方は「以前に(巡業)副部長をやった経験を活かして活動したい」と語ったが、心中は穏やかではあるまい。この人事は2年後にある「次の理事長選」を睨んでのものだともみられているからだ。

「多忙なポストに就けておけば、2年後にまたある理事長選の多数派工作も難しくなる。もともと八角理事長サイドは貴乃花親方を『大阪場所担当部長』に据えようとしていたという情報もあります。大阪場所は3月開催なので、年明けから場所前まで準備に追われ、東京を留守にすることが多くなる。2年に1回の理事改選があるのは1月末。その直前に仕事が立て込むようにして、選挙に絡んだ活動をやりにくくさせるつもりだった。

 この案は、過去に貴乃花親方が大阪場所関係者とトラブルを起こしていて、円滑な場所運営に支障を来す可能性があったため実現しませんでしたが、今回の人事が2年後の理事長選を見据えての布石だったことは間違いないでしょう」(前出の相撲担当記者)

※週刊ポスト2016年4月15日号

【関連記事】
相撲協会 「次期・貴乃花理事長体制」に向かって形勢固まる
貴乃花親方の「巡業部長」就任は露骨な左遷人事
改革派の貴乃花親方はKY扱いされ、潰す勢力が存在すると識者

NEWSポストセブンの記事一覧をみる ▶
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。

TOP