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なでしこ 佐々木監督のおやじギャグ封印もチーム崩壊の一因

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 女子サッカー・リオ五輪アジア最終予選第4戦のベトナム戦、最終戦の北朝鮮戦に連勝したものの、時すでに遅し。リオ五輪出場を逃したなでしこジャパンが露呈したのは、経年疲労で脆くなっていたチーム状態だった。

 異変は初戦・豪州戦の試合中から始まっていた。ムードメーカーのFW大野が前半途中での交代にあからさまに不満そうな態度を見せ、続く韓国戦、中国戦は出番なし。不動のレギュラーだったDF岩清水も豪州戦こそフル出場したが、その後は大野同様、ベンチ要員となってしまった。大会を取材したサッカージャーナリストが言う。

「大野、岩清水が外されたことでチームのヒエラルキーが変わった。代わりにMF宮間とFW大儀見の発言力が強まり、ベンチには微妙な空気が流れました」

 サッカーに対してストイックすぎる宮間と大儀見に対して違和感を覚える選手は少なくなかった。1対2で敗れて予選突破が厳しくなった中国戦後、ピッチ上で涙を流す大儀見に歩み寄ったのは宮間だけだったのが2人の“孤立”を象徴していたと見る関係者は少なくない。

 さらに大儀見は取材エリアで「ピッチに立つ以前の問題」と勝負への意識が低いチームメイトに怒りを露わにしたが、そのコメントを聞いたある選手は「ここで話すことじゃない」と反発して報道陣を驚かせた。

「初勝利したベトナム戦では、控えに回っていた宮間だけが必死にベンチを盛り上げようとしていたが、空回りしていた。ゴールを決めた選手がベンチに駆け寄って全員で喜ぶのが当たり前でしたが、そんな場面もなかった」(同前)

 チーム崩壊のきっかけになったのが、なでしこの支柱だった澤穂希の引退だったことは間違いない。元なでしこの選手が語る。

「優勝した2011年のW杯前から主力メンバーが固まっているので、新しく加入した選手はチームに溶け込むのが難しかった。仲がいい人同士が集まる派閥的なものはありましたよ。やっぱり女ですもん」

 それを融合するのが絶対的な存在の澤だったといえるが、彼女が抜けたことで“世代間対立”が鮮明になってしまったようだ。

 2011年のW杯、2012年のロンドン五輪でもメンバー入りしたある選手は、佐々木則夫監督の変質を指摘する。

「ロンドン五輪が終わった頃から、おやじギャグを言わなくなった。それまではお笑いキャラだったのに、急に威厳を出そうとしていた。選手たちは親しみを込めて『ノリオ』と呼んでいたのに、監督は『バカにしている』と気にしていたみたい。選手たちとの関係もうまくいかなくなった」

 W杯優勝後の国民栄誉賞などで勘違いしてしまった選手もいたようだ。

「なでしこの“下積み時代”を知らないある選手は、急に注目を浴びて天狗になったのか、先輩選手にも敬語ではなく呼び捨てするようになった。みんな苦々しく思いながらも、誰も注意できなかった」(同前)

 敗退を糧にして、再び世界一に返り咲けるか。なでしこの真価が問われている。

※週刊ポスト2016年3月25日・4月1日号

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