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認知症の症状悪化は薬の過剰投与が原因!? | 株式会社グロービア代表 村瀬仁章氏インタビュー

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2007年、名古屋フォレストクリニックの河野和彦医師は、新しい認知症ケア「コウノメソッド」を提唱し、独自の認知症ケアを行ってきました。コウノメソッドでは「米ぬか脳活性食」というサプリメントが推奨されており、「米ぬか脳活性食なしでコウノメソッドは成立しない」と河野医師に言わせるほどです。

このサプリメントは、コウノメソッド実践医や米ぬか脳活性食を熟知している医師、その医師が紹介する施設でしか販売していません。健康食品業者がここまでコウノメソッドを支持し、販売経路を徹底する理由は何か。

コウノメソッドに必要不可欠なサプリメント「米ぬか脳活性食」を製造している、株式会社グロービア(東京都中央区)代表取締役社長の村瀬仁章氏にお話を伺ってきました!

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※本記事では、フェルガード(R)という商標登録名ではなく「米ぬか脳活性食」という製品名を用いています。

認知症の標準治療が症状を悪化させている

―――「米ぬか脳活性食」の販売をここまで徹底していらっしゃる理由を教えていただけますか?

効果が実証されたサプリメントによくあることなのですが、ブームに乗じて価格を抑えた粗悪品が出てきてしまうのです。成分は同じでも品質・用量が異なるため、効果はほとんど得られません。そうすると「効かない」「副作用が出た」等問題になり、消費者が離れていってしまいます。この流れを防ぐために、コウノメソッド実践医や信頼できる医師・施設のみに販売しています。

―――「コウノメソッド」を広めることが「米ぬか脳活性食」を広めることに繋がるんですね。

そうですね。コウノメソッドで抗認知症薬の適量処方を実施し、認知症の症状を安定させます。そうすると、米ぬか脳活性食が効果を発揮できるのです。抗認知症薬の投与についてのお話になってしまうのですが、実は抗認知症薬には減量処方という選択肢がないのです。事実上の増量規定(※)があるために、抗認知症薬の過剰摂取が原因で症状が悪化してしまった方が数多くいらっしゃいます。抗認知症薬の中で有名なアリセプトを例にお話します。

最初の2週間は3mg/1日投与すると決められています。2週間経過後、5mg/1日に増量する規定があるのですが、ここで問題が発生します。3mg/1日で状態が安定していた患者さんに5mg/1日を投与したらどうなると思いますか?

言い方を変えますと、この事実上の増量規定が存在することで、90歳で体重30kg台の女性と70歳で体重90kg台の男性に、同量の抗認知症薬を服薬してもらわなければならないのです。しかも、5mg/1日を投与し副作用が出てしまったら、症状が悪化したと言って更に増量する医師も存在します。次は10mg/1日です。こうなるともう廃人です。

増量規定とは、薬剤の用法用量を定めた添付文書通りに一律に増量すること。それを守らないとレセプト(診療報明細書)に基づいて診療報酬を請求しても認められないことがある。

―――副作用を症状悪化と間違って診断し薬が増量された状態では、サプリメントの効果は期待できませんよね。

現在の認知症治療は、お酒を飲めない人に「飲め飲め」と言っているようなものです。ですので、コウノメソッドで抗認知症薬の適量処方を実施した上で、弊社の米ぬか脳活性食を服用いただいています。米ぬか脳活性食が適正に服用され、効果を実感いただくために、社員には米ぬか脳活性食ではなくコウノメソッドを広めるように指示しています。

標準治療を見直すことが本当の認知症治療への第一歩

―――増量規定による影響は、他にもあるのでしょうか?

アリセプトを5mg/1日に増量した結果、患者さんに副作用が出てしまい、担当医の裁量で薬を減量したとします。増量規定の薬を減量したことで、診療報酬がおりなくなってしまうことがあるのです。これは医師が自腹で診断・治療することを意味します。

コウノメソッド実践医の方から聞いた話なのですが、「5mg処方しますが、量が多いので半分の2.5mgを服用させるようにしてください」とご家族に言ってらっしゃる方もいるくらいです。

下の図を見てください。薬を減量したことで診療報酬を認めない、つまり医師による自腹治療が存在する県が9県もあるのです
参考元:2015年11月共同通信調査結果より

認知症に関わっていく過程で、抗認知症薬は増量のみ可能ということと、医師の裁量で減量した場合は自腹で治療する点に疑問を感じました。そこで、長尾和宏先生(長尾クリニック院長)の力を借りて、2015年11月に「抗認知症薬の適量処方を実現する会」を立ち上げました。

―――「抗認知症薬の適量処方を実現する会」ではどのような活動をされているのでしょうか?

今は、抗認知症薬の事実上の増量規定の廃止と、医師の裁量で抗認知症薬が処方可能になるよう取り組んでいます。この2点を改善させないことには、弊社の米ぬか脳活性食の効果は期待できませんし、そもそも、患者さんを薬漬けにしてしまっている事実を見逃すことはできませんからね!

認知症の方とそのご家族のために出来ること

―――健康食品業者の域をこえて活動してらっしゃるのですね。

私たちは認知症の方とそのご家族のために何ができるのか、常に考えています。米ぬか脳活性食というサプリメントを販売しておりますが、薬剤もサプリメントも適切に処方していかなければ効果は期待できません。効果を得るためには、現在の間違った認知症治療を見直していかなければならないという結論に達したのです。

当面の目標は、先ほども申し上げましたとおり、抗認知症薬の事実上の増量規定を廃止させること、医師の裁量で抗認知症薬が処方可能になることです。その次に適切な認知症診療を行える医師を増やすこと。そこから先が私たちの出番だと考えています。

―――米ぬか脳活性食が当たり前のように処方される世の中になりますね。

安心して老後を迎えられる社会というのは、誰しもが望んでいることではないでしょうか。認知症が一般社会に浸透しつつある今だからこそ、やらなければならないと考えています。当たり前のことが当たり前に行われていない認知症治療を、今こそ改善させていくべきなのです。

★今回お話を伺った方


●村瀬 仁章(むらせ ひろあき)さん

株式会社グロービア代表取締役社長。1967年生まれ。1991年早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。同年三井物産(株)入社。関西支社、インドネシア大学留学、三井物産(株)ジャカルタ事務所、東京本店勤務を経て2002年退社。一貫して食料部門で働き、特に東京本店時代に健康食品の開発・販売に尽力する。2003年、三井物産時代の上司及び取引先の出資を仰ぎ(株)グロービア設立。2015年、「一般社団法人抗認知症薬の適量処方を実現する会」を設立し、認知症の方とそのご家族のため日々邁進している。

この記事を書いた人

認知症ONLINE 編集部

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