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古民家リノベ[3] 築90年の開放感ある間取りも断熱でポカポカ

古民家リノベ[3] 築90年の開放感ある間取りを断熱で冬暖かく

古民家といってもリノベーションするからには私より長生きする耐久性が欲しい。昔ながらの日本家屋の通風・採光の良さとイマドキの夏涼しく冬暖かい家が理想。そして間取りは、気軽に友人を招きワイワイできる、開放感のある宴会仕様に。これらを小さな古い平屋で実現するためには、基礎と構造柱以外はほぼ全面的に変更する、建て替えに等しい大規模なリノベーションとなった。●連載「元編集長の鎌倉古民家リノベ移住」

10誌以上の住宅情報誌の編集長を経験してきた筆者が、都内マンション暮らしから鎌倉の築90年古民家への移住を決意。物件との出会い、リノベーションのパートナー探し、プランの検討、コストダウン方法など実体験に基づくノウハウや失敗談を含めた本音を7回連載でお伝えします。

建て替えでも増築でもなく、リノベーションを選んだ理由

一目惚れした古民家は、こじんまりした平屋なのに、間取りは3畳の和室など細かく仕切られた昔ながらの間取り。設備面で使えそうなのも、ここ10年以内に修繕された屋根・給湯器・一部サッシくらい。全面的に手を入れることになるので、建て替えを考えなかったわけではない。

実際、不動産会社のチラシにも「土地としてもご検討下さい」とあった。築90年ともなれば、建て替えのほうが結局安くつく、とか、性能面で安心、という考え方もある。しかし、土地に惚れたわけではない。便利な場所に風情のある古民家が建っていたのが良かった。土地だけで考えるなら、もっと条件がいい物件があっただろう。建て替えではここを選んだ意味が薄れる。

敷地面積には余裕があったので、自宅兼カフェや友人が宿泊できるプラスαのスペース確保のため、増築も検討した。しかし法令上の制限で、増築すると家全体を準防火仕様に変更する必要が生じ、増築分だけでは済まない莫大なコストがかかることが判明。結局、一目惚れした素朴で温かみのある木の外観を生かすためにも、一切増築せず、現状の広さの中でプランのやり繰りをすることにした。

収納たっぷりで開放感のある宴会仕様の間取りが増築なしで実現

第2回で書いたように、プランの要望は欲張って17項目もあった。荷物が多いのに、見た目はスッキリ暮らしたい。大人数の来客にもスムーズに対応できる家にしたい。できれば自宅兼カフェもしてみたい(これは早々に諦めた)。冷暖房効率も気になるし、季節がいい時には明るく風通し良く、エアコンに頼らず暮らしたい。

各社各様のプラン提案があった中、ポイントになったのが「縦空間の利用」だった。依頼した会社のプランは、小屋裏収納や吹抜けで縦空間をフル活用したもの。玄関とリビングの2カ所は吹抜けで、元々あった柱や梁を見せる。実際住んでみると天井が高い分、実際の床面積以上に広がりを感じる効果があった。

小屋裏は神奈川県の場合、最大高さが1.4m以下でかつ、その面積が1階床面積の半分未満であれば床面積に算入されず設けることができる。つまり小屋裏収納をつくっても、増築にあたらないのだ。屋根自体が高くない平屋なので、膝立ちもできないが、この6畳分の小屋裏収納を確保することで、安心して他の空間を開放感あるプランにできた。

LDK、和室、サニタリーは全て引き戸とし、それぞれの空間で仕切ることも、引き戸を開放して広々とした一体の空間にすることも可能に。寝室と収納を確保し、それ以外は開放して気軽に人を招くことができる「宴会仕様の家」という希望通りのプラン。収納の追加など微々たる修正をした程度で、ほぼ最初の提案通りのプランで着工に。家の中心となる6畳の和室以外は、水まわりの位置などもすべて変更するフルリノベーションとなった。【画像1】リノベーション依頼会社からのプラン提案は2案。どちらも縦空間をフル活用し、吹抜けにして梁を見せる空間と、床を張って小屋裏収納にする空間の両方があった。小屋裏で収納スペースを確保して広々暮らすという提案が決め手に(写真撮影/長井純子)
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