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【舌対音感】第5回:須永辰緒【俺が愛したローカルフードたち】

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「旅をしない音楽家は不幸だ」という言葉を残したのはモーツァルトだが、では、旅する音楽家の中でもっとも幸せなのは? それはやはり、その土地土地ならではの旨いものを味わい尽くしている音楽家ではないだろうか。そこで! ライブやツアーで各地を巡るミュージシャンたちに、オススメのローカルフードや、自分の足で見つけた美味しい店を伺っていく連載企画。

第5回は、今年DJ活動30周年を迎えた、DJ/プロデューサーの須永辰緒さん。日本全国47都道府県をくまなく回る須永さんは、酒場通・ラーメン通としても知られています。今回は自らの足でDigしたオススメの街や酒場をたっぷり紹介いただきました。

話す人:須永辰緒(Sunaga t Experience)

f:id:Meshi2_IB:20160113173729j:plainSunaga t Experience =須永辰緒によるソロ・ユニット含むDJ/プロデューサー。 DJとして東京、大阪でレギュラー・パーティを主宰し、DJプレイでは国内の47都道府県をすべて踏破。欧州からアジアまで海外公演も多数。MIX CDシリーズ『World Standard』は10作を数え、ライフ・ワークとも言うべきジャズ・コンピレーションアルバム 『須永辰緒の夜ジャズ』は15作以上を継続中。国内から海外レーベルのコンパイルCDも多数制作。多数のリミックスワークに加え自身のソロ・ユニッ ト”Sunaga t Experience”としてアルバム4作を発表。多種コンピレーションの監修やプロデュース・ワークス、海外リミックス作品含め関連する作品は延べ200作を超え、2015年11月にはDJ30周年記念パーティも開催された。日本一忙しい”レコード番長”として知られている。

戦前スウィングみたいな店は、足を使って探さないと

──今日お話を伺っている笹塚ボウルは、須永さんが中心になって行っているチャリティ・イベント「吉田類と仲間たち」が開催されている会場でもあります。

「東日本大震災で被害を受けた東北の酒蔵の復興を目指して一献傾けるというイベントです。吉田類さんを真ん中にして酒縁でつながったミュージシャンやDJと一緒に、我々酒呑みにできることは、楽しく笑って酒を呑むことだけだ、という類さんの想いのもと、これまでに8回開催しています」

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──日本全県でDJを行ったという偉業も成し遂げられた須永さんですが、やっぱり地方に行く時には、その土地の酒場をめぐったり、美味しいものを食べたりすることがモチベーションのひとつになってるんでしょうか?

「まあ言ってみれば、それがメインみたいなものですから(笑)。僕の場合はレコード屋めぐりっていう楽しみもあるんですけど、地方に行ったら自分で勝手に放浪してDig(=探索する)する癖があるんで。一人でブラブラ酒場に行っては外してみたり、いい店に当たって喜んだりしてます。もちろん地元のオーガナイザーがアテンドしてくれる場合もありますが、酒場といってもいろんなジャンルがあるでしょ? たとえば一口にジャズと言っても戦前のスウィングからモダン・ジャズ、クラブ・ジャズとかいろいろあるわけじゃないですか? 酒場に当てはめるとするなら、クラブ・ジャズ系はわりとネットやガイドブックにも出てるから探しやすいけど、さすがに戦前スウィングみたいな店はほとんど情報がないから、足を使って探さないといけない」

──戦前スウィングにしても録音状態がボロボロだったり、ただ古いだけで面白みもない場合もありますしね(笑)

「まあ、そういう店に雰囲気を味わいに行くっていう楽しみもあるんですけどね。かと思えば、モダン・ジャズのように佇まいのキリッとした、上野の〈シンスケ〉や秋田の〈酒盃〉のような昔ながらの居酒屋があったり。だから、どれがいいかとは一概に言えないけれども、好きな店はたくさんありますよ」

店主が拡声器でメニューの説明を…

──では、酒呑み的にお気に入りのお店を、いくつか教えていただけますか?

「なかなか思い出しにくいんで、南から北上していってもいいですか?(笑)。九州だと、やっぱり鹿児島と福岡は、酒呑みのパラダイスですね。鹿児島には天文館という日本屈指の歓楽街があるけど、どこに入っても何を食べてもたいてい美味しい。天文館のあたりなら5、6軒ははしごしますね。もちろんDJの仕事前ですけど、僕はあぶさんタイプなもんで飲まないと力が発揮できないんです(笑)。天文館では、黒豚のしゃぶしゃぶの〈寿庵〉も美味しかったですね。福岡は、以前は行きつけの屋台があったけどそこが閉店しちゃって。その代わりに、最近は若い子がやってる面白い店が増えてきてる。うどん酒場だったり、イタリアン、フレンチ、和食、寿司屋……と、毎回行くたびに新しい店が出来てて。たとえばもつ焼の〈BUTABARA〉や炊き餃子の〈池田商店〉なんかは普通に美味しいですね」

──古くて味のある酒場だけじゃなく、新しいお店もDigされてるのがすごいと思います。

「最近だと、広島に〈そらや〉っていういい立ち飲み屋が出来てましたね。駅から程近くにある、松江出身の若い人がやってるお店なんですけど、珍しい日本酒もずらっと並んでて。2日連続で行ったんですけど、刺身のメニューが全部違うのがすごい。この間はヤガラなんかも出てきましたからね。それでも、1人前で刺身400円ぐらいという良心的な価格で。広島にもこんなお店があるんだ?って感動しました」

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