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映画『仮面ライダー1号』はなぜ観客の心をうつのか

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【注意】
本稿では3月26日公開の映画『仮面ライダー1号』について紹介しています。
公開中ということもあり、内容は粗筋紹介及び見所程度にとどめていますが、読み手によっては「ネタバレ」と感じる部分があるかもしれません。
そのためまだご覧になっていない方は自身の判断で読み進めてください。

以下より本文です。

【関連:『仮面ライダー1号』新スーツ発表で往年のファン「中の人はまさか……」】

3月26日、仮面ライダー生誕45周年記念映画『仮面ライダー1号』が公開されました。
企画・製作・主演の1人3役を務めたのが、『仮面ライダー』第1作で仮面ライダー1号と本郷猛を演じた藤岡弘、さん(なお、ご存知の方も多いと思いますが、藤岡さんの下のお名前には「、」が付きます)。本篇監督は、元々アクション監督として活躍されていた金田治さんが手掛けています。

本作の粗筋は以下の通り。

悪の秘密結社ショッカーは、2つに分裂していた。なぜなら、武力で世界を征服するという方針は古臭いと考えたメンバーが、経済力で世界を支配しようと考えたからである。分裂したメンバーは、新たな秘密結社ノバショッカーを設立した。
一方、元々のショッカーは、城南大学付属高校の生徒・立花麻由(演・岡本夏美)を狙っていた。なぜなら、地獄大使(演・大杉漣)の復活に必要な秘密を握っていると考えられたからである。
麻由を襲うショッカー。その時、1人の男が麻由を助けに颯爽と現れた。その男こそ、仮面ライダー1号こと本郷猛である!!!

■本作の最大の魅力は、藤岡の人柄

本作の最大の魅力は、藤岡の人柄にあります。
私は2008年4月25日に渋谷のNHKホールで開催されたNHK衛星第2放送の番組『アニメ主題歌大全集』の公開録画を観に行き、そこで藤岡が歌う「レッツゴー!!ライダーキック」を聴いたんですが、藤岡は自分の出番が終わった時に観客席に向かって合掌したので、私は藤岡の礼儀正しさに感服しました。私も色々と歌手のコンサートを観に行きましたが、舞台上で合掌した歌手は大江裕と藤岡弘、だけです。
本作の冒頭、タイ・バンコクの食堂のシーンでは、食事を終えた藤岡が合掌していたので、「流石は藤岡弘、だ!」と改めて感動致しました。

そしてストーリーの途中には、藤岡が城南大学付属高校に講師として呼ばれ特別講義を行う場面があります。ここで藤岡は生命の大切さや、人間の愚かさによって生命が脅かされてしまうことを講義するのですが、このシーンは台本に基づいて喋っているという感じが全く無く、藤岡が心の底から強く思っていることを述べているように思え、観客の心に響くシーンとなりました。

この後、藤岡が立花麻由と共に食事したりゲームセンターに行ったりする場面があるのですが、これも台本に基づいて演技している感じが全く無く、優しい心を持った藤岡弘、という紳士がいるようにしか見えません。

■面白かった場面

さて話題をちょっと変えて、藤岡の出番以外に面白かった場面をご紹介します。
ストーリーの途中、ノバショッカーが日本の総理大臣と電力供給契約を結ぶ場面があるのですが、首相役を演じたのは横光克彦。横光は元々俳優でしたが、近年は政治家として活動していました。つまり、本物の(元)政治家が首相を演じていたことになります。

本作の見せ場としては藤岡の人柄の他に戦闘シーンが挙げられますが、この戦闘シーンも大迫力です。敵がビルの壁を駆け登る場面や、仮面ライダーと敵がビルから落下する場面はワイヤーで吊って撮影されたと思われますが、そこにはプロのスーツアクターが体を張って挑んだ本物の迫力があります。

話題は再び藤岡の活躍に戻りまして、映画の終盤、立花レーシングクラブ(『仮面ライダー』第1作に登場した団体)という古い看板が置かれた倉庫でバイク・ネオサイクロン号を起動させます。この時、かつての登場人物である立花藤兵衛(演・小林昭二)の写真が映るのがいいんですよ。
そしてネオサイクロン号に乗って戦闘現場に駆け付ける藤岡。このバイクシーンは完全に藤岡のプロモーションビデオになっていました。

さて、ここから最期まではネタバレになる可能性があるので、説明はここまでにして、他の見所としてはやはり最後。スタッフの名前が全て表示された後に、藤岡弘、が観客に対してメッセージを語り掛けるんですが、これがもう涙なくしては視聴できないほど観客の胸にグッと迫ってくるものなんですよ。
よく映画館でスタッフの名前が出てきたら帰っちゃう人がいますが、『仮面ライダー1号』をこれからご覧になる方はスタッフの名前が出てきても決して帰ってはいけませんよ。

(文:コートク)

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