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ボブ・ディランが日本語で「アリガトウ」、2年ぶりとなる日本ツアーがスタート

ボブ・ディランが日本語で「アリガトウ」、2年ぶりとなる日本ツアーがスタート

©土居政則
ボブ・ディランが1978年の初来日公演以来通算8回目、2014年以来2年ぶりの公演が東京・渋谷Bunkamuraオーチャードホールでスタートした。

来日に先駆けて発売した、ツアー直後の5月に発売されるアルバム「フォールン・エンジェルズ」から日本限定先行EP「メランコリー・ムード」の新曲を含めて、これまで日本のライヴでは演奏されたことがなかった8曲もの日本初登場曲が披露され、「風に吹かれて」や「ブルーにこんがらがって」などの代表曲を含む全21曲演奏。約2時間15分に渡り音響環境のホールでの極上のサウンドとともに、超満員の2000人の観客を魅了した。

2年振りの東京公演初日は、オーチャードホールでほぼ定時である19:00に幕を開けた。会場が暗転すると、待ちわびた客席からは大歓声が上がる。アコースティックギターの演奏が始まり、メンバーそしてボブ・ディランの順に登場。

オープニングは「シングス・ハヴ・チェンジド」、2001年の映画『Wonder Boys』主題歌で、アカデミー賞とゴールデングローブ賞を受賞したナンバー。ディランは曲に身を委ねるような歌い方でセンターで歌い、半円状にカーテンを仕切ったステージにて歌と演奏を引き立てる。

2曲目は1965年の名盤「ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム」収録の「シー・ビロングズ・トゥ・ミー」。ディランはセンターで大きく動く事もなく歌に専念する。曲半ばでラフなハーモニカ演奏を聴かせるが、何よりも声に力があり、早くも健在ぶりを発揮する。

初めてグランド・ピアノに移動して3曲目の「ビヨンド・ヒア・ライズ・ナッシング」。そして、4曲目は昨年1月発表された「シャドウズ・イン・ザ・ナイト」より「ホワットル・アイ・ドゥ」。今回のツアーの見どころの一つともいえる、日本では初登場のフランク・シナトラに代表されるグレート・アメリカン・ソングブックだ。

5曲目は「テンペスト」収録「デューケイン・ホイッスル」。ピアノを演奏しながら、左足を時折上げたりリズムを取ったりしながら心地良さそうに歌う。今回のツアーでも「テンペスト」からの曲が5曲演奏されるが、いずれもセットリストの中で重要な位置にしっかりと置かれている。

6曲目の「メランコリー・ムード」も日本初登場。5月に発売が予定されているアルバム「フォールン・エンジェルズ」に収録される曲で、日本のファンのために一足先に来日記念で発売されたEP盤のリードトラックとなっている。「これぞ、歌手、ディラン」ともいえる素晴らしいヴォーカルを聴かせながら、ステージ上を動き回る。

7曲目の「ペイ・イン・ブラッド」ではステージセンターで凄みのある声でまくしたてるように歌い、足を開いて左手を腰に置く決めのポーズ。8曲目と9曲目も日本初登場となる、シナトラ・カバーより「アイム・ア・フール・トゥ・ウォント・ユー」と「ザット・ラッキー・オールド・サン」を披露。見事なヴォーカルは前半のハイライトとなった。

第一部最後の曲は、1975年「血の轍」収録「ブルーにこんがらがって」。センターで何度も決めのポーズを取りながら、ハーモニカを演奏した後にピアノに移って演奏した。

第一部の最後で、これまで一切MCを入れなかったディランが、観客に向かって日本語で「アリガトウ」と話しかけた。普段ほとんどMCを語ることのないディランだが、ディランの滅多にないサービスに会場中がどよめき、大歓声を上げた。ディランは満足げに、休憩に入る旨告げて第一部が終了。20分の休憩を挟んで、後半の第二部へ。

©土居政則
©土居政則
第二部のオープニングは2001年発表「ラヴ・アンド・セフト」より「ハイ・ウォーター(フォー・チャーリー・パットン)」。ディランはセンターでやや崩して歌うものの、手堅い演奏が曲全体を支え安心感を与える。

次に再び日本初登場のシナトラ・カバーの「ホワイ・トライ・トゥ・チェンジ・ミー・ナウ」。センターでゆったり雄大に歌うさまが印象的で、決めのポーズも頻発。「テンペスト」からの「アーリー・ローマン・キングズ」では、左足でタイミングを取りながら確かなピアノ演奏を披露する。

「ザ・ナイト・ウィ・コールド・イット・ア・デイ」も日本初登場のスタンダード・ナンバー。ディランはセンターでヴォーカルに専念する。スティール・ギターの演奏の間に決めのポーズを取り、自作の歌よりも言葉をしっかりと歌っているのが微笑ましい。

ショーもいよいよ後半に突入。15曲目の「スピリット・オン・ザ・ウォーター」では、ピアノを演奏しながら高い声で軽やかに歌い、演奏中は左足でタイミングやリズムを取りつつ、腕達者なバンドとの演奏を楽しむ様子が伝わってくる。

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