「ガムシャラにがんばる人を組織は評価しない」という残酷な現実

access_time create folderエンタメ
「ガムシャラにがんばる人を組織は評価しない」という残酷な現実

 会社では右肩上がりの成果ばかりを要求され、家庭ではいつも「ちゃんとやって」「ここを直して」と不満を言われ……。日常生活すべてに、「がんばり」や「成長」を求められてはいませんか?

 そんな生活を続けていると、ついつい「もっとがんばらなきゃ」「努力しなきゃ」などと思い込んでしまうものです。それで、さらにがんばってみても、周りの評価はなんだかイマイチ……。ストレスだけが溜まる一方です。
 
 こんな生き方、もうやめにしませんか? もともと、いくらがんばっても「人の評価」とは思惑通りにならないものなのです。

■成功者ほど、ボーッとしている
 『がんばらない成長論』(学研プラス刊)の著者で、心理カウンセラーの心屋仁之助氏によると、「ストイックにがんばってきたタイプの人よりも、どこかボーッとしている人のほうが、安定した地位を保っているもの」とのことです。

 「ボーッとしている人」の方が評価されている。この事実は、がんばり屋さんには認めがたいものかもしれません。しかし、仕事で成功をおさめている人ほど、肩の力が抜けていて、結果としてボーッとしているように周囲は感じるものだそう。少なくとも「いかにも仕事ができる人」というオーラは発していないのです。

 逆に、ストイックにがんばっている人や切れ者と言われる人は、一度は上り詰めても、それが続かずに急降下してしまうことがよくあります。こうした人は周囲に与えるプレッシャーが半端ではないうえに、「がんばって得た地位や名誉、それらあっての自分」と思うためか、地位や名誉へのこだわりが強く、疑心暗鬼で味方を失ってしまうのです。

■100点よりも15点のほうが評価される
 そもそも、人はどんな人を高く評価するのでしょうか?
 残念ながらそれは「がんばっている人」ではありません。
 人として好きかどうか、感じがいいかどうか――。これが世間の本音です。

 本書のなかで心屋氏は「15点でも出世する人、100点でも出世しない人」という表現を使って、組織の中で評価される人の性質について解説しています。
 「業績は100点満点だけど感じが悪い人」と「業績は15点だけど感じのいい人」であれば、後者を持ち上げたくなるのが人情。どちらを昇進させるかという観点でいえば、個人としての業績は低くても、卑屈にならず、楽しく、周囲ともいい感じで仕事をしていける人のほうが、人の上に立つにふさわしいともいえます。

 会社から「もっとがんばれ」と尻を叩かれたとき、ピリピリしながらがんばってしまう人よりも、「俺は15点でも大丈夫」とひょうひょうとしている人の方が、長期的に見ると出世していく。これは、少なくとも日本の組織において、当てはまるところが多いのではないでしょうか。

 本書は、このように私たちが無意識のうちに囚われ、自らを不自由にしてしまっている「常識」や「思い込み」に風穴をあけてくれます。
 「こんなにがんばっているのに……」と愚痴をこぼしたくなっている人ほど、突破口を見つけられるかもしれません。

(新刊JP編集部)

【関連記事】 元記事はこちら
“がんばること”に少し疲れてしまったときに読む反自己啓発書―書評『がんばらない生き方』
「がんばり」「努力」では幸せになれない理由
評価されない「がんばり屋」が意識すべき○○力

  1. HOME
  2. エンタメ
  3. 「ガムシャラにがんばる人を組織は評価しない」という残酷な現実
access_time create folderエンタメ

新刊JP

ウェブサイト: http://www.sinkan.jp/

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。