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進まない「女性の活用」にワーキングマザーが思うこと

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こんにちは、スギ花粉症歴13年ほどの朝倉A子です。妊娠・授乳期には薬を飲めないのがつらいですね。今年もマスクでしのぐかあ…。

さて今回は、最近よく聞く「女性の活用」について、活用される側から考えてみたいと思います。

男性管理職から見た働く女性

社内で「女性の活用について」という座談会が開催されました。出席者はさまざまな部門の男性管理職です。議事録が展開されたので読んだところ、そこで出た意見としては… 女性は仕事へのモチベーションがライフステージに影響されやすいので配慮が必要 働く意欲があっても、育児などで十分にそれを発揮できない環境の女性もいる 昇給や昇進に興味がない女性もいる、見極めが難しい

などなど。はいおっしゃる通りです。気を使わせて申し訳ありません。

特に出産を機にリタイアする女性が多いのを「残念」「もったいない」と感じているようで、「勤続を会社や部署がサポートすべき」というのは総意の様子。そして全員が口を揃えて「女性にはいろいろな状況、考え方の人がいる。それを理解し、適材適所で活躍させてあげたい」と言うわけです。ありがたい話です。

が、私は知っている。

我が社の男性社員の、奥さんの専業主婦率はめちゃくちゃ高いということを…。

「女性の活用」には推進派、だが自分の妻は専業がいい?

仕事の場で、管理職として物を言えと言われたら、時代が求めていることを言えるのは当然でしょう。実際、女性の部下を理解しようとしてくれている管理職が増えているのも、女性の立場からちゃんと感じています。

ですが「だが自分の妻は専業がいい」と男性が考える限り、女性は永遠に、仕事か家庭の二者択一を迫られることになるのです。私はこのあたりに、「女性の活用」なるものがなかなか進まない一因があると思っています。

出産や育児といったプライベートの事情がどうしても仕事に影響してくるのが女性です。これはもう、ある程度仕方ないと言うしかないでしょう。一方男性のほうは、いまだに「プライベートと仕事は切り分けられる」と思っている人が多い。そこが非常に気になります。

結婚した女性が社会に出ていくということは、当然ながらその分、家や家族、親族に関するもろもろのことを男性が請け負わなければいけないということです。ですが、「女性の社会進出を応援する」=「自分が家のことを積極的に請け負う」というところが結びついていない男性が多い気がします。

社会進出する女性のことは応援する、だけど自分の妻は家にいてほしい。家のことは妻に任せて、自分は仕事に打ち込みたい。

あのね、これではバランスはとれないよ!

ちなみに内閣府調査によると、「育児や家事は誰の役割だと思う?」という問いに対し、「妻」と答える男性の割合が50%を超えるのが50代以上なんですね。40代はかろうじて44.7%にとどまり、以下年齢が下がるほどにこの割合は減っていきます。ぬう、50代…。この世代が会社の制度を作っていることを考えると、どうか意識の向けどころを変えてほしい。

「内閣府 平成25年度「家族と地域における子育てに関する意識調査」

参照:図表 2-3-2 家庭での育児や家事の役割<SA>(性・年代別)

男性がパートナーに求めていること、の調査データ

これは結婚した後、どのようなライフコースをたどりたいかを男女別に調査し、1998年から2011年にかけての変化を追ったものです。 「女性が理想とするライフコース」は長年ほとんど変化なし 「女性が予定するライフコース」は、「専業主婦コース」「再就職コース(※)」が減り「両立コース」が増加。「理想」と「予定」が年々乖離していっているという切ない話…まあこれは余談です 「男性がパートナーに期待するライフコース」でも「両立コース」が増加

※再就職コース…結婚や出産を機に一度退職し、その後復職するコース

これを見る限り、若い層には自分のパートナーにも働き続けてほしいと思っている男性が増えているのがわかります。理由はどうあれ、ふむふむ。

男性が結婚相手に求める条件、の調査データ

が、一方…前図と同じ調査でのデータです。

「両立」を求める増加率に比べると、結婚相手となる女性の職業や経済力に関する考慮・重視度はそこまで上がっていない…。それどころか「家事・育児能力」への重視度はしっかり上がっているという。パートナーに「両立」もしくは「再就職」を求めている男性は70%以上もいるのに、結婚の条件としては「関係ない」が過半数という不思議。

パートナーに仕事を続けてほしいと思うのであれば、パートナーがどのような職に就いているかはとても重要。でもまだそこには意識は行っていないのだろうと思わされるデータです。

このへんのちぐはぐさが、活用活用と叫ばれているわりに、やっぱり子供を産むと仕事をあきらめざるを得ないことが多い女性の現状と、無関係でない気がします。

「女性の活用」は職場改善だけで実現するものではない!

ダイバーシティという言葉がすっかり一人歩きしていますね。私の会社でもこれが叫ばれ始めて一年くらいたちます。そして社内では今のところ、「ダイバーシティ=女性の活用(もっと狭く言うと女性の管理職増)」という扱われ方をしていて若干疑問なのですが、まあそれは置いておいて。

企業で「女性の活躍のため」と銘打って制度や意識の改革を進める時、どうか忘れないでいただきたいのです。

結婚した女性の活躍を推進するのであれば、バリバリ仕事をする女性を妻にし、家のことも子供のことも、町内会のことも親のことも、すべて自分事として半分担うことのできる「夫」が必要なのだということ。そういう男性が増えない限り、「女性の活用」が実るのは難しいということ。

仕事人としてではなく、一人の男性として、あなたは女性が社会で輝くことを、本気で願っていますか? 自分の「仕事とプライベート」のバランスを変えてでも、それを支援したいと思っていますか?

会社の制度やマネージャーの意識だけを改革しても足りないのです。そこに気づく人が増えてくれたらと切に願います。

結婚してからパートナーの価値観が変わった時にどう受け入れるかという課題もまだありますね。子供を持ったらリタイアすると約束していた奥さんが、やっぱり復帰したいと言いだした…という悩みを聞いたこともあります。もうこれは難しい。住んでいる地域によっては保育園を見つけるだけでも大変でしょう。その方は家を買った場所が保育園激戦区だったようで、それも「えーっ!」の一因だった様子。それはわかる…。

いずれにせよ、そういう問題が出てきた時「約束が違う」で片づけず、人には働くことでしか得られないものがあるのだと認めた上で、パートナーとのベストな答えを見つけられたらいいなあと思います。そのぶん男性側にも、仕事一本で生きなくてもいい選択肢をあげたいですよね。このへんは男性側の葛藤の声を聞いてみたいところです。

別に、女性の活用を謳うんだったらあなたも家事をしなさい、と言っているのではないのです。ただ女性が社会に出たら、そのぶん家庭に割く時間は減って当然。じゃあそこを誰かが補わないとね、というところまで議論が届いていないアンバランスさに、気づいてほしいのです。

会社から「活用したい」と思ってもらえる女性が、社会で活躍するにはまず家庭内の無理解と戦わなければいけないなんて、それこそ「残念」だと思いませんか。

というわけで、流行りの「女性の活用」について、ワーキングマザーの一人としてつぶやいてみました。

出典:国立社会保障・人口問題研究所ホームページ (http://www.ipss.go.jp/)

朝倉A子

30代半ば、メーカーに勤務する5歳男児の母。

最近はマーケティングと名のつく部署をうろうろしています。

三度の飯より本が好き。今読んでいるのはスケルトン探偵シリーズ『葡萄園の骨』!

>>「働くママたちのコラム」はこちら


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