竹芝客船ターミナルの「べっこうずし」専門店と 本場・伊豆大島の郷土料理の味を食べくらべてみた (子連れライター小旅行記)

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みなさんは「べっこうずし」をご存じでしょうか?

「べっこう飴」とか「鼈甲メガネ」なら知ってるよ、という方も多いのでは?

かくいう私もまったく聞いたことがなかったのですが、伊豆諸島・小笠原諸島の玄関口である竹芝客船ターミナルに「べっこうずし」の専門店がオープンしたということで、お腹を空かせて足を運ばせてもらいました♪

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竹芝客船ターミナル内にNEWオープンしたレストラン「鼈甲鮨 BEKKOUZUSHI」。

案内してくれたのは、レストランを運営する東海汽船のマスコットガール・橘 みづほさん。

お美しゅうございます。

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店内には、船をイメージしたロープが張られたり、レトロ&オシャレな電球が吊るされたりと、シンプルながらもかなりこだわった内装。

椅子もフランスから取り寄せた特注品だとか。

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こちらは、家庭料理研究家でフードスタイリストの沙希穂波さん。

大変お美しゅうございます。

“世界中の美味しいものを食べ歩く旅”を経験し、現在は様々なレシピ開発に取り組んでいるという。

そんな沙希さんが企画した「島島弁当」がコチラ↓

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「べっこうずし」を小さな“船”に詰め込み、伊豆大島の自然塩とシソで煮た「塩こんにゃく」と爽やかな「レモン生姜(ガリ)」が添えられた、ルックスにも味にもこだわったお弁当です。(おまけのお菓子もついてきます!)

価格:700円

※同店で〈お持ち帰り専用〉として販売中。予約可

さて、お次はメインの「べっこうずし」!!

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うぉい!キタコレ♪

完全に予想のはるか上をゆく豪華さ☆

まるで料亭のフルコースみたいです。

「べっこう寿司+創作やさい惣菜5種」

これでお値段なんと1,000円!

ぶっちゃけ採算とれてるんですか…!?

まず惣菜の1つ1つがめちゃくちゃウマいので、細かいけど全部紹介しちゃいます!

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「かぼちゃのサラダ」

お寿司とのバランスを考えて添えられた一品。

食べた瞬間、かぼちゃの自然な甘みが口の中に広がります。

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「和風ラタトゥイユ」

フランス南部プロヴァンス地方の名物野菜煮込み料理。

ご存じの通り、日本でも女性に人気です。

こちらでは、いろいろなキノコを加え、和風の味付けをしているとのこと。

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「ヒジキとヒヨコ豆のフムス」

聞き慣れない人も多いでしょうが、トルコや中東などでは伝統的な日常食で、ひよこ豆を使ったサラダの一種です。

豆とゴマをベースに、オリーブオイル・練りゴマ・レモンで味付けし、ヒジキを加えてアレンジしているとのことです。

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「トマトの天ぷら」

和料理の代表格だが、中身は前菜にふさわしいトマト。

衣に海苔を加え、添えられた伊豆大島の自然塩とは相性バッチリ!

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「ニンジンとオレンジのラペ」

フランスの家庭料理の定番で、作り置きにも最適なラペ。

人参を細長くすりおろしてオリーブオイルなどで和えたもの。

さっぱりしていてヘルシーなメニューです。

そして、いよいよ主役の…

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「べっこうずし」!!

伊豆諸島の家庭料理として長く愛されてきた「べっこうずし」ですが、もともとは温暖な島で生魚を美味しく保つための知恵から生まれたもの。

島唐辛子と醤油で魚を漬け込み、刺身が艶やかな“べっこう色”に染まることからその名が付けられたのだとか。

こちらの「鼈甲鮨 BEKKOUZUSHI」では、まろやかで深いコクのある漬け醤油と、爽やかで食感の楽しい梅ゴマ酢飯を考案。さらに、刺身の表面をエキストラ・バージン・

オリーブオイルでコーティングして、栄養たっぷりの明日葉(あしたば)を巻いているのが特徴とのこと。

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では、いただきま〜す♪

…ふむ……ふむふむ。

ふむースッ!!(まぎらわしくて失礼・笑)

確かにコレは食べたことのない味&食感!

お寿司のようでお寿司じゃない、味は濃厚だけど、どこかさっぱりしていて食べやすい。ぜひお酒と一緒にいただきたい一風変わった料理です。

ちなみに、同店にはワイン〈赤・白〉、シェリー、ビール、日本酒も置いてあります!

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さらに同店オススメの食べ方が、「べっこうずし」の最後の1つを別の器に入れ、特製の「木ノ子のコンソメスープ」を注いでいただく“お茶漬け風”の〆(シメ)の一杯!

刺身の食感がちょっぴり変わり、漬け醤油と出汁がまざって絶妙な味わいに。

いや〜満足満腹でございます♪

…で終わらないのが自称“愛食家”のワタクシ。

「本場の味を食べてみたい!」と火がついてしまい、まさかの伊豆大島行きを決意したのであります。

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数日後。

伊豆大島に渡るため、再び竹芝客船ターミナルへ。

東海汽船が運航している「東京ー大島」の定期船には、大型客船(22:00発/翌朝6:00着)と高速ジェット船(時季により発着時間が異なる)がありますが、今回は日帰り取材のため後者を選択。

ここでアシスタントを紹介しましょう↓

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コイツら(笑)。

うちのボウズたち(5歳と4歳)です。

妻が長期入院中のため、現在は男3人所帯。

普段は保育園に通わせているのですが、もしもトラブルなどで帰って来られないといけないので、遠方取材には必ず連れて行くという事情なのです…。

というわけで、“子連れライター”の島取材リポート&小旅行記をしばしご覧くださいませ。

ちなみに、後ろに見えているのが今回乗船した高速ジェット船「セブンアイランド 友」号です(そのほか、「愛」「虹」「大漁」の3タイプあり)。

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高速ジェット船は甲板に出られないので、ゆったりとしたシートでくつろぎタイム。

レインボーブリッジ、風の塔、三浦&房総半島の海壁など、東京湾を出るまでは結構いろいろな景色が楽しめます♪

乗船時間は約1時間45分。

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伊豆大島・元町港に到着〜。

その日の波の状況によって到着する港(岡田港or元町港)が変わるので、2パターンのスケジューリングが必要です。

前方正面に見えているのが東海汽船の船客待合所。

まずはココに行ってみます!

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スーパーあんこ娘3人がお出迎え\(⌒-⌒)/

「あんこ」といっても、「餡子」のことじゃないよ。

伊豆大島で年上の女性のことを「あねっこ」「あんこ」と呼び、“椿の花”に例えられるんだって。

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目当ての店の開店にはまだ時間があるので、観光がてら「大島一周道路」を結ぶ大島バスに乗車。

島の南方に向かう波浮(はぶ)港ラインの途中にある“とっておき”のものを見に行きます♪

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元町港から約14分の停留所「地層断面前」で下車。

なにやらスゴイものがバックに見えますね!

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近くで見ると、この迫力!!

そう、コレは約2万年以上かけて幾重にも積み重なった地層の断面なのです(すげー)。

伊豆大島は火山活動の繰り返しによってできた島で、中央部には観光名所にもなっている噴火口があります。

ちなみに、約100層ほどの地層は地元で“巨大バウムクーヘン”と呼ばれているそうです(大島町民のセンス〜。メルヘンですね・笑)。

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この壮観な眺めが約630m続きます。

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だいぶ歩いてお腹が減ったので、元町港に戻って最初のお店「寿し光」へ。

さっきの待合所からは目と鼻の先です(徒歩1分)。

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早速、今回の主役「べっこうにぎり」が登場♪(8貫1,700円)

べっこう色の“てり”が食欲をそそります!

口にする前に鼻を寄せると、なんともいえない漬け醤油と唐辛子の香りがツーンとします。

気になるお味のほうは…当たり前だけどウマい!!

竹芝客船ターミナルの「鼈甲鮨 BEKKOUZUSHI」とは味の方向性が少し違うかな、という印象です。

花で例えるなら、椿と山茶花(さざんか)でしょうか。

どちらもツバキ科ツバキ属ですが、花姿や実のかたち、芳香はそれぞれ異なりますね。

うまく伝えられませんが、同じ「べっこうずし」でも板前さんの個性が出るなぁと感じました。

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続いて出してもらったのは「島丼」(1,600円)。

本来は保存食である“べっこう”と、獲れたての新鮮な地魚による奇跡の“響宴”です☆

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1軒目の取材を終え、観光案内所へ。

前述の地層断面や噴火口(三原山)のほか、伊豆大島火山博物館や大島町郷土資料館、愛らんどセンター御神火温泉、椿花ガーデン、筆島、海岸沿いに多数ある砂浜や景色のいい岸壁など、島内には様々な観光スポットがありますが、日帰りですべてを回るのは到底ムリ。

できれば2〜3泊、余裕があれば1週間くらい滞在してじっくり見て回りたいものです。

バスの路線は充実しているものの、本数が少ないので機動力重視の人には自転車・バイクのレンタルがオススメ。

また、もう今年の開催期間は過ぎてしまったのですが、毎年1月下旬から春先にかけて大島町の一大イベント「椿まつり」が開催されるので、その時期に訪れると色鮮やかな椿を眺めながら、いろいろな催しを楽しむことができそうです。

「第61回 伊豆大島 椿まつり」

公式HP:http://tokaikisen-tsubaki.jp/

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続いて2軒目、大島バス停留所「支庁前」から徒歩5分のところにある「雑魚や紀洋丸」へ。

風情のある田舎宿のような外観が特徴です。

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まずは「べっこう」(550円)。

握り寿司や丼を食べるとお腹いっぱいになるので、「いろんな魚を楽しみたい♪」という粋な人は刺身でいただくのが一番かも。

この日のネタはイサキとカンパチ。

辛めのタレに漬け込んだイサキはなかなか強烈な味で、同じ“べっこう”でもマイルドに仕上げたカンパチとはまったく異なる舌触りです。

あぁ、子連れじゃなきゃ日本酒といきたいところですが…。

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2軒目なので、早くも満腹気味に…。

〆(シメ)の「べっこう茶漬け」(400円)を注文。

出汁ではなく普通のお茶でいただくのが地元流。

そして、「べっこうずし」。

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大島町の元町長であるオーナーから「べっこうずし」の歴史や伊豆大島への愛などをアツく語っていただきながら、美味しくいただきました。

ごちそうさまで〜す♪

ちなみに、八丈島にも「べっこうずし」に似た、保存食として生まれた「島寿司」がありますが、ネタに塗られているのはワサビじゃなくてカラシなんですよね。知ってましたか?

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特製醤油ダレと島唐辛子も見せてくれました〜。

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「大島牛乳アイスクリーム」(300円)を食べてアシスタント1号も大満足v(*^ワ^*)v

深々と頭を下げてお店をあとにしました。

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食後の散歩をかねて、しばし島内をハイキング♪

まっすぐな道が延々と続きます。

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アスファルトから突き出た小さな木を発見。

都会生まれの子どもには、もの珍しいようで…。

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数多くある古民家の佇まいは、まるで時間の流れが止まったかのようです。

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しかし、ここもれっきとした東京都(伊豆とつくので、静岡とよく間違えられますが)。

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さて、そろそろ帰りの船の時間。

注)あの黄色い大型客船には乗りません(子どもたちは無理やり乗ろうとしましたが・笑)。

みなさんも「べっこうずし」を食べたくなったら、まずは竹芝客船ターミナルに行ってみてください。

レストランのメニューや島島弁当を食べたら、きっと伊豆大島に渡ってみたくなるはずです♪

お店情報

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鼈甲鮨 BEKKOUZUSHI

住所:東京都港区海岸1-12-2 竹芝客船ターミナル内

TEL:03-3433-4820(東汽商事)

営業時間:平日11:30〜15:00

定休日:土日祝

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伊豆大島 海鮮茶屋 寿し光

所在地:東京都港区大島町元町1-4-7

TEL:04992-2-0888

営業時間:11:00〜14:00(ランチ)、17:00〜23:00(ディナー)

定休日:年中無休

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雑魚や紀洋丸

住所:東京都港区大島町元町馬の背

TEL:04992-2-1414

営業時間:11:30〜13:30(昼の部)、17:30〜20:00(夜の部)※終了時間はラストオーダー

定休日:木曜日、最終水曜日

取材協力:東海汽船 株式会社

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書いた人:

松本京也

我何者でも無し。いま人生の岐路に立つ。ただ「食」を愛し貪る者なり。

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