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「地方議会に法制局をつくり政務活動費の無駄をなくす」佐々木信夫中央大学教授

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さる平成27年統一地方選挙直前、中央大学教授佐々木信夫先生に地方議会のあり方をインタビューしました。
民主主義が崩壊する前に 佐々木信夫中央大学教授 (平成27年4月動画収録 地方議会ニュース)
佐々木先生近影

第2回 「地方議会に法制局をつくり政務活動費の無駄をなくす」

今回の統一地方選挙(2015年)を見ますと、住民が注目しているのは「人口減少に対して地域をどうするか」というのが一つ、もう一つは議員の活動そのものについて、特に「政務活動費について」厳しい目が向けられています。

政務調査費から政務活動費へ

そもそも政務活動費は(今から2年前までは「政務調査費」と呼ばれていた)、平成12年の地方分権改革が行われて以後、地域版のミニ国会のような役割をきちっと地方自治体の議会が果たすべきだという立ち位置が変わってから、つまり政治の主役に地方議会が置き換わってから、決定者としても政策をいろいろ勉強してから決定をするということに端を発します。もちろん提案者としても条例を作るための勉強をしなければなりませんし、さまざまなセミナーに行っていろんな人の意見を聞くことも、現場を調査することも大事、さらに言えば海外の調査もする。こういう費用をどのようにしてつくったらいいかということから始まったものです。

「政務活動費」は、政策のための調査や研修のための費用に限定をしていた「政務調査費」を、「その他」という項目を加えて他の活動にも使えるとしました。では、「その他」とはなんでしょうか。

その他が8割

概ね8割は政策のための調査や研修のための費用に使われ、「その他」は2割以下というのが世の中の常識でしょうが、実際蓋を開けてみますと、2013年度の決算書では、驚くことに「その他」が8割を占め、実際勉強のために使われているものが2割を割り込んでいます。

人口5万人以下の市町村で政務活動費の問題が今度の選挙の最大の争点になるとは思いませんが、それ以上の選挙区で500万円〜700万円も使っているところを見ますと、8割は事務所経費やパートを雇っている事務経費、自分の選挙のためのビラの印刷費、ひどい話では車のガソリン代などであります。

一方で報酬というのは市議会で年間700万円ぐらい、県議会で年間その2倍の1,500万円〜1,600万円を平均すると払っています。町村の場合でも320万円〜330万円を年俸として払われていますが、それとは別に、500万円、600万円の政務活動費を払っているのは、「生活費に使っているのではないか」とみんなが怒り始めているわけです。

これは止めるか、見直すか、使い方を大胆に変えるか、なんらかの改革をしろということでしょう。

これはやはり、地方議員のあり方、組織で言えば地方議会の在り方そのものを問われているわけであり、政策官庁にふさわしい議会、つまり単なるチェック機関ではなく立法機関たりうる議会になろうとするなら、例えば政務活動費の半分を使って法制局をつくるといったことが必要ではないでしょうか。

広域で〇〇市町村法制局をつくったらいかがでしょうか?

参議院であれば参議院法制局、衆議院であれば衆議院法制局、内閣であれば内閣法制局があるように、人口が少ない自治体の場合は、例えば15ぐらいの市町村がまとまって広域の◯◯市町村法制局をつくり、法律の専門家や法科大学出身者などの若手を雇い、子育て条例や環境条例や地産地消条例など、いろいろ提案するということに使ったらどうだろうかと思います。

議員は、基本的には事務所費や経費や人件費、選挙用のビラなどは、別途労働報酬としていただいている報酬の中から支出をすることにする。このように透明性を高めていかなかいと地方議会に対する不信は、この蟻の一穴から崩れていくと思います。
動画はこちら

中央大学経済学部教授 佐々木信夫 (行政学者)
新しい自治体のあり方や市町村合併、行政のしくみを説く。市町村合併のテレビ解説で第4回NHK地域放送文化賞を受賞。日本の「あるべき姿」を唱えて活動している。(wikipedia佐々木信夫行政学者より)
著書
自治体政策 (日本経済評論社2008) 現代地方自治 (学陽書房2009)
地方議員 (PHP新書2009) 都知事 権力と都制 (中公新書 2011) ほか多数

 

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