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衆院選と参院選の投票日2日ずらす時間差ダブル選挙浮上

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 永田町では夏の衆参同日ダブル選挙の機運が高まっているが、驚くことに、ここにきて政府内に衆院選と参院選の投票日を2日ずらす「時間差ダブル選挙」案が浮上しているという情報まで飛びこんできた。政治ジャーナリストの藤本順一氏が語る。

「実は、7月10日の同日選の日程にはひとつ問題がある。公示日となる6月23日が沖縄の慰霊の日に重なることから、島尻安伊子・沖縄担当相はじめ沖縄選出議員から反発が出ている。衆院は解散後40日以内に選挙をしなければならないため、会期末の6月1日解散と7月10日投票の日程は動かせない。

 このため、参院選の公示日を2日遅らせ、7月12日火曜日投開票の変形ダブル選、ウルトラCが検討されているのです」
 
 平日選挙とはにわかに信じがたい。しかも、7月10日(日曜日)の総選挙の直後に参院選を実施すれば、投票率が大幅に下がり、有権者と候補者にさらなるパニックを生みかねない。

 そんな無謀ともいえる選挙日程が取りざたされているのは、安倍政権が「7月10日ダブル選挙」を想定して準備を進め、走りだした選挙マシンをもはや止めることができなくなっていることを物語っている。

 政治評論家・有馬晴海氏の協力で予測した、衆参ダブル選挙が実施された場合の獲得議席では、衆院選は自民、公明、おおさか維新でほぼ現状維持の335議席、参院選は3党で83議席、非改選組の改憲支持勢力(88議席)と合計すると171議席に到達し、憲法改正の国会発議に必要な衆参で3分の2の勢力を確保するという結果だ。政治評論家の浅川博忠氏はこう語る。

「ダブル選挙は衆院の候補者とその後援会がフル稼動することから、参院選との相乗効果で自民党は参院の議席を大きく上乗せする可能性が高い。しかも、参院選では民主新党と共産党との選挙協力が進められているが、衆院選が重なると両党の小選挙区の候補者1本化はできないから、共闘そのものが空中分解するでしょう。

 安倍首相の強引なダブル選挙の狙いはまさに野党を分断し、自民党の参院議席を極大化することにあります」

 改憲に必要な衆参の3分の2の議席を獲得するためなら、ダブル選挙で有権者にパニックが広がってもかまわない。安倍首相の目には、日本の選挙制度そのものの危機を招くことが見えていないのか、それとも「勝つためにはそれでいい」と割り切っているのか。選挙制度に詳しい政治学者の加藤秀治郎・東洋大学名誉教授がこう警鐘を鳴らす。

「選挙は主権者である国民が政治に意思を反映させる唯一の手段。衆院と参院は選挙制度が異なり、本来、別々の時期に選挙を行なって民意を聞く仕組みになっている。そうした考え方からすると、同日選は有権者の投票の権利を侵すことになる。憲法違反と主張する憲法学者も少なくありません」

 安倍首相がダブル選挙で大勝すれば間違いなく歴史に名を残すだろうが、それは同時に日本の選挙制度が瓦解した日としても歴史に刻まれるはずだ。

※週刊ポスト2016年3月25日・4月1日号

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