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相撲協会理事長選 八角理事長が浮動票固め帰趨決したか

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 3月28日に、相撲協会の新理事長が選出される。名乗りを上げているのは八角・現理事長(元横綱・北勝海)と貴乃花親方の二人。特に、現役時代からの真摯な姿勢もあって、貴乃花親方を尊敬の念で支持する若手親方は少なくない。

 しかし、ここにきて関係者の注目を集めているのが、貴乃花陣営に加わった「元顧問・K」という人物だ。

 K氏はもともと関西地方の警察に勤めていた人物で、北の湖・前理事長の“右腕”として協会の事務を取り仕切っていた。そのK氏が、ここにきて『貴乃花理事長』誕生を強力にプッシュしている。

 そんな貴乃花親方とK氏の関係が、八角派からの攻撃の的となっている。それもそのはず、このK氏は、相撲協会のパチンコ台ライセンス契約を巡って、「パチンコ機器メーカー関係者から裏ガネを受け取った」人物なのである。

 このパチンコ裏ガネ疑惑は、本誌が2014年1月24日号でスクープしたものだ(『北の湖の“右腕”への「裏ガネ授受現場」』)。記事では、あるパチンコ機器メーカーの関係者が、2012年11月に福岡市内のホテルで、K氏に裏ガネとして現金500万円を手渡すシーンを収めた動画の内容を報じた。

 この現金授受は、某パチンコメーカーによる現役力士が実際の四股名で登場するパチンコ台企画に絡んでのもの。現金を渡した人物は本誌の取材に、契約成立のための裏ガネとして映像に収められた500万円の他に、さらに1200万円の裏ガネをK氏に渡したと証言している。

 貴乃花親方のK氏との不可解ともいえる接近に、支援を躊躇する声もあがる。

「正直なところ、なんでK氏と連携してまで多数派工作に出るのか、全く理解できません。相撲協会をクリーンな組織に改革するのであれば、K氏の裏ガネ問題や特別ボーナスのことをまず明らかにしなければいけないはずなのに……」(若手親方の一人)

 あるベテランの相撲記者は、この泥仕合の土俵を眺めながらこういう。

「貴はK氏を信頼しているようですが、多くの貴シンパの親方衆とは考え方にギャップがある。K氏の存在で協会がガタガタになると不安視されているのに、そのK氏が顧問に戻る条件で、貴陣営の先頭に立って親方衆の票をまとめている。これじゃ若手親方衆の心が貴から離れて当然です」

 なぜ貴乃花親方はK氏をそこまで信頼するのか。週刊新潮で八角批判を展開した宗像紀夫氏を直撃すると、こんな言い方をする。

「(パチンコ裏ガネ問題では)K氏は向こうにカネを返している。返したって悪いことは悪いが、あの事件全体を見れば、K氏はハメられた事件なんです。

 あれには全部ウラがあって、裏ガネを渡した男は最初から脅すつもりで動画を撮っていた。危機管理委員会には何人もの弁護士がいて、当時すべて調べました。調べて、それで決着した。八角さんがK氏にクビを通告したそうですが、事務の統括者として協会の職員だった人です。いまどき職員をそんなに簡単に解雇できませんよ」

 そうK氏を擁護する。貴乃花親方の心中も同様なのだろうか。しかし、K氏に計1700万円を手渡した人物を改めて取材するとこう答えた。

「私の手元にはお金は1円も返ってきていませんよ。K氏は協会に対して、当時うちの従業員だった人間(ある力士の元マネージャー)にお金を返したと証言していますが、その元従業員から私のところにお金が戻された事実もない」

 K氏にもこの証言をぶつけたが、締め切りまでに回答は得られなかった。相撲協会もK氏の処遇などについての質問に「この件について、お答えすることはありません」とするのみ。K氏が受け取った1700万円もの裏ガネがどこにいったのか、疑惑は全く晴れていない。

 そんなK氏が理事長選のキーマンとなり、両陣営は真っ向から対立したまま運命の3月28日を迎えるが、帰趨はすでに決したとする声もある。

「春場所前半戦に、八角理事長と大阪の維持員で構成される『東西会』の幹部の懇親会があった。東西会の中には、出羽海一門に大きな影響力を持つ幹部が数人います。八角理事長は彼らにはたらきかけて、理事長選の浮動票とみられていた出羽海一門の3票を固めたとみられている。

 その見返りに木戸御免(※注/相撲協会が長年の貢献・援助などを理由に、個人に対して木戸口の無料入場を認めること)を乱発しているわけだが、背景にはK氏へのアレルギーもあっての結束だろう」(東西会メンバーの一人)

 貴乃花陣営の劣勢は明らかで、協会関係者は「貴乃花親方は出馬を辞退するのでは」とまでいう。K氏という影の主役の存在によってより一層、ドロ沼化した理事長選。白黒はっきりした後も、禍根が残るのは間違いない。

※週刊ポスト2016年4月8日号

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