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元”改革派”官僚・古賀氏「霞が関にも志を秘めた官僚はいる」 番組全文(後編)

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「考えを貫けないかと考えている人はいまもいる」

 ”改革派”の官僚として知られたものの2011年9月26日に辞職した古賀茂明氏が28日夜、ニコニコ生放送「衝撃告白!古賀茂明、経産省を辞職へ~一体なぜ辞めることにしたのか?」に出演した。古賀氏は聞き手を務めた東京新聞論説副主幹・長谷川幸洋氏に、霞が関、つまり官僚のなかにも「志を秘めた若い人はいる」と言い、「世論を高めていけば彼らの考えていることが実現しやすくなる」と語った。

 また自身の今後については、自ら政治家になるよりは「改革派の政治家を政策面でサポート」する政策コンサルタントのような立場を目指すと答えた。

 以下、番組を全文書き起こして紹介する。

・[ニコニコ生放送] 全文書き起こし部分から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv64777432?po=news&ref=news#0:33:15
・経産省を辞職した”改革派”古賀氏「やりたいことをやり抜こうと思ったら必ずぶつかる」 番組全文(前編)
http://news.nicovideo.jp/watch/nw121239

■辞職の日、後輩からもらったメールに「ぐっときた」

長谷川: 是非おうかがいしたいのは、やっぱり世間には古賀さんみたいな改革派の官僚がお辞めになっちゃったと。そうするといわば希望の光が消えてしまった。もうこれで期待するものは何もないというような受け止めもなくはないと思うんですね。それは理解できます。ただ私がちらほらと外から見る限りでも、経済産業省あるいは財務省にだって、現状このままでいいとは思わない、ある種、志を内に秘めて、表には出さないかもしれないけどという人はいるかもしれないわけですよね。そういう若い人たちが多いと思うけど、若い人たちはどうですか? いるんですか、いないんですか、まず。

古賀: いや、(志を内に秘めた若い人は)いますよ。僕が辞める前も、時々僕の部屋に訪ねて来てくれたりとか、あるいはメールとかで僕の考え方を支持しますというようなことを言ってくる若い人はいました。

 最後辞める日にすごく印象的だったのは、入省して7~8年目の人なんですけど。ちょっと今留学していてメールをくれたんですけど、自分が1年生の頃に僕と一緒に仕事をしたと。その時に言われた言葉があります。それは何かというと、僕も別に特にその人にそういう話をしたって覚えてなかったんですけれども、経産省で働いていると必ずおかしいなと思うことがあるよ、と。その時に、だけど自分が「これは絶対正しい」と思ったら、何とか頑張って曲げないようにやってみろというようなことを僕が言ったと言うんですよ。それで彼は折に触れてそれを思い出しているし、これからもそれを考えながらやっていきたいというようなメールをくれたんですね。

 僕は辞める時にあんまり特別な感慨はなかったってさっき言ったんですけど、そのメールをもらったときだけは何かちょっとね、ぐっと来ましたよね。そういうやっぱり若い人で、いろいろおかしいなと思うこともあるんだけど、何とか自分の考えを貫けないかなということを考えながらやっている人が今でもいるということで。そうすると、やっぱりそういう人たちが活躍できるような環境をどうやって作っていくのかということを、僕はもう辞めちゃったんですけども、それは自分のテーマとしてこれからもいろいろな形で彼らをサポートできるような、あるいは働ける環境を作るようなことをやっていきたいなという風に思っています。

長谷川: なるほど。その辺の突破口というのがなかなか見えないと思うんですね。はっきり言って、今この野田政権ですから。野田政権の話は後、時間があったらやりたいと思うんですけど、これはもう本当に「財務省政権」だと僕は思います。いまだかつてないぐらい霞が関に羽交い締めに遭った政権になりつつあるなという感じをしているんだけれども、そういう状況の中で、どうしたらそういう志のある若い人たちが活躍できるのか。

 要するに、非常にズバリ言ってしまえば、古賀さんお辞めになったから、これから自由な世界でご活躍できるわけですよね。でも残された若い人たちはそれでも霞が関の中で仕事をしていかざるを得ない立場にあるわけじゃないですか。その人たちはどうしたらいいんでしょうね。

古賀: 一つはね、「今の政権下」という制約の中で何ができるかというのがあるんですけれど。僕としては、例えば東京電力の問題とか原発の問題とか、いろいろそういう具体的な問題について、若い人たちが「本当はこういう風にやりたいんだけれども、なかなかできない」というのがあるじゃないですか。例えば、僕が東京電力の破綻処理をちゃんとやるべきだという提案をしたときに、結局そうはならなかったんですが、その過程では若い人が僕に、「いや、もう本当に東電を今破綻させてください。それをやらないともう日本の電力市場は終わりですよ」ということを言いに来た人がいるんですよ。そうするとね、そういう人から見れば、僕とかいろんな仲間でそういう世論を高めていくということをすれば、彼らの考えていることというのが・・・。

長谷川: だんだんやりやすくなる。

古賀: やりやすい。

長谷川: やりよくなってくる。

古賀: ということになるので、それは一つのやり方。それは今の政権の枠組みという制約がある中でも、ある程度のことはできるかなというのが一つありますよね。でもやっぱり根本は改革をやりたい、やろうという、それをやる覚悟のある政権を作るということがやっぱり一番本質的なことですよね。それをやるために、自分は何ができるかなというのを自問自答しているんですけど、それを言うと「おまえ、政治家になるのか」という風にすぐ言われちゃうんですけど。

 先に言っておきますと、政治家になるのはものすごくコストがかかります。それはお金だけじゃなく、エネルギーというのがものすごいですよね。大体政治家になるためのエネルギーにほとんど自分のエネルギーを割かれてしまうと。あるいは(政治家に)なった後も政治家でなくちゃいけない、あり続けなくちゃいけないということで、ものすごくエネルギーをかけちゃうんですね。そうすると、だんだん最初はこういう政策をやりたいということで政治家になった人が、僕はもう沢山見ていますけれども、結局政治家でありたいがためにどんどん曲げていくとか、あるいはそんなことを考える余裕がないというようなことが起きているので。自分としては政治家になるための基盤なんて何もないわけですから、ゼロからものすごいコストをかけてやるよりは、改革をやりたいという政治家に対して、政策面でサポートをしていくということのほうが、役割分担としてですね。

長谷川: そうすると、ある種「政策コンサルタント」みたいなイメージ、そうですか。

古賀: はい。そういうことで、それを党派を超えてやりたくて。自民党にも民主党にも少数派なんだけど改革派というのがいるじゃないですか。私はある特定の「この人だけ」という風にはあまりなりたくなくて、そういう改革派と思える人たちにそれぞれにサポートをしていきたくて。おそらくそういう方々というのは、実はあんまり今連携していないかもしれないんだけど、その政策が共通になってくれば、連携する余地というのがどんどん増えてくると思うんです。そうすると、仮に選挙の後に今度自民党が多数になったと。でも1党で過半数取れないというような時にどうやって連立を組むかみたいな局面が来たら、政策が同じで、日頃から連絡を取っていた勢力が連携して改革派政権を作っていくみたいな。そういうための政策で結びつけていくためのお手伝いというんですかね、そういうのができないかなと思うんです。

■「海外メディアは”日本の新聞は本当のことを書かない”と言う」

「霞が関や永田町で交わされているような議論がすべてではない」と長谷川氏(左)

長谷川: なるほど。その辺の分野というのは日本はまだ本当に未発達で、今画面(にコメントが)流れていますけど、「政策工房」、(元財務官僚・経済学者の)高橋(洋一)さんなんかがおやりになっている、こういう会社も立ち上がっていますけど。その辺はこれから古賀さんなんかも参入していただいて、どんどんそういう分野を新たに作っていくということになりますかね。

古賀: そうですね。それと、ただ政策がいくら立派でも、やっぱり選挙である程度数を集めないといけないといけないわけじゃないですか。そのために、各党の少数派ですごく可哀想なのは、今お金が政党交付金でどーんと政党に出ちゃうものですから、多数派というのはそのお金を使って政策立案とか、あるいはいろいろなPRとかそういうことができるんですよ。

 ところが少数派というのは、そのお金が使えないものだから、本当にお金がないんです。なので、そういう少数派だけれど改革をやりたいという人たちに、少額献金のような、個人でね。そういうのをやりましょうみたいなキャンペーンとかですね。その前提としては、やっぱり国民のみんなが「こういう政策をやろうよ」ということを一人一人が考えてもらう。そのためのお手伝いみたいな。政治家のサポートだけじゃなくて、国民の皆さんの・・・サポートと言ったらおかしいけど、連携して改革派を応援するような、そういう活動というのも作っていけたらいいなと。

長谷川: なるほど。

古賀: その時の非常に大きな力になるのがやっぱりこのネットとか、ツイッターとかフェイスブックとか、そういう世界というのがかなり大きな武器になるだろうなという風には思っております。

長谷川: さっきから出ていましたけれども、やっぱりネットの話に戻ってきたんですが、ここでツイッターでももう出ていたように、世論の力がとても大事だということはご覧になっている視聴者の方もよく分かると思うんですね。で、ちょっとメディアの話もしておきたい。つまり、私自身は永らく新聞の世界で仕事をしていて、新聞が霞が関や永田町で起きていることを、いわば報じる。そこの議論を紹介するということで、国民がその永田町や霞が関で起きている議論を理解したということだったんだけれども、私はメディアの立場で言うと、今違うことが起きつつあるのかなと。

 つまり、政策の議論というのは、霞が関や永田町で交わされているような議論がすべてではないという風に、僕は本当に痛感するんですね。それを高橋洋一君なんかは走りとして「政策工房」を立ち上げ、おやりになった。古賀さんもこれから霞が関を離れるけれども、この日本の経済あるいは国を少しでも良くするために、政策を発信していこうとする。そうすると、つまり霞が関のオルタナティブな、もう一つ別の政策を発信するコンテンツというのをやろうしておられるということですよね。

古賀: うん、そうです。

長谷川: そうすると当然のことながら、僕はメディアだって変わってこなきゃいけないと痛感しているんですよ。その辺はいかがですか。

古賀: 例えば、さっきから「記者クラブ」という話が(コメントで)流れていますけれども、昔は新聞しかなくて、そこにTVが出てきたという時代がありましたよね。そうするとTVのほうが早いと、ニュースとしては。何かほら、経済統計を発表する時に、同じ時間に発表してもTVはすぐ流しちゃう、新聞は何か翌日の朝刊まで待たなきゃいけない。新聞からするとそれはずるいと。「先にTVにやられちゃったら、俺たちのを読んでもらえなくなるじゃないか」というので、すごいせめぎ合いがあったわけです。そこでTVと新聞の解禁の時間を変えるとか、そんなことをやっていたじゃないですか。

長谷川: やってましたね。

古賀: それでいま、例えばこのニコニコ動画で記者会見を生中継しますと。生中継されちゃうと、それをしばらくしてからニュースで流すというのは価値がものすごく落ちるんです。

長谷川: そうですね、そうですよ。

古賀: ものすごく一部しか見れない上に時間も遅いというね、ではどこに取り柄があるんだという話になってきて。それで僕はさらに生でやって、例えばその記者会見が終わった、もうそこに続けて長谷川さんが出演して「今こういう会見をやりましたけど、これはこうですね、ああですね」という解説までしちゃう。そうすると、もう翌日の新聞まで要らなくなっちゃうんですね。・・・という世界に今なりつつあって。もちろんそこは質の勝負になるんですけど、幸か不幸か今のマスコミの報道の質が非常に低いと。これは何とかしてもらわないといけないんですけど、今あるマスコミを直しているということをやるよりも、もうその新しいメディアがどんどん成長して取って代わるというふうにしたほうが早いんじゃないかなと。

 僕のところに最近、海外のメディアがみんな解説を求めに来るわけですよ。「日本て、どうなっちゃっているんですか」と。いろいろ話をするんですけど、その中の雑談で彼らがもう異口同音に言うのは「日本の新聞て本当のことを書かないじゃないですかと。あれは何なんですか」ということを聞くんです。いや、まあ分かっていないというのもあるし、いろいろなしがらみもあるし・・・みたいなことを解説をするんですけど、「もうおおよそ信じられない」と言うんですね、彼らから見ると日本のメディアというのが。だから、例えば原発の報道をする時に、日本の新聞というのはね・・・。

長谷川: もうがんがん(コメントが)流れている。

古賀: 日本の新聞記事は当てにならないという前提で書かないといけないから、すごく大変なんだと。それで、例えば原発だったら、『AERA』の大鹿(靖明記者)さんの記事をまず見るんだとかね。そうやって、かなりやっぱり日本のメディアに対する、既成のマスメディアに対する不信感というのは強いなという感じがする。もちろん一生懸命やっている方も僕は沢山知っているので、そういう方も頑張ってもらいたいなという風に思うんですけど。でもそれは、やっぱりいろんな新しいメディアが出てくることによって競争になってね、そうすると古いメディアも変わらざるを得ないという、そういう相乗効果でいい方向に行ったらいいなと思いますけどね。

長谷川: なるほど。時々は私も余裕がある時は、何かニュースが起きてネット流れるじゃないですか。そうすると、それに対するいわば自分なりの勝手なつぶやきで解説をツイッターで発信するようなこともあるんですけど、結構反応が良かったりするんですね。だから新聞でなかなか解説し切れない、言えないような話がツイッターなり、あるいはネットメディアみたいなものを通じてできるという世界が、やっぱり少しずつ・・・僕の感じではこの1年ぐらいかなという気がしますけど。確かにそういう世界というのはありますね。

■古賀氏が経産省を辞職するまで

長谷川氏は会見で、枝野大臣に直接古賀氏の人事について質問した

 ちょっと話は(スタッフから)注文が来ているので聞きますけども、退職の経緯ですね。(9月26日の)月曜日に正式にお辞めになった。でも海江田(万里元経済産業大臣)さんの時から、いっぺん大臣が会おうというのでお会いになって、話をしようと。それで、それから(経産大臣は)鉢呂(吉雄)さんに代わり、ちょっとVTRを用意しておいていただきたいんですけども、鉢呂さんになり、その後鉢呂さんもわずか9日でお辞めになり、(今度は経産大臣が)枝野(幸男)さんになったわけですね。それで何かあの、中途半端になっちゃって、私自身も枝野さんが一体どういう風に思っておられるのかなと思って。・・・実は記者会見に出て、私自身が質問したんですね。そのVTRがあると思うので、ちょっとそれを流していただけますか。出ますか? まもなく出るそうです。

--ここからVTR。

長谷川: 「大臣官房付」の古賀(茂明)さんの人事についてお聞きしたいんですけども、古賀さんの人事について大臣ご自身の考えは、どういう風にお考えなのか。それと官房長から「大臣が古賀さんに辞めてもらっても結構だ」という風に言っていると古賀さんに伝えているようですけれども、それは本当でしょうか。

枝野経産大臣: 一般的に、次官であるとか局長というような人事については別として、本来私が個別にコメントすべき性質のものではないと思っておりますし、一貫してそう申し上げておりますが。様々な報道がされておりますので、念のため申し上げますと、古賀氏については海江田大臣、鉢呂大臣によって積み重ねられた判断と手続きが進められてきております。私としては、これまでの判断を引き継ぎ、これを了とし、後の手続きその他の手続きについては事務方に任せることとしたものでございます。

長谷川: そういうお考えを古賀さんご自身にお伝えするつもりは・・・。

枝野経産大臣: ありません。

長谷川: ない?

枝野経産大臣: ありません。事務方において適切に対応していただけると思っております。

--ここまでVTR。

長谷川: はい。今の質問をしたのは実は私自身だったんですけども、ここに枝野さんのご発言があります。ちょっとこのフリップを撮っていただけますか。はい、では枝野さんが語ったこと、古賀さんの処遇について、「海江田大臣それから鉢呂大臣によって積み重ねた判断と手続きが進められてきている」と。「これまでの判断を引き継ぎこれを了とし、手続きは事務方に任せる」と。こういう風に仰っているわけですね。

 ここでちょっと詰めておきたいんですけども、私がまずよく分からないと思うのは、海江田大臣それから鉢呂大臣によって「積み重ねられた判断と手続き」。これははっきり言って私は何も知りません。一体どんな判断と手続きが積み重ねられたのでしょうか。古賀さんはご存知ですか。

古賀: もちろんその事務方と大臣の間でどういう話をしてきたのか、僕も直接は見聞きできないので、分からない部分もあるんですけれども、たぶん間違ってないだろうなと思うんですが、推測すると、海江田大臣までにも、・・・僕はそもそも「大臣官房付」というのに1年9ヶ月前になった時は、その時は直嶋(正行)大臣ですね。その後、大畠(章宏)大臣になって、それから海江田大臣と来てるんです。

 直嶋さんの時はまったく何もなく、彼は私ともちろん会いもしないし、私について何か言うこともなく代わってしまった。大畠大臣になった時に、例の仙谷(由人)さんの恫喝発言があったのですが。あの時に大畠大臣は、民主党の政治家に非常に多いんですけど、人気取りのためだと思いますけれども、私のような「知識と経験のある人間は、それを活かすような処遇をしたい」というようなことを言ってるんです。あまり有名じゃないんで、仙谷さんの恫喝発言ばかりが報道されたので、そっちの大畠大臣の発言は(あまり報道に)出なかったんですけども、実はそう言っているんですね。

 だけどそれはその場しのぎで、いかにも私を使う、「古賀を使うんだよ」っていう風に一瞬見せかけておいて、でも実際には一切何もしないで、やっぱり辞めちゃった。海江田大臣もしばらく放置するんですけど、途、記者会見で何回か聞かれるようにになって、そしたらやっぱり苦し紛れに大畠さんと同じように「大畠さんの判断を引き継ぐんです」という風に最初は言うんです。だけど今年の夏ですけれども、最初は直接じゃないですけど、私は事務次官から「もう辞めてくれ」という話をされるんですね。海江田大臣は、その時に国会でそのことを聞かれて、「自分もそれを了解していた」ということを言うんです。だけど、「私はいつでも古賀君に会うよ」みたいなことを仰ったので、私は直接会いに行ったんですね。それで「大臣、私をクビにするんですか」と聞いたんです。「クビにしたいんですか」と。そしたら「いやいや俺はそんなこと言ってない」と言って逃げるわけですね。

 つまり、海江田さんが本当に私を辞めさせたいと思ったのかどうかよく分からないんですけど、基本的にはやはり事務方が「辞めさせていいですね」と言ったのに対して、「いいよ」と。そういう受身の判断をしたということだろうなと思うんです。

長谷川: なるほど。

古賀: 私はもう海江田さんに「いや、辞めろなんて言ってない」と言うから「じゃあ仕事くれるんですか」と。「仕事くれるかくれないか、2つに1つですよね」と言ったら、「いやいやまだ会ったばかりだから」とか言って「時間もないし、また今度会おう」と言って別れたきり、その後話をしてない。

 鉢呂さんにいたってはまったく私のことを何も知らないし、だから結局僕の受けてる印象は、枝野さんはそれを「引き継いだ」と言っているんだけれども、結局前の大臣も自分で判断してないんですね。事務方が言っているということに乗っかって動いてきたというのが実情じゃないかなと。

長谷川: なるほど。そうするとここで枝野さんが仰った「海江田大臣、鉢呂大臣の判断」と言っているのは、実は事務方の判断なんだと。

古賀: そうです。

長谷川: ということですね。

古賀: はい。

長谷川: かつ、枝野さんについて言えば、その「海江田さんと鉢呂さんの判断を受け継ぐ」と言っているわけだから、いわば二重に枝野さんは判断を逃げている。いや、実はこれは私の判断なので、意見がもし違えば指摘していただきたいんですけども、私は「海江田大臣と鉢呂大臣の判断を引き継ぐ」と、こういう言い方を枝野さんがされたというところに、ある種、枝野大臣という政治家の振る舞いというのがよく出たなと実は思ってるんです。

 僕はふだん記者会見なんか出ないんですけども、あの時なぜ僕が記者会見に出て枝野さんに直接聞いたかというと、実はそのことを見極めたかったんですよ、はっきり言うと。古賀さんご自身の処遇がどうなるかということもあったけども、僕は「政権ウォッチャー」として枝野さんという政治家がどういう政治家かなと。つまり最終的に、こういう古賀問題も含め自己自身で判断を引き受けていく人かどうか、そこを見極めたかったということなんだけど。まあ枝野さんのあの発言を見る限り、やっぱり大事なところは逃げたなということが一点ですね。

 それからもっと大事なことは、実は先ほども古賀さんにお聞きしたように、実は経済産業省の中に、若い人たちでいろんな改革のマインドを持っている方たちはまだいる。それは私も知ってます。でも今回のような枝野さんのああいうご発言、つまり「一職員の処遇について、大臣たる自分が聞くようなことではない」と、こういう風にはっきり仰った。こういう風に言われちゃうと、これから改革マインドを持っている若い官僚たちは、大臣にモノなんか言いませんよ。だって(クビを)切られちゃうから。これは、はっきり言って「改革をやろうっていう政権ではないな」と残念ながら言わざるを得ない。

 というのは、今や民間会社だって、大企業のような民間会社だって、社長だって役員だって、気の利いた人だったらば「僕のドアはいつだって開いている。僕のやっていることあるいは会社の出来事で、何か不満・言いたいことがあったら、いつでも門戸は開いているから僕の部屋に来てくれ」というのが、先見性のある経営者の立ち居振る舞いですよ。ところが、今回の大臣のご発言というのは「僕は大臣だから。局長や次官の人事は見るけど一職員の話は聞かない」と言ったも同然でありまして。これでは若い職員は「大臣室なんか入ったら、これはえらいことになる。自分の身が危ない」という風に思っちゃうのではないかなと私は思うんですけど、いかがですか。

古賀: いやもう仰る通りですね。だから枝野さんは、例えば行政刷新担当大臣の時に、「政策グランプリ」というのをやったんですね。それで担当に関わらず「何でもいいアイデアを若手でも何でも、ランクに関係なく何でも言ってこい」という、そういうのをやっていた人がこういう発言をまたしていると。いかにその「政策グランプリ」というのがまやかしだったのかなという気がします。私、実は「政策グランプリ」に応募したんですよ。

長谷川: はい、はい(笑)。

古賀: 次官廃止とかそういうのを入れた公務員改革を是非やって下さいという提案を送って。(大臣・副大臣・政務官の)政務三役が(内容を)見ているという話なんですけれども、結局、もちろん何の連絡もありませんでしたが。この間の会見を見ていて本当に私が残念だったのは、私を使わないなら使わないで、要するに「自分がやりたい政策はこうであって、そのために幹部はこういう人をこういう布陣で使うんだ。残念ながら古賀君はその構想に入らない」と。それは自分の判断だと。海江田さんの判断でも、鉢呂さんの判断でもない、要するに「自分がその政策を実行するために彼は要らないんだ」ということを責任を持って言うというのが大臣だと思うんですね。それを何かその「いや前の大臣もいろいろやってたし・・・」みたいなことで逃げられると思ったというところが、何というか本当に残念な人だなという感じがしますよね。

長谷川: ズバリ言うと本当に僕は、官僚的だった答弁だなと思いましたね。

古賀: (渡されたメモを)読んでましたね。

長谷川: あぁ読んでましたね、あれはメモを読んでました。それでね、枝野さんの個人攻撃をするつもりではさらさらありませんが、例えば昨日の衆議院の予算委員会なんかでも、東京電力の例の賠償問題。自民党の塩崎恭久さんが質問された。「(東電の)株主の責任を問わないのはおかしい」それから「銀行の責任を問わないのはおかしい」と。まぁこういうことをされて、塩崎さんがあの質問されるのは、同じような趣旨はこれで3回目だと私は思いますけど、そしたら枝野さんのご答弁が「実は私も塩崎さんの考え方と一緒です」みたいなことを言うんです。そういう風に言っておきながら、基本的な政策の根本に関わる問題で「同じだ」と言っておきながら、なんでこういう古賀さんのような方について「一職員の話は大臣としては聞かない」と。前例を作るのは適当でないと。そこまで仰ったんですからね。これは本当に僕は残念だなと思いますね。

古賀: そうですね。塩崎さんがずっと主張されている東電の処理案というのは、あるいは原発の話もそうです。基本的に私と共通なんですけども、特に、枝野さんは就任されて、前も官房長官の時も言われましたし経産大臣に就任された時も、銀行に債権放棄させるかのような発言をぽーんとするんですね。それは大きな話なので、新聞にどーんと載るんです。

 だけどそれから次の日、さらに翌日、翌々日という風になると、どんどんどんどんトーンダウンするんですよ。だけどそれは、そこのところはあんまり記事にならないんですね。非常にある意味ずる賢いやり方で、改革派だというイメージが出る発言だけが報道されるようにして、あとはうまくフェードアウトしていく。結局政策の基本は何も変わっていないという。そこら辺はもちろん、弁護士なので非常にうまくやってるなっていう風に、私から見るとそういう風に見えますね。

■「東京電力はすでに上場廃止になってないとおかしい」

古賀氏「東電処理のスキームは無理に無理を重ねている」

長谷川: なるほど。今日ご覧になっている視聴者は政策問題に詳しい方も沢山いらっしゃると思うから、ここであえてちょっと突っ込んで聞きたいんですね。つまり、昨日(27日)枝野さんは結構本音で、わりと大事な問題を答弁されてるんですね。それは何かというと、塩崎さんは「まず東京電力の破綻処理をしっかりする。それで株主に責任を問う。それから銀行にも債権放棄を求める。こういうけじめをつけた上で、それでも足らずまいがあれば税金取りもやむを得ない」と、まあ基本こういうお立場から質問されていたと私は思いますね。

 枝野さんのご答弁は、それを受けた形で「そういうお考えもあるでしょう」と。「でも私どもは法案の中にも書きました。つまり、ステークホルダー、株主や銀行に対して破綻処理というかたちでは求めないけれども、応分の協力はしてもらいますよ」、「それをしたかどうかは政治家たる私たちが判断して、ダメだと思ったらそれは認めませんよ」と。「ここは難しい判断だった」と、枝野さん正直に言ってるわけ。難しい判断だったけれども私どもは、塩崎さんの言うお立場も分かるけれども、とりあえず法律はそこまで会社更生法を求めるような厳しいことは言わずに、あとでどれだけステークホルダーに対して責任を求めたかどうか、政治が判断すると、「こういうことをいたしました」とこういう説明をされてるわけね。まずそのご判断についての古賀さんのご意見はどうですか。

古賀: もうあの、東電処理のスキームというのはですね、無理に無理を重ねて。ぎりぎり・・・というか、私は完全な国家的大粉飾だと思っているんですけれども。本来はもう実質的に破綻しているにも関わらず破綻していないと言う、言いくるめるためのありとあらゆる装置をぶら下げた仕組みになっていると。

 本当は東京電力ってもうすでに上場廃止にならないとおかしいんですよ。それは要するに、ちょっと難しいけど「ゴーイングコンサーン価値」(企業存続の可能性)が、ゼロに等しいというようなことを監査法人が言っている。つまり、もう企業価値が将来的にないんだという判断をされているものを上場する国というのはないんですね。何というか、だからそういう意味では、本当にこれはもう違法じゃないかと思うんですけれども。

 そういうことをやってですね、だけどそれを「そう(違法)じゃない」と言いくるめるために、一方で「いつでも国はお金を無尽蔵につぎ込めますよ」という仕組みを用意しつつ、「でもそんなことは絶対しないです」なんて言いながらですね。それから「じゃあ銀行の債権を丸ごと守るために税金を入れるのか」ってやると、「いやいや銀行にもちゃんと協力を求めるんです」という条文も入れてという風に、もう何というかパッチワーク、継ぎはぎ継ぎはぎで、こっちから言われたら「ここに答があります」でもこっちから言われると「こっちに答があります」という、そういう何て言うんでしょうね。はっきり言って、ほとんどもう形としてはすべて、論理も何も含めて破綻しているなという気がしますけどね。

 これでこのまま行けば、例えばこれから中国をはじめとした海外の国が海洋汚染の放射能汚染の損害賠償、もしかすると何兆円というオーダーで求めてくるかもしれない。その時に、これあれなんですよ「銀行の債権を守ります」と言ってるんですね。これは要するに「一般債権だから全部守りますよ」ということになるんです。そうしたら(海外から)海洋汚染の損害賠償請求が来てもカットできないんですね。本当はそうじゃなくて破綻処理にして、一般債権は銀行債権も被災者の債権も含めて1回カットされますという仕組みにしておけば、いろんな変な損害賠償請求が来ても基本的にはカットできるんですね。

 それで「じゃ被災者の債権がカットされていいのか」という話はあるけど、国民は「被災者のためだったら負担してもいいですよ」と言っているんです。だけど銀行のためになんか負担したくないしね。何か変な海外からのちょっとワケの分からない賠償請求が来たからって、それまで国民にかぶせられちゃたまらないという気持ちがあるので。被災者のところは別の仕組みで「ちゃんと国が面倒を見ますよ」ということをやったって、国民は全然怒らないですね。

長谷川: 僕は、(枝野経産大臣は)ステークホルダーにも協力を求めますという話が法律に書いてあるんですよ、と。だから枝野さんいわく「塩崎さんのお気持ちと一緒なんです」みたいなことを言うけど、僕ははっきり言って、ずばり言うと、とんでもない話だと思っていて。ステークホルダーがどれくらいの協力をしていて、それを「了」とするか「否」とするかということを政治家の判断に委ねる仕組みになっているということが、僕には納税者の1人として見るととても信じられないんですよ、はっきり言うと。

 だって、そうしたら政治家の裁量になっちゃうじゃないですか。政治家の胸先三寸で「はい、これでいいよ」「これじゃダメよ」という話になるでしょう。そうしたら政治家は賄賂をもらったらどうなっちゃうの? という話ですよ。ずばり言えばですよ、銀行や株主から「先生、先生。ちょっとまけてくださいよ、僕らも大変なんだから」と言って賄賂が出たら、国民はどうやってそれを検証できるんですかと。こういう話があるから、「法律の枠組みの中でキチっとしましょうね」という風に建てつけ(仕組み)はなっているはずなんですよ。そういうことを枝野さんなんかは百も僕はご承知だと思いますよ、法律家なんだから。

古賀: 弁護士ですからね。

長谷川: 弁護士なんだから。百もご承知であるにも関わらずそういう判断をしちゃったということは、どういうことなんだと思いますね。それから結局、税金なり電気料金の値上げで支払わざるを得ない私たちの立場からすれば、とてもじゃないけどそんな重要な判断を政治家あるいは経産大臣の裁量に委ねるなんてことはとても許せないですね。

古賀: そうですね。だから、そういう変なことが起きないように、普通は会社更生法とかを使って「裁判所が公正に判断をしますよ」と。そこには政治家の変なバイアス、「政治家が圧力をかけるとか、そういうことは絶対にさせませんよ」という仕組みを使うんですね。昔、産業再生機構というのをやったことがありますけど、その時も産業再生委員会というところにプロを集めて、そこはもう「一切政治家の言うことは聞かない」という建てつけにしてやったというのに比べると、今回はもう、何か最初から最後まで政治家が介入できるという非常におかしな仕組みになっているなと思いますね。

■古賀氏に問う「ハローワークに行きますか?」

視聴者にアンケート「古賀氏は辞職して正解だった?」

長谷川: さて、ここでちょっと視聴者の皆さんからアンケートを取ってみたいと思います。ご質問は用意されているわけですよね。ではちょっとアンケートを流していただけますか。

 「古賀さんは経産省を退職して正解だったか」。1「辞めてよかったと思う」。これは皆さんがどう思うかですよ。視聴者の皆さんが辞めてよかったと思うんだったら1。いやいや古賀さんは残ったほうがよかったんじゃないかと思ったんだったら「2」。さぁお答えをお願い致します。これはすぐ結果が出ますね。

古賀: 難しいですね(笑)。どっちにも出ますかね。

長谷川: 結果が出ました。「辞めてよかったと思う」は61%。2の「残ってもよかったのではないか」が39%と、こういう結果になりました。古賀さんご自身はどう思います?

古賀: いや、「よかったかな」という。よかったと思ってくれた方のほうが多かったので、(アンケート結果は)まあちょうどいいかな。

長谷川: 6:4ですね。

古賀: うん、「辞めないでほしい」という声もずっといただいていたので、そういう方の声に対してお応えできないというのが、ちょっと心苦しいなという気持ちもあったんですけど。多数の方が理解していただいたということでちょっとホッとしています。

長谷川: はい、続いてもう1問いきましょう。どうぞ出してください。

 「古賀さんに、これからやってほしいことは?」。1「政治家になってほしい」、2「一般企業に就職してほしい」、3「他の省で官僚を続けてほしい」、4「その他」ということです。いかがでしょうか。これもすぐに結果が出ると思います。政治家になってほしいという話は、私も「政治家になるんですか」という質問を随分いろいろな人から聞かれるんですけど、いかがでしょうかね。

 はい、出ました。「政治家になってほしい」が34.8%。「一般企業」は3.5%。「他の省で官僚」は5.1%。「その他」は56.6%ということです。

古賀: 「その他」というのは、中には私がさっき申し上げた改革派の政治家の方々の政策のサポートとか、あるいは国民とのインターフェースみたいなものをやりたいというのはその他に入るんですかね。

長谷川: うん、そうですね。アンケートはここまでですか。ということで、とりあえずアンケートはここまでですけれども、視聴者の皆さんから質問が来ております。まず1問目「これから官僚になる人、官僚を目指す人に何かアドバイスはありますか」。ご覧になっている方も、たぶんいらっしゃるんだろうと思います。若い人たちですね。いかがですか?

古賀: やっぱり、どうでしょう。何年かというのはよく分かりませんけど、必ず日本が大きく変わらなくちゃいけないという時が来るんですね。要するに変わらなかったら絶対に破綻するし、破綻したら変わらなくちゃいけないので、いずれにしてもどこかで変わるという時がそんなに遠からず来ると思うんですよ。

 ですからそういう見通しを持てば、今すぐ改革のために好きなことができないということで非常にイライラしたり、もう辞めちゃおうかとか考える人もいると思うんですけど、やっぱりもうすぐ改革するチャンスが来る、その時には自分たちが日本を何とかするんだという気持ちを持って、それを信じて頑張ってもらいたいなという風に思います。

長谷川: なるほど。それからもう1問。「もし過去に戻るとしたらどの位の時期でしょうか」と。

古賀: いや、難しいな。

長谷川: これは難しいですね。

古賀: 若い頃、楽しかったことは、例えば南アフリカに僕は3年行っていたんですけど、その頃はまだアパルトヘイトがあって、(ネルソン)マンデラ(元大統領)さんが牢屋に入っていたんですけど。僕が帰ってくる直前にマンデラさんが牢屋から出てきて、まだ大統領にはなっていなかったですけど、その前からずっとANC(アフリカ民族会議)という南アフリカの、非合法だったんですけどそういう団体なんかとお付き合いして、外務省にいろいろ怒られたりしながらそういうのをやっていた。

 それで最後、実はマンデラさんが日本の我々が主催したパーティーに、「海外の外交団に対して」という意味では初めて出席してくれたと。そこで握手して話して写真を撮って帰ってきたなんていう、非常に楽しい思い出もあって。そういう時期がもう1回来たらいいなとか。あるいは、やっぱりちょうど橋本(龍太郎)内閣辺りから小泉(純一郎)内閣辺りぐらいまでのあいだ、この間は結構いろいろな改革をやらせてもらったので、それは非常に楽しかった、もう1回ああいう時代が来ないかなという、そんな気もしますね。

長谷川: なるほど。それからもう1本、これは意外につまらない質問のように見えるんだけど、結構関心のある人が多いんですよ。だからちょっと聞きますね。「官僚時代はTV出演をよくされていましたけど、TVの出演料や印税は受け取っていないそうですが本当ですか?」と(笑)。

古賀: これはね、ちょっと必ずしも正確じゃなくて、本の印税はもらっているというか、いまもらいつつある。今、売れたのがちょっと経ってから入ってきますのでいただいているんです。それで、TVの出演料とかあるいは何だろう、雑誌への原稿料とか、あるいは講演料とかですね、そういうのは一切受け取っていない。だから前もここに出させてもらったりしていたこともあるんですけど、それは無料でやらせていただいているということですね。

長谷川: これからは、是非大威張りでもらってください(笑)。

古賀: そうですね。というかもらわないと生活できないので。

長谷川: いやいや、本当。だって無職ですからね。

古賀: そうなんです。

長谷川: ついでに聞きますけど、ハローワークに行ってみるお考えはありますか?

古賀: 去年辺りから辞めるということを考えていて、あれ誰だったか。長妻(昭衆議院議員)さんでしたかね。

長谷川: はい、はい。

古賀: 昔、民主党の先生が自民党に対して国会で「そもそも天下りなんて、もちろんとんでもない」と。「とにかく公務員なんてどんどんクビにして、クビになった公務員はハローワークに並べばいいんだ」という風に言っていたことがあって、私も「ああ、そうだな」と思っていたので、一度ハローワークへ行ってみようかなと実は思ったんですけど。行っても他の方の分、時間を取ってしまって悪いかなという気もするので。本当は行って、どれくらいハローワークというのが役に立つものなのかと見てみたい気もしますけど。今はちょっと、今すぐ路頭に迷うということでもないので、これからしばらくして本当にお金がなくなってしまうかもしれないといったら並ぶかもしれません。

長谷川: ちょっと今行くと、あまりにもう有名になってしまったから、パフォーマンスだなんて思われても困るしね。

古賀: そうですね。本当に仕事がなくなれば、逆に皆さんに忘れられちゃうと思うから、その時はそっとハローワークに並んで。

長谷川: でも、何処かの雑誌か何かの企画で「古賀さんとハローワークに行ってみました」みたいな。

古賀: それは相当迷惑ではないですかね、ハローワークの皆さんにも。

■次の大阪府知事選には「相当熱心にお誘いいただいた」

府知事選出馬の誘いは「全部お断りした」

長谷川: ついでにもう1問ですけども、大阪府知事選。いやその前にも実は、私の聞いている限り岩手とか神奈川とか、いろいろ「選挙に出ないのか」と、「出ませんか」というお誘いがだいぶあったと思うんですけど、それについてはいかがですか。

古賀: 全部お断りしたんです。大阪府知事選は、本当に相当熱心にお誘いいただいたんですけれども。やっぱり僕は思ったんです。大阪って本当に東京に次ぐ大都会ですよね。それで、大阪にも立派な人材というのは沢山いるはずなんです。それで私を担ぎ出したいというのは、何となく本も売れているし名前が売れたからというようなことで来られている・・・まあそれだけではないとは思うんですけれども、そういう面もあるだろうなという風に思って。

 では自分がその大阪で何ができるのかということを考えた時に、僕は本当に大阪のことをよく知らないんです。だからもし大阪府知事をやろうと思ったら、その前しばらく大阪に住んだりあるいは通ったりして、いろんなことをある程度勉強して、その上で「これをやりたい」というものがあれば行くんですけど。いきなり言われて11月選挙ですから、何も知らないまま自分が何をやりたいのかというのを、はっきり分からないまま何か偉そうに「大阪を変えます」とか言って立候補するというのは、ちょっと無責任だという風に思ったので。

長谷川: なるほど。

古賀: もちろん橋下(徹大阪府知事)さんがやろうとしていることは面白いことが沢山あって、特に公務員改革を本当に本気でやろうとされているので。僕はもちろん橋下さんがそういうお考えがあるかどうか分かりませんけれども、仮に橋下さんが大阪市長になって、府知事はどなたになるか分かりませんけど新しい府知事ができて、それで「大阪”都”構想」というのもあるんです。これも非常に面白い、地域主権を積極的に進めていく1つの方法なんですけども、そういうものをお手伝いするというようなチャンスがあれば、そういうところもお手伝いさせていただきたいなと思っています。

長谷川: 先ほどのご発言でもあったし、私もそういう時期が来るかなと思うんですけども、要するに日本が今は非常にいろんな意味で停滞していますけども、この停滞エネルギーを貯めに貯めに貯めて、やがて大きく爆発的に変わっていく。そういう時代が来るとして、あとどのくらい待てば来ると思いますか。

古賀: うーん、いや・・・だから本当に自分から変われる時、日本が自分で変わるということができる時というのが本当に来るのかどうかと、ちょっと不安があるんですけど。それはおそらくやっぱり今日(ニコニコ生放送を)観ておられる皆さん一人一人がどれくらい、「日本を何とかしたい」というその思いを行動に表すかということによって遅くとも再来年には・・・。

長谷川: 選挙。

古賀: 衆・参(で選挙が)ありますから。衆議院はもうちょっと早いかもしれないですけども。そういう皆の行動というところに係ってくるし、それがないと最悪の事態はちょっとずつ増税していくという。私は、「いま増税するというのは確実にギリシャへの道」だと言っているんです。ギリシャは要するにまったく改革しないで、成長のための基盤を作らないで増税だけしてきたと。消費税20%になって、財務省から見れば理想的な国ですよね。「消費税を20%にしました」と。

 だけど、行革(行政改革)も公務員改革もやらないし、民営化規制改革もやらない。(ギリシャでは)皆、「今からちょっとリストラします」とか言っていますけど、そのマーケットは「そんなのではどうにもならないよ」と。「だって稼ぐ力がないじゃない」という風に見切られているんですね。今の日本って、まさにその道を行こうとしているんです。要するに稼ぐ道が全然ないままデフレももちろん解消できないですし。稼ぐためにはどうしたらいいかといったら、成長分野で本当に皆が自由に活動できる、そういう環境を作らないといけない。例えば、成長分野といったら必ず出てくるのは、農業、医療、再生可能エネルギーと出てきますよね。(現状では)全部これ企業がちゃんと活動できないんですよ。成長分野で企業は入れませんよなんてことをやっている国は、世界中どこにもないですよね。本当に笑い話みたいな話で。

長谷川: 霞が関はギリシャの話をすると、ギリシャの教訓が「ああいう国になっては困るから教訓は増税しましょう」と言うんだけど、これはとんでもない話でギリシャは今どうなっているかというと、デモの嵐が吹き荒れ、それは何故かというと、公務員の賃金をカットし公務員制度改革を改め、それから国の資産売却をすると、こういうことを言って今デモの嵐が吹き荒れているわけですけれども。この教訓を正確に読み取るとするならば、今デモの嵐が吹き荒れていない日本であるからこそ、先に公務員制度改革をし、資産売却をし、危機を招かないようにするというのが私はギリシャの正しい教訓だと思うのだけど。そこがまったく違うように宣伝されていて、どうしてこんな単純なことが分からないのかと本当に思うんですけどね。

古賀: 結局、強い人と戦いたくないんですよ。だから、その農業の改革といったら農協があるし、医療の改革といったら医師会があって、再生可能エネルギーといった時には電力会社があるんです。皆強いから自民党は戦えなかったんです。民主党はできるかなと思ったら、やっぱり民主党もできないということが分かってきたと。つまり、強いところと戦えない。しょうがないからとりあえず「増税」と言って消費者と戦っているんです。だから戦う相手を完全に間違えていますね。「弱きを助け、強きを挫く」と・・・どっちが先かあれですけど、そういう政治というのを皆求めているのに、強い者を守って弱い者を叩きにいっているという、この政権は一体何なんだろうという風に思います。

長谷川: そうですね。そういうところが非常に典型的に野田(佳彦)政権になってから、ますます顕著になってきたと思います。1時間半やってきましたけども、視聴者が今2万5000(人)。最初は2500(人)だったと思ったけど、ちょうど10倍になりました。「延長」という今コメントも出ていましたけれども、古賀さんも明日、朝早いので今回は延長はございません、申しわけありません。

 (延長は)ありませんが、是非これからも古賀さんも今回はこれで「自由なお立場」ということですから、是非いろんなメディア、このニコ生も是非、引き続き出演していただいて、これから思い切り自由な言論活動を展開していただきたいと思います。今日はまだ今週辞めたばかりですけど、きっとあと1ヶ月、2ヶ月とするあいだに、私は確信していますけど、古賀さんはこれからますます頭の回転が何十倍にも速くなって、議論はますます本質を突いてくる。これはもう絶対にそうなんです。

 何人もそういう人を見ていますけど、やっぱり自分の頭の上に薄曇りがかかっていたものがなくなると、皆本当に自由になりますから。これからいろんな激しいあるいは鋭い議論が聞けると思いますので、是非いまご覧になっている視聴者は、引き続きこのニコニコ生放送を観ていただければと思います。今日はどうも1時間半、本当に長い間ありがとうございました。

古賀: ありがとうございました。皆さん、本当にありがとうございました。

長谷川: それでは、どうもこれで終了いたします。どうもありがとうございました。

(了)

◇関連サイト
http://live.nicovideo.jp/watch/lv64777432?po=news&ref=news#0:33:15
・経産省を辞職した”改革派”古賀氏「やりたいことをやり抜こうと思ったら必ずぶつかる」 番組全文(前編)
http://news.nicovideo.jp/watch/nw121239

(協力・書き起こし.com

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