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「IoT縛りの勉強会!IoTLT」が、毎月200人規模のエンジニア・クリエイターを集める人気の秘密

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IT/Web業界におけるIoTブームを先駆けた勉強会

IT/Web業界におけるIoTブームの先陣を切ったともいえるLT(ライトニングトーク)スタイルの勉強会が、この3月で13回目を迎えようとしている。題して「IoT縛りの勉強会!IoTLT」。

IoT領域には関連する幅広い知識や技術があり、さまざまな人々のアイディアやインスピレーションが重要。IT/Web系のエンジニアやクリエイターが持っている知識や経験を共有しながら、IoTを語りつつ、ガジェットも作る勉強会だ。

connpassに登録したコミュニティメンバーはこの1年で1800人にまで増えた。次回イベントを告知すると、あっという間に募集枠が埋まってしまう超人気の勉強会になっている。

企画したのは、菅原のびすけ氏と土屋敬氏の2人。のびすけ氏は、Web制作会社LIG INC.のWebエンジニア兼事業責任者。土屋氏は小売・流通業を中心にコンサルティングやデジタルマーケティングなどの課題解決ソリューションを提案するリレーションズの創業者の一人だ。最初は軽いノリで始めたのだという。

「リレーションズは“TOLABL”というクリエイター向けのシェアハウスも運営しているんですが、その住人の一人がのびすけさん。彼は、TOLABLでもテクニカル・ディレクターとしての才能を発揮している。リレーションズのエンジニアと一緒に外部向けの勉強会を企画できないかと相談しました。それがきっかけでした」(土屋氏)

▲リレーションズ株式会社 土屋敬氏

「リレーションズには、Webだけじゃなくて、ハードウェアに詳しいエンジニアもいました。ちょうどIoTという言葉がバズりだしたころ。だったらIoTをテーマにLTのイベントをやってみよう、と」(のびすけ氏)

▲株式会社LIG 菅原のびすけ氏

イベントスペースの集客記録を更新。地方にも波及する熱気

初回は2015年の2月。登壇者は9人、50人が集まって、会場のリレーションズのオフィスは時ならぬ熱気に包まれた。

「意外と反応がよかった。来たかった人、もっといるんじゃないかな。じゃ、2回目もやってみよう」(のびすけ氏)

というわけで毎月の開催へ。参加メンバーは徐々に増えていき、2015年6月に渋谷のイベントスペース「21cafe」で開かれた4回目は募集人数を100人に増やしたが、それ以上の人数が集まり、「21cafe」イベントの当時の最高記録を更新した。

▲写真提供:geechs magazine IoTは私達の生活を変える?!IoT縛りの勉強会vol.4イベントレポート

その後は会場はあえて固定化せず、ヤドカリのように移動する。評判を聞きつけた名だたるIT系企業が会場を提供してくれるようになった。最近は毎回150~200人規模の集客に成功している。東京中心での開催だったが、その熱気は福岡、大阪、名古屋など地方にも波及しつつある。

「ネットで僕らの活動を知った現地のWebエンジニアが『こっちでもやっていいですか』と言ってくるんです。僕らとしてはどうぞ、どうぞ、という感じ。一種の『のれん分け』みたいなものですね」(のびすけ氏)

登壇者の発表レベルや参加者のバランスが絶妙

なぜ、これほどの活況になったのか。

「発表者もWeb系がいたりハードウェア系がいたり、参加者もエンジニアと非エンジニアの半々ずつぐらい。発表内容のレベル感も、ハードル高そうなものから、初心者向けのユルイ系までさまざま。全体としてのバランス感がちょうどいいんじゃないかと思いますね」(土屋氏)

例えば第12回のテーマ。「マイコンボードXBeeでイノシシを獲った話」「RaspberryPiを30台購入して勉強会を開催した話」あたりは結構高度だという。

その一方で、「iPhoneを分解してラジコンにしようと思ったけど、結局、できませんでした」という失敗談は大受けした。Webデザイナーが「IoTLTのロゴ」をデザインするというパフォーマンスも、まあ、IoTと関係なくもないからOK。

「僕自身がWebエンジニアなので、160kmもの距離が飛ぶIoT無線の話とか聞いても、全然わからない。トランスポートとかネットワークとか低いレイヤーになればなるほど、チンプンカンプンです。その一方で、ハードの技術者は、デザインとか、もっと上のレイヤー、例えば営業とかの話をされると、雲の上の人だと思うみたい。そういうカオス感がむしろい面白いんじゃないかと思います」(菅原氏)

勉強会運営の経験が本業にも好影響。会社を辞めるのをやめた

IoTLTは両人にとってはまったくのボランティア活動ではあるが、本業にも少なからぬ好影響を与えている。

「一度会社を辞めようと思ったことがあったんです。そんなときに社長をIoTLTに呼んだら、さまざまな人がコラボする様子に感動したみたい。そこで、DevRel(Developer Relations)という新しい部署を作り、僕がその責任者になりました。課外活動が新規事業につながったわけです」と菅原氏。当然、会社を辞めるのはやめた。

課外活動で勉強会を主催していたら会社の事業になった話 #IoTLT

土屋氏も、「新しい出会いが刺激的。コミュニティがどんどん大きくなるのを見ているのも嬉しいですね。会社としても、IoT×食品スーパーとか、IoT×農業・漁業とかを組み合わせ、業界向けに何か新しい提案ができないかと模索しているところ。IoTLTの経験は決して無駄にはなっていません」と語る。

スタートからまる1年が経ち、3月16日には13回目の勉強会が予定されている。場所は初めてのDeNAの渋谷ヒカリエオフィス。さらに3月17日には名古屋と福岡でも勉強会が開催される予定だ。

IoT縛りの勉強会10! IoTLT vol.13 @ DeNA

「IoTLTの東京の勉強会は今後も毎月1回ペースで開いていきます。“エンタープライズ版”とか“地方版”とか派生イベントも生まれつつあるので、その成長を見守りたい。どこかにコミュニティがあれば、いつかそこから新しいビジネスが生まれるはず。いずれは日本を飛び出し、世界でイベントを開ける日が来るかもしれません」と、2人はこれからの野望を語るのだった。

(執筆:広重隆樹 撮影:平山諭)

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