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回転寿司新潮流にグルメ系100円寿司や「ハイテク無回転」

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 産地直送の鮮魚をお店でさばき、職人が握って1皿100円。値段はお手頃、味は一流のグルメ系100円寿司が業界の定説を覆した。従来の100円回転寿司は、“シャリロボット”と加工済みのネタで作り、店員はバイトが基本。鮮魚を職人が握るのは高級回転寿司だった。

「グルメ系100円寿司は、この2つの中間。美味しいネタを安く食べられる究極の回転寿司です」

 回転寿司評論家の米川伸生氏は、現在のグルメ系100円寿司の台頭をこう紐解く。

「これまでもオーナー自身が職人の個人店が、その日の市場でお買い得の鮮魚を仕入れ、目玉商品として1皿100円で提供するケースはありました。ですが、チェーン展開する回転寿司店が同じことをするのは無理だといわれてきたんです」

 その理由は、複数店舗を賄える食材の調達力と、職人を確保する人材力が必須となるためだ。

「そこで先陣を切ったのが、『ダイマル水産』。グルメ回転寿司のパイオニアである、『がってん寿司』の食材調達力と人材力があるからできた展開です」(米川氏)

『ダイマル水産』や『がってん寿司』など計6ブランドを運営する株式会社アールディーシーは社員全員が寿司を握れる風土があり、マグロの畜養にみずから乗り出すなど商品を仕入れる力の強さでも知られる。だからこそ毎日届く鮮魚を、客の前でさばくパフォーマンスも成立する。

「週末は家族連れで賑わいますが、平日はサラリーマンのひとり飲みの客も多い。ツマミも寿司も安いため、軽飲みには最適です」(米川氏)

 優れたコストパフォーマンスで、グルメ系100円寿司は業界に革命を起こしている。

 回転寿司店のアイデンティティともいえるレーンは、各チェーン店が様々な開発に取り組む中で発展を遂げてきた。とりわけ特徴的だったのは、カウンターエリアでレーンを廻しつつ、タッチパネルでオーダーした商品が特急レーンで席にやってくる“ハイブリッド型”。

 2005年7月に『すし兵衛 イオン茅ヶ崎店』が初めて採用した形態だったが、それから10年後の今、レーンは廻らず、タッチパネルで注文した寿司が特急レーンで運ばれる時代になった。

「握り寿司を食べたいけれど、注文が煩わしい、恥ずかしいというお客側。廃棄ロスが限りなくゼロに近く、レーン設置よりも客席を多くできる店側。双方のニーズが合致した結果、“無回転”寿司が普及してきています」(米川氏)

 この形態の店舗は、スタイリッシュな内観も手伝って、女性のひとり客を取り込むことにも成功している。また、タッチパネルの利便性は外国人にも好評。『かっぱ寿司』のブランドである『鮨ノ場』のように、都市型にセグメントしたお店も目立ってきた。飽和状態の郊外から駅前立地に目を向ける業界にとって、救世主ともいえそうだ。

「昔、駅前にあったのは10~15坪の粗悪な回転寿司店で、“安かろう悪かろう”の元凶となっていた。郊外型が大ヒットした後、そんな駅前店はほぼ廃れたのですが、郊外が飽和状態になった今、各チェーンが次の商圏として再び駅前に狙いを定めているわけです。駅前店はレーンを入れるだけの広さがないことも、“無回転”の導入を後押ししています」(米川氏)

“無回転”は、駅前回転寿司の復活のカギでもあるのだ。

※週刊ポスト2016年4月15日号

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