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「伝わるプレゼン」にするために避けられない二つの関門

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 池上彰氏がナビゲーター役の番組を観るたび、難しいことを分かりやすく説明するスキルの高さに感心する。と同時に、彼のプレゼンテーションと自分のそれとを比較して、一人で勝手に落ち込んでしまったりもする。

 自分のこれまでのプレゼンテーションを振り返ってみると、話している最中から聴衆が寝はじめてしまったり、話し終わって「質問は?」と投げかけても何の反応もなかったり……といったことが珍しくないのだ。

■すべてのビジネスパーソンに必須な池上彰のスキル
だが、働いている以上、「込み入った話を相手に分かりやすくプレゼンする」ことからは逃れられない。
その意味で、『客先に連れ出されてしまった エンジニアのためのプレゼン力向上講座』(渡邉秀美著、秀和システム刊)は参考になる点が多い。

本書はエンジニア向けに書かれたものだが、様々な分野で専門化・分業化が進む世の中にあって、本の中で書かれている「専門外の人にも、専門知識を分かりやすく伝える」ためのノウハウは、どんな職種の人にとっても使えるものばかりだ。

 では、難しいことを、相手が理解できるレベルにまで噛み砕いて話すために、どのようなことを心がけるべきなのか。

■聴き手に拒否反応を起こさせないための工夫
 難しいことを分かりやすくプレゼンする上でまず重要なのが、「相手が理解できないであろう専門用語」をあらかじめピックアップし、プレゼン時にその専門用語を使わないようにしておくこと。

 具体的には、「自分が説明しようとしている分野の素人」をつかまえて、一度リハーサルのプレゼンをしてみよう。そしてプレゼンが終わったら、相手に分からなかった言葉をリストアップしてもらうというステップを踏む。
たったこれだけのことで、自分一人あるいは身内の者同士で話していた時には気づかなかった、分かりづらい表現があぶり出される。

 リストアップされた言葉を見て、説明する当人は「え?こんなことまで?」と思うかもしれない。だが、そういう言葉ほど注意を払うべきなのだ。この種の言葉の扱いを雑にしてしまうことで、プレゼンがわかりにくくなってしまうケースは少なくないからである。

■「最初の10分」が勝負の分かれ目
 また、プレゼンに不慣れな人ほどやりがちなのが、「あれもこれも」と情報を詰め込んでしまうことだ。
 要素を詰め込みすぎた話は、「結局、何を言いたいのか」が分かりづらい。そして、話の要旨が分かりづらければ、つまらなく感じてしまう。

ところで本書では、脳科学の世界でお馴染みの理論として「人の脳は、(相手の話を)開始10分以内で、退屈かどうか判断する」という「10分ルール」なるものが紹介されている。
このルールによれば、一度「この人の話は退屈だ」と思われてしまったら、聴き手が再び注意を向けてくれることはないという。

よって、話し手が準備すべきは、「最初の10分で伝えたいことは何なのか」をはっきりさせ、「伝えるべき内容」を選び終えておくこと。
またさらに、「エビングハウスの忘却曲線」といって「人間は、聞いた20分後には、聞いたことの42%を忘れ、1時間後には56%を忘れ、1日後には74%を忘れてしまう」ことを考えれば、プレゼンの中で間を置いて何度も「伝えたいこと」を繰り返し伝えるという工夫も必要になってくる。

 本書では他にも、伝えたいことを直観的に説明するための資料の作り方、聴衆が気軽に質問できるようにするための空気作り等、プレゼン初心者にとっては是非ともおさえておきたい内容が紹介されている。
 プレゼンに苦手意識を持っている人は、まずはこの一冊を苦手克服のきっかけにしてみてはいかがだろうか。
(新刊JP編集部)

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