ガジェット通信

見たことのないものを見に行こう

「なんで上手くいかないの?!」介護中のイライラを遠ざける3つのコツ

DATE:
  • ガジェット通信を≫

グループホームで介護職として働いています、石川深雪です。みなさんは仕事中にイライラしたり、うまくいかずに落ち込んでしまうことありませんか?わたしはあります!一見「悪者」のように思えてしまうこの感情。それも自分の一部です。上手にお付き合いしながら、介護をもっと楽しめるようになる方法について、私が実践していることをお伝えします。

前回記事:認知症の症状悪化の原因は「介護者の心の不安定」

介護中、イライラするのはこんな時


みなさんがイライラしたり落ち込んだりするのはどんな時ですか?わたしの経験や周りの人の話を聞くと、
認知症の人の行動が理解できない時
ケアが上手く行かない(拒否されたり、無視されたり)時
認知症の人から感情的な言葉をかけられた時

などです。どれも普段、日常的に起こることばかりです。ただ、冷静に考えてみると、上記のようなイライラは、ケアのアプローチがうまくいけば解消できることが多いと思います。イライラが減れば、介護に対する気持ちも前向きになり、認知症の人にとってす過ごしやすい環境がつくれるはずです。

一人一人の「快のポイント」を知ろう!


「相手の気持ちをよく知り、信頼する」
これはとても大切なことですが、業務や家事などに追われていると、つい忘れてしまいがちです。介護の土台となる部分なので、ここができていないと、いくら知識をつめこんでもグラグラで不安定な状態になってしまいます。

このことに気付いてから、相手がどんなときに心地よい気持ちになるのか、つまり相手の「快ポイント」を見極めて接するようにしました。

拒否の強い Aさん(78歳)の場合

利用者のAさんは、お風呂を嫌がったり、帰宅願望がでる傾向にありました。「風呂など入らん!」「家に帰らせてくれ!」と憤るAさんにこちらもイラッとしそうになった時、「快ポイント」を意識することを思い出しました。そのためにやったことは、次の通りです。

Aさんの経歴と性格を把握する

Aさんがこれまで歩まれてきた人生を把握し、思考パターンを想像します。
営業ひと筋40年。熱血サラリーマンだった
営業の仕事に誇りを持って働いていた
ビジネスマナーには厳しい
後輩思いで世話好きで、面倒見がいい
女性好き

切り返しトークを実践してみる

Aさんに次のような行動が見られた時、上記を踏まえて切り返しトークを試みます。
入浴を嫌がる時
「身なりを整えてお客様をおもてなししましょう。お背中流しますからね。」
⇒営業マンだったため、お客様のためなら入浴してくれる。女性スタッフの声掛けにより、気分よく入浴できる。
帰宅願望がでた時
「仕事でお客さんから怒られて困っています…相談に乗ってくれませんか?」
⇒面倒見がいいため、頼られると嬉しそうにされ、快く引き受けてくれる。

これらを試した結果、入浴もスムーズにでき、帰宅願望も落ち着きました。意識したのは、ご本人の気持ちに寄り添うときに、この人は心穏やかに過ごすことができる。この人は大丈夫、と信頼すること。そのうえで、「快のポイント」を探っていきます。イメージとしては、その方の可能性にシフトした「取扱説明書」を作り上げていく感じです。それを自分だけでなく、職員間でも共有すれば、職場全体のモチベーションアップにもなりますし、チームワークの改善、ケアの質の向上にもつながると思います。

「○○すべき」の発想を捨てる


わたしたち介護者がイライラする時、「○○してほしいのにしてくれない」という思いが強いことが多いです。例えば、介護者は「夜はきちんと寝てほしい」と思っているとします。その思いに反してなかなか眠られないお年寄りがいます。理由は様々でしょう。「眠たくない」「体がかゆくて眠れない」「心配事があって眠れない」など、認知症の人にも眠らない正当な理由があるわけです。介護者が持っている願望や目標は介護者の都合です。介護者にとって「やらなければならないこと」は、必ずしも認知症の人にとってはそうではないことも多い事実を頭に入れることも意識しました。

様々な理由で、介護者側の都合に合わせて頂かないといけないこともあると思います。その時にもこの視点があるかないかで接し方は変わり、認知症の人にもその気持ちは伝わると実感しています。

イライラしたら、景色を見て一呼吸!


色々なことを試してみても、ついカッとなる時もあります。そんな時、大事だと思うのが、一瞬のクールダウンの時間です。人間の怒りはそう長くは続かないので、うまくやり過ごすことが出来たらそれでOK、と思うようにしています。

方法は何でもよくて、壁の模様をみたり、空の色を眺めたり。それから、今感じている感情を「ああ、今イライラしてるなー」「怒ってるなぁ」という感じ客観的に眺めてみると、ふっと冷静になれます。

自分をほめること

毎日続く介護。時には体調の良くない時だってあります。そんな中、毎日誰かの笑顔のためにがんばっている。時に湧き出る「イライラ」や「怒り」も、大切なあなたの一部です。日々、介護中のイライラと向き合っているあなた。イライラしてしまう自分を責めるのではなく、時には自分の笑顔のために「よくがんばってるね。」と自分自身をほめてあげてください。
今回お伝えした方法は、即効性はないかもしれません。そのかわり、身につけば必ずあなたの土台となり、力になります。たくさんの人の介護人生に笑顔の花が増えますように。

この記事を書いた人

石川深雪

大学卒業後、特別養護老人ホームに勤務。その後出産を機にグループホームへ転職し、認知症の人と関わる仕事が自分の天職だと気づき始める。約13年の経験の中で得た学びをもとに、ブログにて、認知症介護の素晴らしさや、そこからたどり着く自分自身の幸せな生き方について発信中。現在は仕事をしながら、介護現場で働く人のサポートに役立てるため、コーチング、各種セラピーを勉強中。【保有資格】社会福祉士、介護福祉士、介護支援専門員、介護事務、認知症介護実践者研修修了、保育士ほか

カテゴリー : 生活・趣味 タグ :
認知症ONLINEの記事一覧をみる ▶
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。

TOP