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運用失敗の損失を負担しなければならない?

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Q.

 私は会社で運用担当を任されていましたが、運用に失敗をして1500万円の損失を出してしまいました。
 小さな会社ですので、運用担当は私一人で、細かい報告義務もなく全てを任されていました。
 本来、運用金額は上限800万と決まっているのですが、取り戻そうとして運用資金以外の会社のお金を使ってしまい、この額に至っています。
 上司に相談した所、大事にはせずに二人だけの秘密として事を収めようと提案され、首になるのが怖かったこともあり、以下の内容の誓約書にサインをしました。

(1)私は自分の私利私欲のためにお金を使っていない
(2)損失額は全て私が背負う。上司が肩代わりしており、上司に返済

 この時、精神的にかなり疲労しており、サインをしてしまったのですが、冷静になって考えてみると、全額私が支払わなければならないのはおかしいと思っています。
 支払い額を減らすために、この状況で、上司、もしくは会社に異議を申し立てる事は得策でしょうか。また、私の行為(上限を超えた金額での運用)は法に触れるのでしょうか。アドバイスをいただけたら幸いです。

(20代:男性)

A.

 まず、誓約書について検討します。
 この点、誓約書を無効なものとするためには、誓約書作成当時、ご相談者に正常な判断能力つまり意思能力がなかったことを主張すべきこととなります。
 確かに、精神的に疲労していたとの状況は理解できますが、それが意思能力を欠如せしめるものとまではいえないのが通常でしょう。

 とすると、誓約書は有効であるといわざるを得ません。しかし、その内容を争う余地もあると思われます。
 あなたが負担すべき損害は、あなたに運用に際して故意や過失があり、それに起因して発生した損害に限定されます。

 当初の運用金額800万円までであれば、その運用方法に特段の過失なくして失敗をした場合に、その800万円の損失をあなたが負担することはありません。
 しかし、その限度を超えた700万円については、限度額を超えて運用したこと自体に過失が認められ、その損害について責任を負うことになります。

 ところで、上司が肩代わりをしたということですので、上司は1500万円を拠出していることになります。つまり、その1500万円と本来あなたが負うべき賠償額の700万円との差額である800万円について、会社は不当に利得しているといえます。
 したがって、会社から上司に返還すべき筋合いということになります。

 ということで、会社も交えて話し合いをして、まずは800万円を上司に返還させ、その後の返済をどうするかも考えることが重要です。

 次に、法的には、限度額を超えた金額の運用は、会社に対する背任行為となって、刑法に触れます。
 先の金銭問題も刑事問題もすべての問題の解決は、会社との話し合いに委ねられるべきで、刑事問題も会社が公にするかどうか(告訴をするかどうか)にかかっています。
 真摯に会社と向き合うことで、よりよい結論が出るものと思います。

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運用失敗の損失を負担しなければならない?

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