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最終回間近 でも“あさロス”対策は抜かりなし

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 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、いよいよ最終回間近の『あさが来た』に見る、NHKの“朝ドラ手法”に注目。

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 絶好調の『あさが来た』の最終話は4月2日(土)。いよいよ、あと2週を残すのみとなった。

 昭和の主婦に愛されたNHKの連続テレビ小説(以下、朝ドラ)が再び社会現象として注目されるようになったのは、2010年上期の『ゲゲゲの女房』からだ。

 8時15分からだった開始時間を8時からにし、直結している『あさイチ』共々、盛り上げたことが功を奏して、2000年代後半、凋落の一途だった朝ドラの視聴率は劇的に上昇した。

 故・水木しげるさんの妻、武良布枝さんをモデルにした『ゲゲゲの女房』のヒロインは松下奈緒だったが、女性視聴者の心を奪ったのは水木しげる役の向井理のほうだった。それまで、9クール連続でドラマ出演していた“注目のイケメン脇役”で、主演ドラマは『傍聴マニア09』(読売テレビ・日本テレビ系)という深夜ドラマだけ。そんな向井は『ゲゲゲ~』で大ブレイクし、いまに至る。

 その『ゲゲゲ~』で漫画アシスタント役をしていたのは窪田正孝と柄本佑だったのである。窪田はその後、NHKで『下流の宴』や、朝ドラ『花子とアン』に出演し大ブレイクする。柄本は『あさが来た』でヒロイン・波瑠の姉役、宮崎あおいの夫役を好演。完全に演技派俳優のポジションを得た。

 このように、近年の朝ドラは、ヒロインよりも脇役陣に話題姓の高い俳優、女優を据えて好調を維持していると言っても過言ではないのである。

 そして、その話題作りをしているのが当のNHKだと言われている。

『あさが来た』で、もっとも注目を浴びた脇役といえば、「五代さま」こと、ディーン・フジオカ。NHKの宣伝担当によれば、無名なだけに、当初、問い合わせがほとんどなかったディーン・フジオカを「こんな人も居ますよ」とテレビ誌やスポーツ紙の記者らに「売り込んでいた」というのである。

 それがきっかけでジワジワと人気が出始め、その後は「こんなに他局から画像や写真の貸借依頼が来たのは初めて」というほど、ディーン・フジオカはブレイクした。

 宣伝活動だけではない。朝ドラの脇役として人気が出た俳優や女優を自局バラエティーやトーク番組の司会者に据えることで、人気や知名度上昇を手助けする策もNHKはもっている。

『純と愛』でヒロイン・夏菜の夫役だった風間俊介に、Eテレの『ハートネットTV「ブレイクスルー」』で司会やナレーションを。『あまちゃん』でGMT5のリーダー役をしていた松岡茉優に、『めざせ! 2020年のオリンピアン』で司会をさせていたのだ。

 風間と松岡は他局や映画で共演歴もあり、演技力もバラエティーでのトーク力にも定評があるが、そんな二人を全国区に育てあげたのは間違いなくNHKと朝ドラなのである。

 風間が所属するジャニーズでいうと、『あさが来た』で波瑠の義弟を演じる桐山照史は、『ザ少年?楽部』(BSプレミアム)の司会者。件の柄本佑と宮崎あおいの次男役・西畑大吾は関西ジャニーズJr.で『ザ少年?楽部』出演歴もあるし、実は『ごちそうさん』にも出ていた…と、こうした“パターン”も挙げだしたらキリがない。

 朝ドラから知名度が全国区となり、仕事が広がるというのは芸能関係者の間ではずいぶん前から知られていること。「ヒロインやメインキャストでなくていいから、なんとか朝ドラに」と狙っているプロダクションは少なくないのだ。

 それは『あさが来た』キャストの所属事務所を調べてみると一目瞭然だ。たとえば、玉木宏と“藍之助”森下大地は同じ事務所。前述の桐山照史と西畑大吾も同じだし、ディーン・フジオカと“ふゆ”清原果耶も同じ所属事務所。清原と“渋沢栄一”三宅裕司は、担当マネジャーまで同じだ。

 そして波瑠は『ゲゲゲの女房』の向井理と同じ事務所。「朝ドラのヒロインをやってしまうと、清純なイメージがつきすぎて、脱皮するのが難しい」と言われていたのも今は昔。さらには、朝ドラの脇役からヒロインへジャンプアップする“パターン”もできつつある。

 ご存知のとおり、『花子とアン』でヒロイン・吉高由里子の妹役だった土屋太鳳は『まれ』のヒロインに。『ごちそうさん』でヒロイン・杏の義妹役だった高畑充希が次期朝ドラ『とと姉ちゃん』のヒロインに抜擢されたことは一般紙でも話題を呼んだ。

 件の清原果耶はまだ14才になったばかりなのでかなり先になるとは思うが、十分、朝ドラのヒロイン候補だろうし、波瑠の娘役・千代を演じる小芝風花は最有力。彼女については、事務所の幹部がわざわざ週刊誌編集部に「もっと、取り上げて」「盛り上げて」と連絡してくるほどの力の入れようだと聞く。

 千代の親友“宣ちゃん”役の吉岡里帆も後半に出て来た強みで、これからの活躍が楽しみである。

 実は小芝風花は5年前、「イオン&オスカープロモーションガールズオーディション2011」でグランプリを獲得。実写版『魔女の宅急便』でキキに大抜擢されるも、その後が続かないでいたし、高畑充希がホリプロ創業45周年を記念して主催した『山口百恵トリビュートミュージカル プレイバックpart2~屋上の天使~』の出演者オーディションに合格したのは11年も前のことだ。

 CMでは、みずほグループが朝ドラ一色。『あまちゃん』の福士蒼汰、『花子とアン』の鈴木亮平、『マッサン』の玉山鉄二が共演している。そして女性のCMクイーンは、『あまちゃん』の有村架純、松岡茉優、『純と愛』の吉田羊なのだから、朝ドラ効果は凄まじい。
 
 ちなみに『純と愛』でヒロイン・夏菜の先輩ホテルウーマン役をしていて、その後、スピンオフドラマのヒロインにもなった吉田羊は、『ゲゲゲの女房』で本当にチョイ役として出演していたのである。

 こうして、脇役陣がどんどん羽ばたいていくので、『あさが来た』のキャストたちの活躍も約束されたようなもの。ちなみに、現在、GUのCMで頻繁に露出がある波瑠は4月から『世界一難しい恋』(日本テレビ系)で嵐の大野智の相手役をするのだが、そこには“亀助”三宅弘城も出演する。

 そういえば、『あまちゃん』の福士蒼汰、荒川良々に鉄拳のパラパラ漫画まで「いただいた」フジテレビ系『海の上の診療所』はあまり奮わなかった。視聴率三冠をひた走る日テレが、朝ドラキャストをどう料理するのか、注目が集まる。

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