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通勤中の事故で労災をもらえるか

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Q.

 昨夜、仕事帰りの途中で、自転車で転んで、病院に行ったら、尾てい骨を骨折していました。その場合、仕事が終わっているから、労災は使えないでしょうか?

(30代:女性)

A.

 お仕事帰りの転倒による骨折の場合、仕事が終わった後の事故なので、これが労災の対象となるのかどうかを確かめたい、というご相談ですね。
 以下で、分かりやすくご説明します。

 仕事後の帰り道で起きた事故であっても、通勤のルートが大幅に変更したものでなければ、労災保険の適用対象となります。労災保険は、労働者が勤務中に被った災害や、通勤帰宅中に事故などのアクシデントに見舞われた際の被害を救済するのが目的です。
 ご相談では、仕事の帰り道、自転車を走行中に転んで尾てい骨を折られたとのことですので、まず業務上通勤災害と通勤災害についてご説明します。

 まず、業務上通勤災害についてですが、これは通勤中に使用者のための業務を行っている状況で事故に遭った場合です。
 例えば、通勤の途中にお客さんのところに商品を届けるといったケースが該当します。この場合、労災対象となります。また、外勤など、業務の中に通勤が含まれるといった明確な区別が付きにくい場合も、業務上通勤災害が適用されます。
 業務上通勤災害と認められると、労災保険上の各補償給付、解雇制限(労働基準法19条)、3日目までの使用者による直接の休業補償(同法76条)、といった救済措置がとられます。

 しかし、ご相談内容によると、「仕事帰りに自転車で転んだ」とのことですので、上記の対象とは認められないでしょう。

 次に、通勤災害についてですが、労災保険法には、「就業に関し、住居と就業の場所との間を、合理的な経路および方法により往復」していたと認定されれば、通勤災害として労災保険の給付が受けられるという定めがあります。
 今回のケースですと、通勤ルートが適切かつ合理的と認められれば、労災保険の救済対象となるでしょう。

 「合理的な経路及び方法」について、もう少し具体的に説明します。
 通常、会社と自宅の間に利用する経路というのは、(大幅に迂回したりせずに)合理的な理由のもと、各通勤者が設定します。あなたが日常的に使用するルートをその日も帰路に用いていたのであれば、「合理的な経路」で帰宅していた、ということになります。
 また、通勤の方法が「合理的な方法」といえるかについては、事故に遭った日が、たまたま自転車に乗っていて災害にあった、という場合でも、合理的な方法と考えて差し支えないでしょう。

 これまでに述べてきたことを踏まえると、あなたがいつも使用している合理的な帰宅ルートを自転車で走行中、不幸にも転倒し、骨折されたのであれば、通勤災害として労災保険の給付対象となると考えて間違いないでしょう。

 仮に、通常のルートから離れた帰り道での事故でも、日常生活を送る上で必要と認められる行為、またはそれがやむを得ない事情があったためと判断されれば、通勤上の災害として認定されます。例えば、夕食の買い物でスーパーに立ち寄った場合や、通院、食事のための立ち寄りといった場合です。
 日常生活の範囲内の行動であれば、それは通勤上の行為であり、その過程で事故に見舞われたら労災の対象となる、ということです。

 逆に、こんな例は通勤としては認められません。
 友人宅に立ち寄って長時間とどまり、個人的な用事を済ませた場合や、特段生活上の理由もないのに、大幅に帰宅ルートをはみ出して隣町の道路を走っていた、といった場合です。

 最後に、通勤災害の場合、解雇制限などの労働基準法上の労働災害に関する規定の適用がないことを、きちんと知っておく必要があります。
 そのため、休業補償は4日目からしか支給されませんし、長期にわたって休んだ場合、解雇処分を受ける可能性もありますので、その際は使用者側と十分な話し合いをするようにしてください。

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