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「22歳のときに年商35億円の会社をつぶしました」 29歳経営者の素顔とは?

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豊臣秀吉や矢沢永吉さんなど、「成り上がり」の物語に胸を熱くしたことはないだろうか。貧しい環境から自分の力で道を切り開き、成功者に上り詰めるストーリーは、勇気をもらえるものだ。

この「成り上がり」ストーリー、今では名経営者と言われる人物が当てはまることが多い。松下幸之助、孫正義氏もそうだ。恵まれない環境から一代で企業を大きくしてきた。

お金持ちに憧れていた普通の少年が『金持ち父さん 貧乏父さん』やお金持ちの友人に触発され、15歳にして起業。ビジネスの道に入り込み、幾多の失敗や挫折を経験し、29歳になった今、資産10億円以上の「お金持ち」になったというストーリーを聞けば、「どんなにすごい人なのだろう」と思うだろう。

正田圭さんの著書である『15歳で起業したぼくが社長になって学んだこと』(CCCメディアハウス刊)を読むと、経営者として駆け抜けてきた正田さんの半生はまさに「成り上がり」そのものだ。「お金」という人間の欲望を増幅させるものが飛び交う世界の中で、「ビジネス」をいかにして学び、自分の手にしてきたのか。

正田さんは、とても落ち着いた口調で丁寧に、29歳の彼自身が見てきた景色を教えてくれた。

(新刊JP編集部)

■「お金持ちになりたい」からビジネスをはじめた中学生

――まず、中学3年生で起業されたという経歴についておうかがいしたいのですが、その前に、「お金持ちになりたい」という漠然とした想いを実際に行動に移すきっかけとなった『金持ち父さん 貧乏父さん』との出会いについてお聞きしていきます。初めて読んだときの印象はどのようなものでしたか?

正田:いくら学校の成績が良くても、お金持ちにはなれないということはとても衝撃的でした。私はこの本を中学3年生の春休み、ハワイに行く飛行機の中で読んだのですが、眠気も覚めてしまって、そのときに最後まで読破しましたね。その後は日本に帰ってから、書店に行って不動産投資の本を読みあさり、不動産を買おうと思って銀行に行ったんですよ。

ただ、銀行にはまともに取り合ってもらえなかったですね。最初は「お父さまの物件ですか?」と聞かれましたし、「自分のです」と伝えると、「収入報告書を出してほしい」と言われ、「収入はありません」と答えると「それではお金は貸せない」と。

――不動産投資は諦めたものの、そこからすぐに株式投資をはじめるわけですよね。中学3年生という若さで特別なことをやっている感覚はありましたか?

正田:実は当時、アメリカに9歳で会社を立ち上げて、15歳でCEOをやっていたキャメロン・ジョンソンさんという人がメディアを賑わせていて、来日して講演なんかをされたりしていたんですね。だから、中学3年生でビジネスを始めるということも特別な感じはしなかったですし、「同じ15歳でもこういう風に活躍している人がいるんだ」と刺激になりました。

――もしキャメロン・ジョンソンさんと出会わなければ、今のような人生を歩んでいなかったかもしれない。

正田:それはどうでしょうか。『金持ち父さん 貧乏父さん』やキャメロン・ジョンソンさんとの出会い、お金に対するコンプレックスなどいくつもの要素がかみ合って今の人生があると思います。

さまざまな偶然が重なって必然となる「セレンディピティ」という考え方もありますし、どんな偶然であってもこういう人生を歩んでいたのかもしれません。

――中学生が0からビジネスを始めるというのは、やはりすごいエピソードだと思いますよ。

正田:はじめは、名刺の作り方も知らなくて、学校で「どこで作るの?」と聞いたことがありましたね。そうすると、クラスメイトの中に親の関係でロータリークラブなんかに出入りしている友達がいて、その人に作り方を教えてもらうということもありました。本当に最初は手探りでしたね。

■若き経営者が考える「日本のお金の教育」

――正田さんはご結婚されていて、お子さんもいらっしゃるとのことですが、ご自身が影響を受けた『金持ち父さん 貧乏父さん』をお子さんに読ませたいと思いますか?

正田:読んでほしいとは思いますが、すでに家の中で私が話しているのを聞いているので、あまり新鮮さはないかもしれませんね(笑)。

『金持ち父さん 貧乏父さん』は、15歳くらいの子が「お金」について興味を持つ上では良いきっかけになる本だと思います。本当は自分の本をそういう役割で読んでもらえると一番良いのですが。

――よくある議論が、日本はお金に対する教育が遅れているというものです。大学を卒業するまでお金の教育が入ってこない。その点についてはどうお考えですか?

正田:お金に対する教育は必要だと思いますが、10代でお金のことを理解するのは、ハードルが高いように思います。実際に海外はちゃんとお金の教育をしているのかというと、実はそうではありません。日本が特別、海外よりもリテラシーが低いということでもないですし。

――この本を読んでいて、正田さんは失敗のエピソードを隠さずに披露されているように思いました。

正田:私は社会人経験がないまま起業をしてしまったので、そのせいでよけいに失敗してしまったのかもしれません。どこかの会社で働いてから独立するというケースが多いと思うので。

――正田さんが経営者として最も成長したエピソード、体験して良かったと思うことはなんですか?

正田:私が20歳のときに、兵庫県の芦屋に住んでいる投資家の自宅に住み込ませていただいて、3ヶ月くらい一緒に行動を共にしたことがあります。

そこではその人が進めている案件や、どんな風に意思決定をしているのかを見させていただいたのですが、例えばある会社が「お金を出す」と言ったのに、その2日後に「今日は出さない」と言ってきた。この2日間に、相手にどんな心境の変化があったのか、なぜ言っていることを変えたのか投資する側の考えを聞くわけですね。こうした体験はとても良い勉強になりました。

――今では有名社長の鞄持ちをするインターンシップもありますが、住み込みでやるとなるとかなり濃い時間を過ごせそうですね。

正田:そうですね。今思うと図々しかったかもしれません(笑)。実はその方と初対面のときにいきなり頼みこんだので。相手が独身だったから快く受け入れて下さったのでしょうけど。

それまで、他の社長がどのようなことをしているのか分からなかったので参考になりましたね。経営は意思決定のゲームですから、どの部分を意思決定のポイントにしているのかとても興味がありました。これも20歳だったからこそ、OKをもらえたのかもしれませんね。

■経営者はアスリートと似ている

――正田さんが15歳で起業したときに、10年後、20年後、30年後の未来をどのように見ていらっしゃったのですか?

正田:私は当時、仕事は長くするものではないと思っていました。だから、10年後はもうリタイアしていて、海外を旅行しながら遊んでいるという生活をイメージしていたんですね。

でも今は、仕事の楽しさや、自分の能力を上げる楽しさに気付いているので、生涯仕事をしていたいなと思っています。体が動き続ける限りはぎりぎりまで一戦で戦い続けたいです。

――そのお気持ちが変わったのはいつくらいの頃ですか?

正田:22歳のときです。実は15歳で起業をするときに、22歳までに見通しが立たなければ(経営者を)やめようと思っていました。22歳だと大学卒業の年齢ですし、そこからであれば軌道修正ができると考えたんですね。

ただ、その年に実は大失敗をしていて、年商35億円くらいの会社を吹き飛ばしているんです。だから、自分の計画通りにいけばそこで(経営者は)やめていたのですが、「まだできる、やろう」と思ったんですね。その直感というか、選択は間違えていなかったように思います。

――逆境に強いのですね。

正田:どうなのでしょう。経営は一回のミスが命取りになることもあります。スポーツ選手と似ていて、全戦全勝という世界ではないんですよ。だから、「不敗はない」と肝に銘じるようにしています。

――最近では正田さんよりも若い起業家も多くなっています。彼らをどう見ているのかについて教えていただけますか?

正田:この15年で起業家はより賢くなってきていると思いますし、レベルも上がっていると思います。

15年前というと、ソフトバンクやライブドアといった企業がベンチャーとして注目を浴びていましたが、あの時点ですでに上場していましたからね。当時、資本金100万円で立ち上げましたというベンチャー企業は見向きもされませんでした。そんな企業に銀行がお金を貸すわけもないですし、自分の両親に説明をして理解してもらえるビジネスでないと、ビジネスじゃないと言われていた時代ですから。

今ではベンチャー企業をサポートする制度も整っていますし、学生起業家も増えました。資金調達もだいぶやりやすくなっていると思いますね。そういう意味では、起業が若い人に定着してきているのかもしれません。

(後編に続く)

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