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不動産会社が受け取っている「仲介手数料」の実態とは

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土地総合研究所が不動産会社、主に不動産の仲介をする流通業の会社に調査した結果を公表した。そのなかでも「仲介手数料」の分析に焦点を当てて、調査結果を見ていくことにしよう。【今週の住活トピック】

「不動産業についてのアンケート調査」報告書を公表/土地総合研究所

仲介手数料は、法令の上限額を受け取る不動産会社が大半

まず、調査に回答したのは全国の不動産会社247社。

宅地建物取引業者として25年以上営業している会社(68.8%)が多く、事務所が1つ(84.2%)で、従業員2~5人(51.0%)と比較的小規模で経営している会社が大半だ。取り扱う業務は、売買仲介(87.9%)、賃貸仲介(75.3%)が主なもので、ほかに賃貸住宅の管理を受託する賃貸管理(49.4%)や自身が貸主となる不動産賃貸(48.2%)などだ。

「不動産仲介の実際の手数料の額はどうなっていますか」という問いについては、

(1)宅建業法令に基づく上限基準を適用している 83.8%

(2)独自の基準を設けて適用している 2.0%

(3)目安となる基準はあるが、実際の報酬額は状況に応じて低いものを適用している 7.7%

(4)無回答 6.5%

8割超が「法令に基づく上限」を受け取っているということなのだが、この上限について説明しよう。

宅地建物取引業法では、仲介手数料の上限額を定め、これを超える手数料を受け取ることを禁じている。

上限額は、売買仲介であれば計算式で「売買価格×3%+6万円+消費税」(売買価格が400万円超の場合)、賃貸仲介であれば「賃料の1カ月分」となっている。

賃貸仲介の場合、原則は貸主と借主からそれぞれ0.5カ月分ずつなのだが、承諾があればどちらか一方から上限額(1カ月分)までの手数料を受け取ることができる。借主が全額負担しているというケースが多いのではないだろうか。

「両手仲介」が多いことが示唆される結果に

この調査では、売買と賃貸の仲介手数料率を算出している。仲介手数料の総額を成約した不動産価額の総額で割って%を算出して分類した結果が下図だ。

【図1】売買及び賃貸仲介手数料に関する調査結果の分析(出典:土地総合研究所「不動産業についてのアンケート調査」報告書)

売買で見ると手数料率が3%超4%以下は最多の26%で、料率3%以下は30%であるが、料率4%を超える回答も多い。土地総合研究所では、「3%を上回る仲介手数料が多くを占めていることから 、『両手仲介』が多いことが示唆される」としている。

両手仲介とは、売主から仲介の依頼を受けた不動産会社が、自身で買主を見つけて売買を成立させることによって、売主と買主の双方から仲介手数料をもらうこと。「1粒で2度おいしい」ことになるが、別に禁止されているわけではない。ただし、両手仲介にしたいために、他社に積極的に情報を提供しない不動産会社が少なからずいるという指摘があり、結果的に売主に不利益になるのではないかという声も挙がっている。

次に、賃貸で見ると手数料率が100%(賃料の1カ月分)以下は76%。上限を超える手数料率を受け取っているのが23%存在する。これについて土地総合研究所は、「企画料や広告料を名目に、上限を上回る仲介手数料を受け取る事業者も多い」と見ている。

「重要事項説明」のための調査は時間をかけている

では、不動産会社が受け取っている仲介手数料というのは、どんな業務に対する対価なのだろうか?

買主の希望条件に合う物件を探して現地を案内したり、売主の物件の購入者を探すために販売活動を行ったり、売買成立に向けて双方の条件交渉を行ったり、引き渡しまでをサポートしたりするが、最も専門知識を要する業務が「売買契約」とそれに先立って行われる「重要事項説明」だ。

専門知識を要するために「宅地建物取引士」でなければ、行ってはいけないことになっている。

「重要事項説明のために必要な調査、その他仲介業務に当たって必要な調査について」最も時間的コストがかかるものは何かを複数回答で聞いたところ、

(1)登記内容 10.1%

(2)法令制限の内容 42.5%

(3)飲用水、電気、ガスの供給・排水施設の整備状況 25.1%

(4)区分所有建物の権利、管理、使用に関する事項 17.0%

(5)その他の重要事項説明項目に係る調査 36.8%

(6)以上の重要事項説明項目以外に係る調査 11.3%

となり、重要事項に該当する項目を多岐にわたって時間をかけて調査していることがうかがえる。

また、不動産仲介に当たって、合わせて行っている業務としては、「資金の調達、収支計画などの不動産コンサルタント業務」が最多の53.0%で、次いで「改築・リフォーム」が51.8%となっている。大きなお金が動く不動産仲介では、マネープランをサポートしたり、売却物件・購入物件、賃貸物件のリフォームの相談に応じたりといったことも、不動産会社の重要な役割になる。

売買価格500万円と5000万円の物件、賃料5万円と30万円の物件があった場合、仲介業務の内容がさほど変わらなくても、手にできる上限の仲介手数料の金額は大きく変わる。一方で、老朽化が激しい物件ではどこまでいくらかけてリフォームするのがよいかというサポートも必要だし、資金力のない依頼者であれば金融機関と連携したマネープランのサポートも重要になるなど、事例によって仲介業務の守備範囲は変わってくる。

けっきょく、仲介手数料が高いと思うか高くないと思うかは、仲介を依頼した不動産会社のサポート業務の内容や対応力によるだろう。仲介を依頼する不動産会社を選ぶ際には、どこまできちんとサポートしてくれるのか、どんな方針をもっているのかなどを確認することが重要だ。
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