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【仙台】ホッペがいくつあっても足りない! 口の中でとろける ”北限のアナゴ“の絶品握り!

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宮城県は、年間水揚げ300t~600tを誇る、全国トップクラスのアナゴの名産地。しかも、質の高さでも群を抜いており“北限のアナゴ”などとも呼ばれ、築地市場などでも高く評価されているのをご存知ですか?

その秘密は、豊かな仙台湾にあります。暖流と寒流がぶつかる潮目に位置するため餌が豊富で、しかも湾内は穏やかでアナゴの生育には最適な環境。このため、ストレスなくすくすくと育ち、大きさと脂の乗りが格別なのだそう。

しかも、不思議な事に仙台湾で獲れるアナゴは殆どがメスで、オスに比べて魚体が大きく、見た目・味ともに格別に優れていると言われます。

この質の高さから、仙台湾のアナゴは全国の食通からまさに“引く手あまた”状態で、トップクラスの漁獲量を誇りながら地元にはあまり出荷されていないのです。このため、仙台湾のアナゴの超絶的美味しさを知らずに、のほほんと暮らしている宮城県民も少なくないのであります。

実はオラもそのひとりだったのですが、その仙台湾のアナゴをふっくらふわふわの煮アナゴに仕上げて食べさせてくれるお寿司屋さんがあると聞いて、早速実食レポートに行ってきました!

寿司激戦区で初代の味を守る老舗寿司店

そのお店は、仙台市の中心部・サンモール一番町の「文化横丁」。昭和の香りが色濃く残る、飲食店街の一角にひっそりと佇んでいました。

小さな横丁ですが、寿司屋さんが多く集まり、各店が味を競っています。「一平寿司」さんも、戦後間もなくこの地で開店した老舗寿司店で、現在は2代目が暖簾と味を守っています。

ご主人は「先代の味を守っているだけだから……」と謙遜しますが、ネタにこだわり、手間暇を惜しまない姿勢を貫く事は、決して容易な事ではありません。

例えば、カンピョウひとつとっても、前夜から仕込みを開始し、手間暇をかけながら秘伝のタレでじっくり煮込んで仕上げるのだとか。このタレも、必要最小限の調味料を配合したもので、素材の味を邪魔せず、風味を生かすよう、初代が磨き上げたものだそうです。

さて、そんな技とこだわりが注ぎ込まれた寿司とは、果たしてどのような味でありましょうか。期待に鼻穴を幾分膨らませたオラ、噂の煮アナゴの握りもついているという、ランチセットを注文。

ネタケースの中には、丁寧に仕込んだネタがいっぱい。評判の煮アナゴや厚焼き玉子、コハダなどがきちんと並べられ、出番を待っています。ほどなく、奥からおかみさんが笑顔で小皿を運んで来ました。

なんという事でしょう! ランチセットには、日替わりでおかみさんの手作り惣菜がつくのです。この日は、かぼちゃの煮物に、揚げ出し豆腐の自家製南蛮味噌、赤かぶの甘酢漬け、大根の味噌汁という豪華顔ぶれ。

これにデザートの柿までついて1,000円というのだから、驚きを通り越して呆れてしまいます。12:00~13:00までの時間限定だからできる、ご主人の心意気価格なのです。

どれも素材の味が際立つ逸品で、どこかにおふくろの味のような懐かしさも感じられます。お寿司屋さんではもちろん、今では家庭でもなかなか味わえない優しさがいっぱいに詰まったお惣菜なのであります。

ランチセット(1,000円) このほかにデザートの果物もつきます

ふわっふわでとろける旨さの煮アナゴに陶酔……

そこへ、いよいよ握り寿司がやってまいりました。どうです、この美しさ! イカとタコは、食べやすいように、半分に包丁を入れてあります。このひと手間を見ただけで、丁寧な仕事をしているのが分かります。

シャリは、ササニシキ。さっぱりとして粘り気が少ないので、寿司に最適なお米です。これに赤酢を配合した秘伝の寿司酢を加え、口の中でパラリとほどけるように絶妙な力加減で握ってあります。

うまい!

素材の風味と快い食感にうっとりしつつ、お茶で舌をリセットしながら夢中で頬張っていくと、あれよという間に念願の煮アナゴの番と相成りました。

一般にアナゴの旬は夏場と言われていますが、脂がのった仙台湾のアナゴは、むしろ冬場が最も美味いとご主人。まさに取材している今こそ、仙台湾のアナゴが最も美味い時期なのだそうです。

アナゴの握り(時価)

箸でつまむと崩れてしまいそうなほど、ふっくら柔らかく仕上げられているのが見た目でも分かります。慎重につまんで、ゆっくりと口中に放り込む……

でへ~、こりゃ美味い!

まずタレの芳醇なウマミが広がり、やがて口中でホロリとほどけたアナゴの身から、濃厚でコクのある味わいがトロリと飛び出してきます。噛む必要などないほどの柔らかさながら、噛むほどにアナゴのコクと旨みがシャリの風味と渾然一体になって、舌にまとわりつくのであります。これでは、ホッペがいくつあっても足りません!

後味もすっきりとしているので、思わずもっと食べたくなるような味に仕上がっているのです。当然、オラはもう2貫追加。今度は、山椒を振って食してみる……

やばい……う、美味すぎる

爽やかな山椒の香りが、煮アナゴのコクと甘みをきりっと引き締めて、これまたいくつでも食べられそう。後引きの美味さとはまさにこのことで、これでは、いつまで食べても箸が止まらないではありませんか……

常連さんを虜にする厚焼き玉子にうっとり

「一平寿司」さんには、もう一つ常連さん達から愛され続ける名物メニューがあります。厚焼き玉子です。

こちらも先代からの味を頑なに守っていて、使うのは玉子と秘伝の出汁に最小限の調味料のみ。これを弱すぎず、強すぎずという絶妙の火加減でふんわりと焼き上げるのだとか。

どうです、この照りとふっくら感。見ただけで美味しいのが分かります。

実際に頬張ってみると、ふっくらぷりぷりの食感とともに、昔懐かしい玉子焼きの香りがパ~っと広がります。しっかりとした甘めの味わいの中にも、良質な出汁のウマミが感じられるのです。

なるほど、これだけ存在感のある厚焼き玉子なら、酒のつまみにする常連さんが多いのも理解できます。

厚焼き玉子(300円)

素材の持ち味を生かすためには最小限の調味料と、最高の技と手間暇を掛ける。そんな先代からの精神が今なお生きるお寿司屋さんでした。

店舗情報

一平寿司

住所:〒980-0022 宮城県仙台市青葉区一番町2-3-37

電話番号:022-223-0301

営業時間: 平日12:00~13:00 17:00~23:00

土曜17:00~23:00

定休日:日曜・祝日


書いた人:

早坂登

宮城県在住のなんでもござれライター。食べる事同様、仕事も好き嫌いなく何でも食らいつき、広告から雑誌、WEBまで幅広く対応できるのが自慢。

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