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神奈川県の鶴見に「ファンタジー丼」が食べられるファンタジースパがあるらしい。よくわからないので行ってみた

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足を伸ばせる大きな湯船、開放的な露天風呂、たまった汗を解き放つサウナ…と、お風呂屋さんは非日常空間です。

そんな空間で提供されるメシもまた、非日常であるべきではないでしょうか。そんな思いを心の隅に抱えながら生きてきた私は、ついにそんな気持ちを満たしてくれそうな風呂屋メシを見つけました。お店の名前は「ファンタジースパ おふろの国」。そして、その風呂屋メシは「ファンタジー丼」。

ファンタジー……スパ……?

名前からすでに非日常感が漂う「ファンタジースパ おふろの国」があるのは、神奈川県横浜市鶴見区。お店の前は大型の幹線道路で、トラックがせわしなく行き交います。

外観だけを見ると、ファンタジーのかけらもありません。

館内に入ると、いきなり目に飛び込んでくる大量の情報。まだ風呂に入っていないのに軽くのぼせました。

「除夜の熱波」「サウナ皇帝大生誕祭」「サウナファン感謝祭」「1時間おきに蒸気ジュワ〜」……。

一歩足を踏み入れたと同時に、ファンタジーの世界に片足を突っ込んだ感覚に陥ります。

入場したらまずは入浴のチケットを買いましょう。

券売機の隣にあるのは「熱波神社」。熱波とはサウナ内でバスタオルを扇いで風を起こしたときに発生するものすごく熱い風のことです。熱波を浴びることをアウフグース、ロウリュとも言い、最近お風呂屋さんではかなり流行しています。

それを祀る神社です。ここはきっと、サウナが神聖な場所なのでしょう。

お風呂のアイドルOFR48!?

早速ファンタジー丼の情報を集めてみましょう。

券売機から後ろを振り返ってみると…

こ、これは……名前から察するに某アイドルグループの一派を彷彿とさせます。

OFR48は、お風呂屋さんの看板娘で、自称48歳以下のメンバーで構成されたアイドルユニット。2012年5月にはCDデビューも果たしています。

そのわきにはOFR48のグッズガチャも存在していました。

(見つけちゃったよ…)というのが本音ですが、風呂デューサーとしてここはやらなければならないでしょう。

ガチャの中身は抽選券でした!

……なんだかすごい幅のある賞が当たりました。

受付で引き換えてもらうと、OFR48のファン投票で4位から8位のメンバーが写っている、ラミネートされた紙をいただきました。

「ハズレ引いたんだな」って感じです。

全然見つからないファンタジー丼

いきなりたくさんの情報量に圧倒されてしまいました。

気を取り直して、今回の目的であるファンタジー丼の情報を探します。

「ファンタジースパ おふろの国」にある「ファンタジー丼」ですから、看板メニューのはず。でも店頭のPOPはおろか、食事処内のメニュー冊子にもその名は書かれていないのです。

「ファンタジースパ おふろの国」店長の林さんに聞いてみました。

「あのー……ファンタジー丼を食べに来たのにメニューに載っていないんですよ」

「……ファンタジー丼? そんなメニューありましたっけ?」

「おふろの国のオフィシャルサイトには案内がありましたよ。でも券売機にすら表記がないんです」

「食品部門の担当者がつくったんですね。たぶん」

なんとファンタジー丼は、店長さんにとってもファンタジーな存在だったのです。

林さんと話していると普通に腹が減ってきたので、食べものを注文してみました。

そのとき、カウンターに貼ってあったPOPにふと目がいきました。

夜丼……どんぶり……??あっっ!!

あった!!! ファンタジー丼!!!

食券を買って係の人に渡す最後の瞬間! もう確実に何を食べるか決まっているであろうこのタイミングに、それは待ち構えていました。

POPの情報から「22時から販売開始」「値段が600円」「味噌汁がついている」ということがわかりました。

風呂に入る

ファンタジー丼は夜丼というメニューの一種で、22時から販売がスタートするという情報をつかんだものの、時計はまだ20時をまわったばかり。22時までのんびりとお風呂に浸かりましょう。

お風呂屋さんでは比較的よく見かける薬湯(くすりゆ)。おふろの国にもあります。

写真の薬湯は「さざんかの恋」。ショッキングピンクの見た目から地獄っぽい印象を受けますが、ほんのりと漂う甘い香り。さらに、永久に浸かっていられる36.6℃という温度設定が入浴者を極楽にいざないます。

なぜ「さざんかの恋」という名前かを林さんに聞いてみると、「この入浴剤がそういう名前だから」という、あまりファンタジーじゃない答えが返ってきました。

こちらは取材に訪れた2015年12月の薬湯スケジュールです。

梨やシナモンジンジャーなど安定感のあるものから、BLACK無糖サンタクロースの湯など、怪しさ漂うファンタジーな薬湯までバラエティに富んでいます。

「ファンタジースパ おふろの国」の名物といえば、サウナです。

特定の時間に行けば、名物の熱波を浴びることもできます。時間は公式サイトで確認してください。

多くのお風呂屋さんで実施されている熱波ですが、「ファンタジースパ おふろの国」の熱波は正直ケタが違うようなのです。

おふろの国は熱波師という熱波の達人が在籍しているお風呂屋さんなのです。

写真のような人がサウナで熱波を浴びせかけてくれます。ただサウナに入っている比ではない爽快感に加え、普通のロウリュ以上に「盛り上がる」という噂です。

たっぷり汗をかいた後は、露天のシートに座って涼みます。

サウナ後の水風呂ももちろんあるのですが、私はこれが好きです。

ついにベールを脱ぐ!ファンタジー丼

時刻は22時をまわり、探し求めていた「THE夜丼」のチケットをゲットしました。早速カウンターに持っていきます。

「どちらのどんぶりにされますか?」

「ファンタジー丼で!」

「なにか苦手なものはありますか?」

「え? 苦手なもの……ナスと漬物全般です」

「承知いたしました!」

ものすごいドヤッとした顔で「ファンタジー丼で!」と言った私に対して、苦手なものを聞くスタッフの女性。私の心がザワついてきました。

「お待たせしました、ファンタジー丼です」

「こ、これがファンタジー丼ですか……!?」

これが……ファンタジー丼の全貌……!?

もっとキラキラした、フワフワした、常人には理解できないような、そんなどんぶりを想像していました。豚肉にキャベツ、ほうれん草にコーン。一見でどんぶりの全容が判明し、ほんのりついた色合いから味もなんとなく想像できます。

「うん、生姜焼きだ!」

「なんでうちがファンタジースパを名乗っているかというと、うちは熱波を押し出したり、お風呂の情報誌を出版したり、アイドルのプロデュースをしたり、風呂屋の枠を超えていると思うんです。それを一言でいおうと思うと……なかなか難しくて。考えていた時に、枠にはめるんじゃなくて、かたちがないことを伝えればいいのではないかと考えて、かたちのない言葉、それこそファンタジーだろうと」

……深い。決まったかたちにおさまっていては新たな形は見えてこない。

私が食べているのは「生姜焼きがのっかったどんぶり」かもしれません。しかし、本来かたちのないどんぶりが、たまたま「生姜焼きっぽい」ものがのっかって、偶発的に生まれた産物。それこそファンタジー丼なのです。

日常に疲れたみなさん。現実から少し逃げたいみなさん。

ファンタジーな空間に身を置くことで、活路を見出すことができるかもしれません。頭を空っぽにして、湯船に浸かって……「ファンタジー丼」をただただ喰らってみませんか?

※浴室の撮影は許可を得ています。許可なく撮影機器を持ち込むのはやめましょう!

お店情報

ファンタジースパ おふろの国

住所:横浜市鶴見区下末吉2-25-23

電話番号:045-585-4126

営業時間:月~金11:00~24:00まで受付、土日祝日、年末年始、お盆は8:00~24:00

定休日:第三月曜日(祝日の場合は営業)


書いた人:

毎川直也

風呂が好きで、風呂デューサーを名乗り活動中。銭湯、スーパー銭湯、温泉旅館での勤務経験を持ち、銭湯に勤めながらメディア出演をしている。酒が弱いうえに小食なため、「メシ通」には間違いなく向いていないライター。 ブログ「銭湯、温泉探求録」

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