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「ゆとり」完全脱却、学習時間増加の意味するものは

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減少し続けていた学習時間が25年間で初めて増加

近年、ゆとり教育による子ども達の学力の低下や学習時間が減少し続けていました。
学校の授業時間の減少、またパソコンやスマホの普及により、学生たちにとって余裕や娯楽時間が増えたことが原因とされています。
学力の差は学習時間で補うことができ、この学習時間の減少が続いている近況は常に問題視されていました。

しかし、昨年の高校生の学校外での学習時間がこの25年間で初めて増加していたことが、ベネッセ教育総合研究所の調査で明らかになりました。学校外での学習は、授業時間以外の自習や、家庭や塾などで行う学習の事です。

勉強する動機づけが勉強時間増加の要因

これには、学校による家庭学習指導の強化で、宿題の量が増えたことが大きな要因として挙げられます。
最近では受身の学習ばかりではなく、個々で自主的に考え学習をするいわゆる、「自主学習」と呼ばれる宿題の頻度が多くなってきており、子ども達は自分でどんな学習をするか考えたり、調べたりする事にも時間を使うようになりました。
塾数も年々増加傾向にあり、塾での講義内容を学校の方針に合わせたり、他塾との差別化、サービスや質の向上に力を入れるようになったことで、塾の人気が増えたことも要因の一つです。現在、中3での通塾率は約6割で、そのうち週3以上通っている生徒は3割を超えています。

また、学校側の自ら学びたいと思わせるような指導の背景もあり、「お金もちになるため」「いい大学を卒業すると幸せになれる」などと勉強する理由として前向きな意見が小中高ともに5割~8割と急増しています。

学習の「量」の増加が学習の「質」の向上につながる

ゆとりにより、スポーツや芸術などの習い事や部活動にも力を入れるようになった背景がありますが、学習時間が増えたことにより、その両立が難しくなり、辞めてしまう人もいます。
しかし、部活動をしていたけど辞めた学生は、部活動をしている生徒やもともと部活動をしていない生徒より学習時間の割合が少ないというデータがあります。
一見部活動をすることにより、練習に時間がとられたり、疲労により学習時間が減少すると思われがちです。
しかし、部活動をすることで、勉強との両立のために就寝までの限られた時間などすき間の時間にうまく学習時間を取り入れる計画を立てる、といった自己管理能力が身についたり、その結果精神面も鍛えられるなどの効果を期待できます。
部活動をしても勉強時間の減少につながらないのは、このような理由があるのでしょう。

このように学生の気持ちの変化や主体的な学習スタイルへと変わった事が、自分自身を考え、管理し、探究する能力を身につける事ができるきっかけになりました。
これにより、結果的に今後も学習「量」は増え、学習の「質」がより良い方向へと変化していくことが期待されます。

(三田村 泰希/学習塾塾長)

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