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報道・情報番組が「ビジュアル」強化 フジは日テレを意識か

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 一昔前は、ニュース番組や情報番組にタレントが起用されるというのは考えられなかったが、今ではそれが一般化しつつある。しかも、ルックス抜群の人気女優やイケメン俳優たちが続々と登用されているのだ。この4月の改変期、報道・情報番組で顕著だった「ビジュアル強化」の動きについてテレビ解説者の木村隆志さんが指摘する。

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 春の改編期はテレビ業界にとって最大の節目であり、新番組や既存番組のリニューアルが多く見られる時期。今年は報道・情報番組にイケメンや美女が大量起用されるなど、ビジュアルを意識したキャスティングが目立ちます。

 特に驚かされたのが、夕方放送の『みんなのニュース』(フジテレビ系)が日替わりコメンテーターとしてイケメン若手俳優を起用すること。月曜の鈴木勝大さんは戦隊シリーズ出身、火曜の渡部秀さん、水曜の白石隼也さん、金曜の永瀬匡さんは仮面ライダーシリーズ出身、木曜の中尾明慶さんは学園ドラマ出身のパパ俳優であり、「主婦ウケ」狙いは明確です。裏番組の『news every.』(日本テレビ系)がアイドルグループ・NEWSの小山慶一郎さんを起用して成功したことも起用理由のひとつでしょう。

 深夜の新報道番組『ユアタイム~あなたの時間~』(フジテレビ系)のMCにハーフモデル・市川紗椰さんを起用したこともビジュアルを意識したキャスティング。また、同番組を経歴詐称騒動で降板したショーンKさんも、ビジュアルが起用理由の1つと言われていました。こちらもアイドルグループ・嵐の櫻井翔さん、女優の桐谷美玲さんと板谷由夏さんが出演する裏番組の『NEWS ZERO』(日本テレビ系)を強烈に意識しているのは間違いありません。ちなみに同番組もこの春から元ミス東大で元NHKアナウンサーの小正裕佳子さんを起用し、さらなるビジュアル強化を図っています。

 その他の報道・情報番組での注目ポイントは、現役女性大生を起用した朝番組の新お天気キャスター。『めざましテレビ』(フジテレビ系)は早稲田大1年の阿部華也子さん、『ZIP!』(日本テレビ系)は立教大4年の長沢裕さん、『NEWS ZERO』は立教大2年の良原安美さんと青山学院大2年の井上清華さんの就任をそれぞれ発表しました。“現役女性大生”という着眼点が同じなのは、番組に多くの美女タレントや女子アナが出演する中で、「彼女たちよりも、初々しさと親近感のあるビジュアルを投入しよう」ということでしょう。

「美女タレントや女子アナよりも、初々しさと親近感のあるビジュアル」という意味では、『スッキリ!!』(日本テレビ系)の新MCに就任したハリセンボン・近藤春菜さんも該当します。元non-noモデルである岩本乃蒼アナなど、もともと美女の多い番組でしたが、この春から新コメンテーターに本上まなみさんや久保純子さんなどの聡明な美女タレントを起用して、さらにビジュアル強化。そこに初々しさと親近感を感じる春菜さんを投入することで、いいコントラストが生まれています。

 また、『めざましテレビ』の木曜レギュラーにHey!Say!JUMP・伊野尾慧さんが選ばれたのも、ビジュアル化を象徴するトピック。これまで、『ZIP!』のTOKIO・山口達也さん、『あさイチ』(NHK)のV6・井ノ原快彦さん、『ビビット』(TBS系)の国分太一さんとNEWS・加藤シゲアキさん、『週刊ニュースリーダー』(テレビ朝日系)のTOKIO・城島茂さん、『シューイチ』(日本テレビ系)のKAT-TUN・中丸雄一さん、『サタデープラス』(TBS系)の関ジャニ∞・丸山隆平さんと、朝の報道・情報番組だけでも多くのジャニーズ所属アイドルが起用されてきましたが、まだ25才と若い伊野尾さんが選ばれたのは、ビジュアル優先の流れを受けていると思われます。

 こうして全体を見てみると、「日本テレビのビジュアル化は徹底していて、その流れをフジテレビが追いかけている」という図式に気づきます。ライト層も含め、多くの人々に見てもらうためにビジュアルの美しさは大切ですが、重視しすぎると「肝心の中身で勝負できない」と認めているようなもの。知識や視点で専門家に劣る美形タレントが感想のような薄いコメントをすると、せっかくのニュースや情報が台なしになってしまいます。

 それだけにビジュアル化のポイントは、「美形タレントが猛勉強で一定レベルのコメント力を身につけられるか」どうか。「私は専門家ではないから」という逃げ腰のスタンスではなく、プライドを持って臨んでいることが伝われば受け入れられると思います。

 もともと美形タレントは、性格の良さ、庶民的な感覚、挫折や苦労などを感じさせなければ親近感を抱かれにくく、視聴者との距離を縮めることは難しいもの。各番組とも単にビジュアル化を進めるのではなく、男性なら羽鳥慎一さんやDAIGOさん、女性なら宇賀なつみアナや山崎夕貴アナのように「ビジュアルの良さと親近感をどう両立させていくか」が成否の鍵を握っている気がします。

【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20~25本のコラムを提供するほか、『新・週刊フジテレビ批評』などに出演。さらに、タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』など。

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