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マンション建替え[1] 仮住まいのはずが…建替え推進メンバーに

マンション建替え[1] 仮住まいのはずが…建替え推進メンバーに

『建替えマンションの完成』と聞くたびに、どれほどの時間と努力があったかと思う。ひとごとと思えないのは、私自身も約10年前に建替え推進委員会として、自分が住んでいた団地の建替えを経験したからだ。その苦労は今では新しい建物への愛着に変わっている。最近は老朽化した団地やマンションに住む人から「どうしたら建替えられるか」という質問をもらうことが多い。この際、思い出しながら、古い集合住宅に住む人たちに、何かのヒントになればとまとめてみることにした。【連載】私の「マンション建替え」経験談

「マンションの老朽化」が話題になる昨今、マンションの建替えという問題が切実になってきている。どんな問題が起こり、どんな方法で解決していくか。具体的な例を知る機会は少ない。今回はマンション管理士の資格を取り、築50年の自宅マンションの建替えを経験した筆者が5回にわたってプロセスをお伝えします。

住民がその場所に「愛情」を持つことが、建替え成功のポイント

初めて私がその集合住宅(マンションというより団地?)に出合ったのは20年ほど前になる。都心なのにうっそうとした緑が生い茂る土地に建物が建ち、まるで自然公園の中に住むような環境にひとめぼれをした。マンション買い替えのための仮住まいのつもりで、賃貸で住み始めた物件だったが、住んでいるうちに、「次に買うならここしかない」と思い始めた。

その時点で築40年近く、エレベーターもなければ、冬は寒く夏は暑い。不動産鑑定士の先生や親に相談したところ、「そんな古い家を買ってどうするんだ」ともちろん反対された。しかし、その欠点を補って余りある環境の良さと利便性がある。誰になんと言われようと、ここを買うと思い始めたのは、“ひとめぼれ”の状態が続いていたからだろう。

その後、こんなに長い付き合いになるとは思ってもいなかった。ましてや自らが建替え推進委員会に参加して、100回にも及ぶ会議に出ることになり、建替え自体を経験することになるとは…。のちのち痛感したのは、他の住民の方々も、この場所に並々ならぬ愛情を持っていたということだ。特に建築当時から住んで来た人たちの思いは強い。建替えに至るまでの途中段階で、さまざまな問題が起こるたびに、この「愛情」が切り抜ける原動力になった。コミュニティの必要性は難局のときほど求められると痛感した。

「マンション管理士」という資格を取ってみた

この住まいを購入したころに「マンション管理士」という資格ができると聞いた。不動産関連のライターという仕事にも役立つと思い「挑戦してみようかな」という程度だったが、勉強するうちに自分自身の住んでいる団地には、さまざまな問題が含まれていると身近に感じるようになった。

区分所有法が制定される以前の物件だったので(※)、権利関係が現在のマンションとは大きく異なる。現在は建物に敷地が付帯されているが、この団地は土地と建物の権利が別々に登記されていた。加えて廊下や管理室など、現在では法定共用部分で済まされる部分が、一つ一つ居住者の名義で登記されていたのだ。

※区分所有法は1962年(昭和37年)に制定

「これは大変な建物に住んでいる」という実感と「これは面白いことになった」という実感があり、真剣に取り組まざるを得ない状況になった。集合住宅の置かれている問題が理解できるとともに、今までの自分の知識のなさに愕然とした。ありがたいことに、試験にはギリギリで合格したが、知識はまだまだ足りない。しかし、このときの勉強が少なくとも何らかのカタチで役に立つ場面はあったと思う。

プロの建替えコンサルタントに頼んだものの、住民主導に切り替える

「建替え」の話は、準備委員会からのお知らせで知った。当時は購入したばかりで、理事会にも準備委員会にも入っていないし、実現できるかどうかもひとごとのように感じていた。「建替え推進決議」をする総会が開かれ、初めて参加したときに、今までの経緯を教えてもらって現実味を感じるようになった。

最初は、建替えコンサルティングの会社に頼んで、隣地との合体で大きな開発になる予定だったようだが、諸事情により上手くいかなかった。以来、住民主導での建替えに舵を切ることになり、建替えも合体ではなく単独で実施することになった。

この間の経緯は詳しくないが、原因はやはり住民以上に「わがこと」と思ってくれないことだったようだ。優秀なコンサルティング会社もあるようだが、相性もある。「自分たちのことは自分たちで決めていく」という強い姿勢がこの後の問題解決でも大切になっていった。

建替えの成否につながるパートナー選びは大切

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