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地震のたびに強くなってきた耐震基準。旧耐震と新耐震をおさらい

地震のたびに強くなってきた耐震基準。旧耐震と新耐震をおさらい

地震の多い日本では、昔から建物の地震対策に取り組んできた。法律で耐震規定が最初に定められたのは1924年。今から90年以上前だ。しかし、大地震が起きるたび、各地で建物倒壊などの被害が出る。国では大きな地震が起きるたびに耐震基準を見直し強化してきた。2011年の東日本大震災から5年たった今年、あらためて、耐震基準の変遷や住宅を購入する場合に知っておきたいポイントを確認してみよう。

耐震基準の大きな転換期は1981年の新耐震設計法の制定

地震に強い建物の調査や研究が始まったのは1891年に起こった濃尾地震がきっかけ。それが形になったのは、1923年に起こった関東大震災の翌年に改正された建築基準法の原型といえる「市街地建築物法」で、鉄筋コンクリート造の建物や木造の住宅の地震に対する規定が盛り込まれたのだ。その後、壊滅的な住宅の被害をもたらした1948年に起きた福井地震は、1950年の「建築基準法制定」で鉄筋コンクリート造や木造の耐震規定に大きく影響。全国の建物に耐震設計が義務づけられた。

耐震設計法が抜本的に見直されたのは1978年の宮城県沖地震後。1981年に施行された「新耐震設計基準」(新耐震)だ。現在では1981年以前の基準を「旧耐震」、以後の設計法を「新耐震」と呼んでいる。それまでの「旧耐震」では、震度5程度の地震に耐えられることが基準。しかし、「新耐震」では、建物の倒壊を回避するだけでなく、建物内にいる人の命を守ることに主眼がおかれ、比較的よく起きる中程度の地震では軽度なひび割れ程度、まれに起きる震度6〜7程度の地震では崩壊・倒壊しない耐震性を求めている。この新耐震基準で建てられた建物は、1995年の阪神・淡路大震災でも大きな被害が少なかったことが分かっている。

その後も、木造住宅では、2000年の建築基準法の改正で耐震性が向上する規定が盛り込まれ、家を建てる前の地盤調査の事実上の義務化、地盤がどの程度の荷重に耐えられるかによって決まる基礎構造などが定められた。耐震偽装事件をきっかけに、2007年には建築確認・検査が厳しくなり、3階建て以上の共同住宅には中間検査も義務づけられた。【図1】主な大地震と耐震基準の変遷(SUUMOジャーナル編集部作成)

【図1】主な大地震と耐震基準の変遷(SUUMOジャーナル編集部作成)

建物の形も影響。古くても地震に強い家の条件とは?

新耐震設計基準が施行されたのは1981年6月。これ以降に建築確認申請が出されて建てられた一戸建てやマンションは、すべて新耐震基準をクリアしていることになる。これは、地震に強い家かどうかを判断するひとつの目安になる。しかし、新耐震基準だから100%大丈夫というわけではない。また、旧耐震のころに建てられた古い家だからといって、すべてが地震に弱いわけではない。地震に強いか弱いかは、さまざまな要因が影響するからだ。では、どんな家が地震に強いのだろう。

まずは「建物の形」。地震に強いのは上から見たときに正方形や長方形のシンプルな形の建物。これは一戸建てもマンションも同じだ。L字型や コの字型など、凹凸の多い外観デザインは個性的な外観をつくりやすいが、地震の横揺れに対してより強いのはシンプルな形だ。2階の床面積が1階よりも大きく、2階の床部分が張り出した下の空間が壁で支えられていない場合などは、地震の際に注意が必要だ。

また、1981年の新耐震基準では、必要な壁の量が増え、それによって耐震性が上がっている。室内に間仕切りの少ない大空間の家よりも、壁が多い家のほうが地震には強い。

建物の基礎部分も重要。主な基礎には、壁の下のみに鉄筋コンクリートの基礎を設ける「布基礎」と、建物の底部全体を鉄筋コンクリートで支える「ベタ基礎」がある。昔は、良好な地盤には布基礎、軟弱な地盤にはベタ基礎が採用されていたが、最近の一戸建てでは、布基礎よりも強度の高いベタ基礎が採用されているケースが多い(とはいえ、十分な耐震性を持った設計であれば、布基礎でも地震への強さは発揮される)。気をつけたいのは古い家に見られる鉄筋の入っていない無筋基礎。コンクリートの弱点である引っ張る力に弱いことを補うために、現在は、基礎には鉄筋を入れることになっている。安心して暮らすには、補強工事が必要だろう。【図2】Tの字を逆さにした形の鉄筋コンクリートを打ち込んだ布基礎(左)と、底一面が鉄筋コンクリートになっているベタ基礎(右)(SUUMOジャーナル編集部作成)
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