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そもそもの話、爆混みの渋谷で、なぜスマホはしっかりつながる?

帰宅ラッシュでたくさんの人が街を行き交う午後6時過ぎ。駅の改札付近やホームには、待ち合わせや電車待ちをしている人の多くが、スマホを眺めている。

都心部のなかでも群を抜いて大きいターミナル駅。とんでもなく多くの人が集中的に集まることもあり、人だけでなく電波も混雑しそうなものだが、ネット環境はほとんどストレスなく使えている。今となっては当たり前のことかもしれないが、こうして快適な環境が整備されているのには、特別な技術や電波対策の成果があるに違いない。そのしくみについて、KDDI建設本部エリア設備計画部に所属する齋木竜也(写真左)と原田智寛(写真右)に聞いた。

「渋谷駅ハチ公前」を集中電波対策!

――おふたりは、普段どういった仕事をされているんですか?

原田「首都圏を中心にユーザが集中する駅・繁華街などで、朝夕の通勤通学の時間帯をピークとしてトラフィックが集中する時間帯に、お客様がストレスを感じずに、より快適にネット通信をご利用頂けるように、電波状況の確認や電波改善を行う仕事をしています。」

――電波改善は具体的にどのような方法で行っているのですか?

原田「アンテナが付いた基地局を新設するか、もしくは既存の基地局の調整することで改善しています。

より電波品質をあげるために新しい基地局が必要であれば、どこに新しい基地局を建てるべきか事前にコンピュータ上でシミュレーションします。基地局を建てたあとは、実際に改善されたかどうか現地で電波調査し、もし問題があれば次の改善につなげています。」

――電波が良い・悪いは、常に現地で調査するのでしょうか?

齋木「現地へ行って自分たちで確かめることはもちろんあります。また、Twitterなどのネガティブコメントを元にした改善も進めています。」

アンテナが多ければ改善されるわけじゃない

――具体的な基地局の数を伺いたいのですが、たとえば渋谷でしたら何個ぐらいあるんですか?

原田「駅と駅周辺の待ち合わせスポット程度の範囲に、基地局が4〜5個くらいですかね。意外と少ないイメージを持たれるかもしれませんが、端末によって利用する周波数は異なるので、ひとつのアンテナから800MHzや2GHzなど、いろんな周波数を送信している場合もあります。」

――電波を改善するのであればアンテナの数を増やせばいいだけだと思っていたのですが、そんな簡単にはいかないんですね。

原田「そんな簡単にはいきません(苦笑)。たとえば、どこかのターミナル駅のホームを電波改善しようとしたとき、ひとつの基地局ではキャパシティを超えてしまうため、基地局(アンテナ)を複数置きます。ただ、それらのアンテナをすべて同じ場所に向けると、2個、3個、4個と電波が重なって、お互いの電波が干渉する事で中央部はどんどんつながりにくくなってしまうんです。」

電波を楕円状で表現した場合、複数の基地局から発信された電波が重なり合う部分が出てくる。この写真だと赤が濃いエリアほど、電波を干渉しあい、つながりにくくなってしまうのだ

 

原田「電波が干渉し合っている場所では、アンテナ自体を変えたり、向きを動かすことで重なりを少なくして、改善します。複雑な構造をしている駅に対応するときには、大きな基地局を用意するのではなく、小さな範囲をカバーする基地局を複数設置し、つながるエリアをつくります。」

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