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レンタルCDをBGMにすると違法?

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Q.

 パチンコ店で、有線のBGM以外に、レンタルCDや個人で買ったCDをかけたりすると法に触れますか?

(30代:女性)

A.

 レンタルショップで借りてきたレンタルCDや、ご自身で購入されたCDであっても、著作権使用料を支払わないままそれを流すことは違法です。
 BGMとして音楽を流す場合、著作権法が著作権者に対して認めている「上演権・演奏権」との関係が問題となります。
 つまり、著作権者は自分が作った音楽を演奏する権利を持っており、著作権者以外の者が勝手に音楽を流すこと(これも演奏にあたります)は、著作権の侵害となるのです。

 営利目的ではなく、さらに聴衆・観衆から料金を受け取っていない、という条件下であれば、音楽を著作権者の許諾なしで公に上演・演奏することができる、という例外が認められてはいますが、店舗というのは営利を目的とした場所ですので、結局、著作権者に無断で音楽などの著作物を使用することは認められないということになります。

 1人のアーティストの曲を1回限り流すというならともかく、毎日BGMとして音楽を流す場合、個々の著作権者にその都度上演・演奏の許諾を得るのは煩雑です。そこで、通常はJASRAC(日本音楽著作権協会)などの著作権管理団体に著作権使用料を支払い、許諾を得ています。
 以下では、音源ごとにケースを分けて説明をします。

 まずは有線放送についてですが、この場合は、有線放送会社が店舗に代わり、著作権の手続きを行っているので個別に手続きをする必要はありません。
 しかし、中には著作権の手続きを行っていない有線放送会社もあるようです。
 その場合は、個別に著作権使用料の支払いを行う手続きが必要となってしまいますので、あらかじめその会社について調べておくようにしましょう。

 次に、個人で購入したCDやレンタルしてきたCDをかける場合についてです。
 上で述べたように、店舗で流す場合には、著作権者の演奏権の侵害となってしまいますので、著作権管理団体に対して著作権使用料を支払わなくてはなりません。

 では、いったいいくらの金額を支払うことになるのでしょうか?
 JASRAC(日本音楽著作権協会)の規定によると、使用料は曲単体に対してかかるのではなく、店舗の面積によって価格が変わる、とされています。そのため、狭い店舗であれば6千円、広いところだと5万円の支払いが発生します。
 ただし、以下のようなケースでは、当分の間使用料を免除する、ということになっています。

・福祉、医療もしくは教育機関においての利用
・事務所・工場等で、主として従業員のみを対象とした利用
・露店等による短時間かつ軽微な利用
 今回のケースはパチンコ店ということですので、免除の対象にはなりません。そのため、著作権使用料が発生します。
 この支払いをしないと、演奏権の侵害ということになり、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金に処されるか、併科されるおそれがあります。

 最近は著作権フリーのCDというものが販売されるようになってきました。こうしたCDに収録されている楽曲については、著作権者が著作権を放棄しているので、著作権使用料はかかりません。

 最後に、個人で購入したCDやレンタルしてきたCDをCD-Rやオーディオプレイヤーにコピー・録音してBGMとして流した場合についても触れておきます。
 まず、著作権法では、個人で買ったCDなどを家庭や個人で楽しむことを目的としてコピーする場合には、特に手続きを必要としません(私的使用のための複製)。自由にコピーしたり、録音したりして良い、とされています。
 しかし、店舗におけるBGMでの使用は、私的使用にはなりません。そのため、複製自体ができなくなり、複製を行う場合には著作権者の許諾を得る必要があります。
 そして、さらにその音源をBGMとして使用する場合は、著作権管理団体に使用料を支払う手続きを行わなくてはなりません。

 ちなみに、テレビやラジオについては、放送されている番組をそのままお店のBGMとして流す場合には、許諾を得なくても適法とされています(著作権法38条3項)。

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レンタルCDをBGMにすると違法?

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