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9ヶ月で逆子発覚!「神の手」の噂におびえつつ、やってみた逆子体操

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2010年、32歳での初めての妊娠中に経験したことをお伝えたいと思います。

私がお世話になった産院はいわゆる家族経営、親子二代のお医者さんが診てくれるところでした。

ここでは父親を御大先生、息子をジュニア先生としておきます。

御大先生はそれはもうキャリアの長い産婦人科医で、地元ではこちらも、親子二代でお世話になっているという女性患者さんは数知れず。

産院では妊娠16週以降にマタニティビクスの教室があり、私も参加していたのですが、そこに通う中で御大先生は、『神の手』の持ち主だという話を耳にするようになりました。

一体何のことかと、最初は意味が判らなかったのですが、よくよく聞いてみると、逆子の赤ちゃんをお腹の上から手で動かして治す、胎児外回転術と呼ばれる施術の名手だったのです。

結構力を使うものらしい、とか、危険を伴うので最近の産科ではやらなくなって来ており、ジュニア先生はやられないそうだ、とか、出産の4日前に逆子が発覚して、治して貰ってから産んだ人もいる…などなど、『神の手』にまつわる噂は絶えません。

そんな中、予定日が近く、お互い初産ということもあってよく話をしていたSちゃんが、妊娠8ヶ月でなんと逆子になったとのこと。

外回転術で入院になるかも〜と話していた彼女と、1週間後のマタニティビクスの教室で再会しました。

「Sちゃん! どうやった?」

「御大先生のアレ、受けてきたよ」

「じゃあ治ったんやね、良かったな〜」

「うん、逆子は治ってんけど…めっちゃ痛かったわ。しかもお腹の外から押したんでは治らへんかったから、中からも手を入れて回して貰って、それで、なんとか…」

な、中から!?

中ってそれはつまりその、内診の時に器具が入ってくるあの辺りに人の手が入って、そんでもって子宮の中味(いや胎児ですね)を動かされるってこと??

それはもう、怖いというよりもなんだか想像の範疇外で、しかし体験したいかと言われれば、

「いいえ!」

とはっきり答えてしまいそうな出来事で…。

Sちゃんの『武勇伝』に感嘆しつつも、その後はお腹の中の赤ちゃんに向かって、

「逆子はやめといてや…」

と、ついつい話しかけたりしていました。

その少し後、9ヶ月に入り、妊娠33週で妊婦健診に行きました。

腹部エコーで写し出された赤ちゃんを見て、当時の診察担当だったジュニア先生が一言。

「あ、逆子だね。さっきの人も逆子だったんだけど」

な、何それー!?

先日のSちゃんと言い、もしかして逆子が流行してんの!?

(※もちろん、流行するようなものではありません)

そんな私の衝撃をよそに、単に逆子はよくある話なんでしょう。

ジュニア先生は逆子体操の解説プリントを差し出してくれました。

「1週間、体操頑張って。それで治らなかったら入院して、回して貰うことになるから」

「お、御大先生のですよね?」

「うん、そうだよ。それでもうまく行かなかったら、うちでは帝王切開になるからね」

などという会話の後、別室で助産師さんに逆子体操をレクチャーして貰いました。

逆子体操というものについては、母から時折、

「あなたは逆子になってねぇ。頑張って体操したのよ」

といった話を聞いていたので、言葉は知っていたのですが、詳細を聞いていた訳ではなかったので、一体何をするのやら…。

『体操』と言われたら『イチ、二!』と体を動かしそうな感じがしますが、逆子体操はそうではありませんでした。

まずは手と膝を付いて四つ這い姿勢を取ってから、胸がべったりと下に付くように体を動かし、膝の裏の角度が90度になるように、おしりを高く上げた姿勢(胸膝位と呼ばれます)を取ります。

この姿勢を10分続けた後、横向きになって10分休みます。

母体が胸膝位をキープすることで、赤ちゃんのおしりを母体の胸の方へ移動させ、その後は赤ちゃんの背中が上に来るような方向で母体が横向きになり、リラックスすることで、赤ちゃんが自分で回転出来るようにする動作…ということでした。

腹帯を外して行うこと、空腹時に行うこと、そして張り止めの薬(ウテメリンと呼ばれるものです)を毎食後に飲み、異常を感じたら中止するようにと、そういった点に気をつけて実践します。

解説プリントによると、1週間逆子体操を続けたら、8割のケースで逆子は治るということでした。

8割といえば、結構な高確率。

きっと治ると信じ、1週間、自宅で体操を続けてみました。

幸いにもお腹が痛くなったり、赤ちゃんの状態がおかしくなるようなことはなかったものの、私の力のかけ方がまずかったのか…。

胸を下に付けると同時に首をぐいっと横に曲げて、べたっと床につける顎の辺りがとても痛くなりました。

姿勢を変えずに10分間、というのはそこそこ大変な上、妊娠後期の大きなお腹で胸膝位キープというのは、なかなか骨が折れるものでした。

しかしSちゃんの話を思い出しつつ、外回転術は避けたいと、出来る限りは体操の回数を増やしました。

他にも、お腹の中の我が子に話しかけてみたり、はたまた、マタニティビクス教室で 『先輩からのエピソード』として聞いていたので、夫に手伝って貰いながら逆立ちをしてみたり

(※妊婦が逆立ちをすることには危険が伴います。もしもこの記事を読んで実践しようと思われた方がいらしたとしても、どうぞご自身の責任で判断くださいますようお願いいたします)。

そして、1週間後。再びジュニア先生の診察を受け、腹部エコーで確認して貰うと…。

「うーん、逆子のままだね」

なんとも無慈悲な、ジュニア先生のお言葉。

私の今までの努力は、一体何だったのでしょうか!

診察台の上で、そりゃないよ本当にもう、と、トホホな気持ちに包まれてしまいました。

逆子はコントロール出来るものではなく、こちらがどれだけ働きかけても、治らない時は治りません。

一方、何もしなくても治るという場合ももちろんあります。

自分の努力がすべて報われたり、信じたことが、望んだ形で叶ったりする訳ではない、というのは、妊娠・出産、そしてその後の育児にも通じるものではないでしょうか。

そんな普遍的な真実を、垣間見た経験となりました。

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著者:Takoos

年齢:38歳

子どもの年齢:4歳・2歳

独身時代の海外在勤中に、福祉先進国な北欧の子育て事情を垣間見る。帰国後は関西と東海の狭間で、妊娠、出産、育児、在宅フリーランスと経験中。好きな言葉は「A life of no regrets」

※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。

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