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左官職人が本気でつくる現代版ポータブルかまど「コヘッツィ」

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電気、ガス、IH。炊飯器が進化しても求められるごはんといえば、「かまど」で炊いた“ふっくら”した炊きあがり。ならばいっそ、かまどでごはんを炊いてみてはいかがでしょう。左官の技が活かされた、「現代版かまど」は、持ち運び自在。アウトドアでも活躍必死です!

現代の暮らしに合うよう
アレンジされた「かまど」

昔ながらのかまどを現代風にアレンジし、自由に持ち運べるようにしたのがポータブルかまど「コヘッツィ」です。この聞きなれないネーミング、“コ”は「公の」という意味の接頭語、“ヘッツィ“は、関西地方でかまどの別称(へっつい)として親しまれてきた言葉だそう。ふっくら炊きたてのごはんを、イチからつくる楽しみが味わえる、とじわじわ人気に火がつき始めているんです。

みんなで火を囲む
かまどの魅力

昭和の前半まで、日本人の食生活の中心には「かまど」がありました。三食の煮炊きをするのは土間のかまど。割烹着姿の女性たちや、火の加減を手伝う子どもたちの姿を、当時を記録した映像のなかで、もしくは小説や写真のなかで目にしてきたことでしょう。しかし、第二次大戦後、急速に普及発展していったガスや電気にとって代わり、かまどは生活様式の変化とともに、食卓の場から姿を消していきました。

薄れゆく火の文化を後世の暮らしに残したい──。

その象徴であるかまどを、現代生活に浸透しやすいようにリメイクした左官職人がいます。古来から日本に伝わる、自然の土を生活に取り入れる文化。土を塗りコテで固めてツヤを出す左官の技で、「かまどのある食生活」、「みんなで火を囲む」ことをコンセプトに、持ち運び自在なコヘッツィが誕生しました。

「現代の名工」がつくる
一生ものの生活道具

三重県四日市市の左官職人集団「蒼築舎」を率いる松木憲司さんは、平成24年厚生労働省発表の「現代の名工」に選出された人物。伝統的な土壁建築からデザイン性の高いプロダクトの開発まで、幅広いものづくりにチャレンジし続けています。

松木さんの手がける現代版かまど「コヘッツィシリーズ」は、左官の技術と魅力、土の文化を伝えるプロダクトとして大きな注目を集めています。現在、シリーズは全部で4種類。

450本ものコテの中から仕事に合わせて40〜50本を使い分け、石灰と繊維を混ぜ合わせた土を何層にも塗りつけては、コテで成形していく作業です。

土の状態は天候に大きく左右される繊細な仕事。天気や湿度の変化を敏感に感じ取りながら材料の配合を変えていくことから、「左官の仕事の6割は材料づくり」と言われていると松木さん。仕上がりの平面を滑らかにするため、調合した土から丁寧にダマを取り除くなど、一切の仕事に手を抜かない、職人の魂がコテ先からかまどへと染み込んでいくようです。

作業は白熱電球のもとで。影が出にくく、蛍光灯では見逃してしまう小さな傷を見つけることができるからだそう。そして、磨きあげの最後は自然光のもとで、ツヤの出具合を確認しながら作業していきます。

塗りと磨きを繰り返し、こうして仕上がったピカピカのかまど。これが左官職人の技と想いから生まれた「21世紀のかまど」です。素材本来の色と質感を活かした逸品は、どんなに煤(すす)が付着しても、塗りなおせば修復できる一生もの。

火の番をするのも
楽しみのうち

薪(まき)、炭、固形燃料どれでも使えるコヘッツィ。ですが、醍醐味はやはり薪で炊くごはんでしょう。土間の代わりに庭先で、庭がなくたって使い道はいろいろ。BBQやキャンプシーンで炊きたてのごはんをつくるのに、“自前のかまど“なんて、ちょっと洒落てると思いませんか?大丈夫、ここで紹介した「ポータブルかまどコヘッツィ三」は、高さ30cm、重さ5.4kgほど。

自分で火を焚いて番をしながらつくるごはん。さあ、召し上がれ!

ところで、このポータブルかまどが今、日本の伝統的な食文化のひとつとして海外でも注目されつつあるようです。2016年4月イタリア・ミラノで開催されるデザインの祭典「フォーリサローネ(見本市)」に、コヘッツィシリーズが出展予定。左官による土と磨きの技術と日本の食文化「かまど」が世界へと発信される。ちょっと素敵なニュースですよね。

最後に、コヘッツィシリーズはどれも受注生産。注文を受けてから、松木さんが一点一点仕上げていきます。詳しくはこちらから。

Licensed material used with permission by 蒼築舎

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