高血圧は突然死を引き起こす? 40〜60代は血圧管理徹底を  

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高血圧は突然死を引き起こす? 40〜60代は血圧管理徹底を  

あらゆる病気の原因となっている高血圧

日本人の高血圧人口は4000万人を超えていると言われており、最もよく聞く病気の一つです。
しかし普通は何も症状なく、長期間にわたって徐々に頭や心臓、眼、腎臓などの主な臓器に影響を及ぼし色々な障害を引き起こしてくる恐ろしい病気のひとつです。

血圧が高いほど脳卒中や、心筋梗塞、急性心不全などの循環器疾患にかかる割合が多くなり、死亡率なども当然高くなります。その結果、日本の医療費に於いてもその割合は大きく占めることとなりお金の面からも重要な病気であることが分かります。

高血圧治療を必要とする患者の半分が放置している現状

一方、初期の高血圧症では症状がないことから高血圧治療を必要とする患者さんの約半分が治療を受けておらず放置したままの状態と言われています。
また、治療中の患者さんでも約半数の方が降圧目標に達していないとも言われています。

このように高血圧症は最も身近な病気ですがまだまだ降圧することの重要性が一般の方々には十分伝わっていないのが現状だと思います。

高血圧の放置は突然死の引き金につながる

今回、梅田の暴走事故は、高血圧の未治療に起因すると思われる大動脈解離による心タンポナーデによる突然死によるものだったとの事ですが高血圧を放置しておくとこのようなことが我が身にも起こる可能性が少なからずあるということを示した例としてとらえて欲しいと思います。

今回分かった大動脈解離のほかにも高血圧による突発的な異変は色々あります。
脳卒中もその一つでこの中には、頭の血管が詰まってしまう脳梗塞症、また、血管が破裂してなる脳出血やくも膜下出血もその一つです。

心臓では突然血管が詰まってしまって起きる急性冠症候群と呼ばれる心筋梗塞の状態や、心臓に負担がかかることによって心臓の機能が弱ってしまう急性心不全なども起こります。
また妊娠中のお母さんにも高血圧による脳症や子癇と呼ばれるけいれん症状なども有ります。

自覚が無くても高血圧であれば治療は絶対に必要

このように普段は大したことないと考えがちな高血圧症も重症だったり放置していると突然このようなことが襲ってくるかもしれないのです。これを防ぐのはしっかりと血圧を下げることが唯一の予防です。

一旦このような病気が発症すると数分~数十分単位、場合によっては数十秒単位で症状が悪化、意識を失ったり、呼吸や心臓が止まってしまったりするのでこれがバスや電車の運転中であれば大事故につながりかねませんし、そうでなくても多くの人々に迷惑がかかります。

自分は高血圧ではないから関係ないと考えず、特に働き盛りの40~60代の方には家族や自分の回りで高血圧の方がまだ治療されていない時は治療を勧めることが、今回の事故で教えてくれた教訓なのではないかと思います。

(久保 清景/医学博士)

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