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松井稼頭央 目標は「あと351本の日米通算3000安打」

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 プロ野球界では昨年、ベテラン選手が数多くユニフォームを脱いだ。山本昌(50)、斎藤隆(46)、谷繁元信(45)、西口文也(43)、和田一浩(43)、小笠原道大(42)……。今季プロ23年目、すでに2000安打も達成した東北楽天ゴールデンイーグルスの松井稼頭央(40)も、野手ではロッテの井口資仁(41)に次ぐ2番目の年長選手となった。松井本人が語る。

「みなさん一斉に辞められたので驚きました。そういう年齢の近い先輩方の引退を間近で見ると、自分の引き際についても考えさせられます」

 松井にはまだ、自身の引退に対するハッキリとした考えはない。だが、「そう遠くはない」という意識はある。

「僕らはプロ野球選手なので、自分がやりたいと思っても契約してもらえなかったら続けられない。だから、チームやチームメートから必要とされる選手で居続けないと。必死にもがいて、どんな形でもいいから、求められる存在でいたいですね」

 名ショートとして名を馳せてきた松井は、昨季から外野手登録選手としてプレーしている。二遊間のベテランが、守備の負担の少ない一塁手へ転向する例はよくあるが、走力が求められる外野へ守備位置を変えるケースは稀だ。この珍しいコンバートは、松井自らが申し出て実現した。

「ショートとして、これまで自分なりにいろいろ試したり経験したりしてきました。だから、内野手としての自分の先の姿も見えてきていたというか……。でも外野は未知の世界。そこに踏み出すことで、何か新しいことが見えてきたらいい、選手としての可能性がもっと広がればいい、と期待しているんです」

 この挑戦の意識こそが、松井のモチベーションになっている。

「すべてを新鮮に感じられるのがいいですね。外野手としては未知数だから、まだ伸びる可能性がある。もちろんダメになってしまう可能性もあるでしょう。その緊張感と刺激がいいんですよ。だから、この年齢なのに、自分から外野へ転向したいという申し出を了承してくれたチームには、本当に感謝しています」

 外野手・松井としてのプレーに対するこだわりは、チームメートから「あいつのところに打たせれば大丈夫だ」という信頼を得ること。今季はそのチームメートたちと2013年以来の優勝を目指す。

「毎年、優勝に向かって戦っていけるのは嬉しいことですよね。たとえ前年に最下位だったとしても、『今年は優勝するぞ!』とみんなで誓い合い、再びその目標に向かって挑戦できる。極端な言い方かもしれませんけど、これってプロ野球というか、スポーツの世界だけの特権だと思うんです」

 個人的な目標を問うと、「大きな怪我なく1年間プレーすること」、そして「日米通算3000安打」と答えた。

「あと351本。これは今の僕にとって、果てしなく遠い数字です。若い頃の300安打と今とでは、数字の重さに雲泥の差がありますから」

 3000安打。それは過去に張本勲とイチローしか達成したことのない大記録だ。

「そこにはどんな景色が広がっているのか。結果は別にしても、そこを目標にチャレンジしていきたい。そして達成するためにはある程度、『あと何年で何本』と逆算していくことも必要になると思います。今やらないと、次につながっていかない。だからこそ今年は頑張りたい。必死に、全力でプレーしたい」

 松井ほどベテランという言葉の似合わない選手はいない。これからもチャレンジャーとして、大きな目標に挑んでいく。

◆まつい・かずお/1975年、大阪府生まれ。1994年、PL学園高からドラフト3位で西武に入団。2002年にスイッチヒッターとして史上初のトリプルスリーを達成するなど常に主軸として活躍。2004年からはニューヨーク・メッツに移籍、日本人初の内野手メジャーリーガーに。2007年、コロラド・ロッキーズ在籍時にはワールドシリーズに出場。2009年、ヒューストン・アストロズ時代には日米通算2000安打達成。2011年から東北楽天でプレーしている。

取材・文■田中周治 撮影■本誌・藤岡雅樹

※週刊ポスト2016年3月18日号

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