That’s 洋辛子ワールド!新宿三丁目マスタード料理とワインの店「wine & mustard A」
これ全部、マスタードなんです!
マスタードの使用例っていえば、ソーセージにつけたり、ホットドッグに塗ったり……そのぐらいしか思い浮かばないのが、正直なところではないでしょうか。
しかし!
マスタードはそんな簡単なものじゃありませんでした。
知らなかったよこんなにも奥深いマスタードの世界!
今回は東京・新宿三丁目の
マスタード料理とワインを楽しめるお店をご紹介しますよ。
その店の名も「wine & mustard A」(ワインアンドマスタード A)!
味わい豊かな豪州タスマニアのマスタード
お店の入口で出迎えてくれたのが、
シェフ兼ソムリエの武藤恭通(むとうやすゆき)さん。
きょうはよろしくお願いしますー!
店内はカウンターがメインで、4人用のテーブルが1つ。
早速このお店についてうかがってみました!
ひとことでいうと、「オセアニアのワインと、タスマニアのマスタードが楽しめる店」それが『wine & mustard A』です。オーストラリアとニュージーランドのワイン、そしてオーストラリア・タスマニア州でつくられるマスタードを軸に、さまざまな料理をご用意しています。前菜からデザートにいたるまで、マスタードを応用していますよ。
ご覧ください、お店で取り扱う8種類のマスタード。
粒あり粒なし、色も味わいもさまざま。まるでマスタードのパレットのよう!
オーストラリアのタスマニア州で生産されるこれらのマスタード、
その味わいに感動したスタッフが「ぜひ日本でも紹介したい!」と思い、
こちらのお店が誕生することになったのだそう。
これまでフレンチのシェフとして研鑽を積まれてきた武藤さん、2年間の渡仏経験も。フランスでよく使われるディジョン・マスタードとはまた別の良さがあるタスマニア・マスタードに、すっかり魅了されたそうです。
まず、マスタードのイメージそのものが変わりました。マスタードの原料となる、からし菜類の種の味と香りがしっかり伝わってくるんです。そして鮮烈な香味がありながら、食材の邪魔をせずに、それぞれの味わいを盛り立ててくれます。また粒マスタードのプチッとした食感は格別で、これも初体験でしたね。驚かされました。
ローストポーク×はちみつ×マスタード=最強!
さて、そんなマスタードを使った武藤さんの料理、さっそくご覧ください!
まずこれは必食、ポテトサラダ(800円)!
ほくほくの食感も楽しい「キタアカリ」をマッシュして、ケッパー、フランボワーズとシェリーのWビネガーで味つけをしたのち、2種類のマスタードを加えたもの。
その2種類がこちら、左が「パブ」という種類のマスタード。
「美味いっ!」ひとなめして思わず声を上げてしまいました。
ホットドッグに塗られるようなタイプのオーソドックスな味わいなんですが、もっと香りが深くて、濃い! ジャガイモとミックスしても存在感は消えず、なんとも食欲をそそる仕上がりに。
右の「マイルドグリーンペッパー」はフレッシュの緑コショウが一緒に漬けられており、ケッパーとともにほどよいアクセントを加えています。
ああ……このポテサラ、なんともいいビールの友だっ!
「こだわりおやさいのポワレ」(1,400円)
「メディテラニアン」というドライトマト、黒オリーブ、ガーリックなどが入ったマスタードを使っています。これ1つあると便利ですよ。こんなふうに焼き野菜にからめたり、パスタに和えたり、また肉料理につけたても美味。マスタードはすべて店内で販売してますので、興味のあるかたは声を掛けてくださいね。
そしてこちらの名物のひとつ「A ハニーローストポーク」(1,800円)。
こちらもタスマニア産オーガニックはちみつを塗って仕上げられています。
このはちみつの香りと味の濃さにも、ビックリ!
味がいいのはもちろん、殺菌効果も高いものなんですよ。少々ののど風邪ぐらいだったら、これを舐めて治しちゃいます。
レザーウッドという、タスマニア西海岸に生育する植物の花からつくられるはちみつ。なんと花をつけて蜜を出すまでに約100年もの歳月を要するのだとか。貴重なものですが、店内の料理にもいろいろと使われているそう。こちらのはちみつも店内で販売されています(1,000円/140g。3サイズあり)。
そんなはちみつを使って、こんがりと焼かれた皮はなんとも香ばしく。
まさに「噛むほどにうま味が増す」って感じだなあ……ホント。
好みのマスタードをつけて、いただきます!
おすすめは「マウンテンペッパー」というマスタードです。アップルビネガーとアップルジュースなどを加えて作られるマスタードなんですが、とてもまろやかで、豚肉との相性が最高なんですよ!
オセアニアのワインの魅力をもっと知ってほしい
各マスタードの個性をそのまま味わいたいなら、
「マスタード テイスティングパレット」(900円)がおすすめ。
真ん中に置かれているのは薄く切った野菜類を揚げたもので、マスタードをちょっとのせていただくと、もうそれだけで実に良いアテ! 白ワインとぜひ組み合わせてみてほしい。そうそう、そろそろワインの話に移りましょう。
先に述べたとおり、ワインはオーストラリアと
ニュージーランドのものだけで揃えられています。
お店のオーナーのひとり、インポーターの唄淳二(ばい・しゅんじ)さん。
お店のワインとマスタードはすべて唄さんのセレクトによるもの。
24年前に単身オーストラリアに渡り、
現地のワインや食べものに感激したことが、現在の職業につながっているのだとか。
まだまだ日本でオーストラリアのワインが知られていなかったころです。そして向こうでもワイナリーで働いている日本人なんて、いませんでした。200軒ぐらいのワイナリーを飛び込みでまわって「働かせてください!」とお願いしたんです。でも当然「NO」という返事ばかり。3か月間、ヒッチハイクで各地を転々としつつ頼み込んで、ようやくあるワイナリーでOKをもらいました。
実際にそこで働いたのは1年ほどだったんですが、やっぱりオーストラリアで出会ったさまざまなおいしいものが印象的だったんですね。それを日本に紹介したいという思いで、ずっとやっているんです。
今ではオーストラリアのワイナリーで働いている日本人も少なくありません。そんな彼らのワインもこのお店で紹介していますよ。
ソムリエでもある武藤さんいわく、「唄さんが選ぶオーストラリアのワインを飲んで、こんなにクオリティの高いワインが向こうにもいろいろとあるんだな、と知りました。小規模のワイナリーが丁寧に手づくりしたワインがそろっています。日本でもっと知られてほしいという願いを込めて、かなりお手頃な値段にしています」とのこと。
日本でも最近人気が高まりつつあるロゼワインも充実。「ロゼ=甘口」というイメージがある人はぜひトライしてみてください。すっきりと飲みやすく、食中酒向きなロゼがグラスでも楽しめます(700円~)。
シメにおすすめの「アワビの肝カレー」(1,200円)。
チキンブイヨンの優しい味わいをベースに、オイスターソースとアワビの肝を香らせ、ミモレットチーズを散らしたなんとも贅沢な一品。
コク深いのに濃すぎず、軽い食べ心地に仕上げられていて、お見事!
テイクアウト用のマスタードはこんなかわいいパッケージ(1,000円~)。
マスタードを使った料理は鋭意開発中とのことで、
これからどんどんメニュー数も増えていくとのことでした。
新しい味との出会いが、待ってますよ!
お店情報
ワイン&マスタードA
住所:東京都新宿区新宿3-12-1 2F
電話番号:03-3341-8688
営業時間:17:00〜23:00
定休日:不定休
※なるべく予約を
ウェブサイト:https://www.facebook.com/wineandmustard.a/
書いた人:
白央篤司(はくおうあつし)
フードライター。『おとなの週末』『栄養と料理』オムロンのカルチャーサイト『リズム』などでコラムを連載。居酒屋・お雑煮研究・郷土料理がメインテーマ。初の著書「にっぽんのおにぎり」(理論社)がただいま5刷目で発売中! 新著に「にっぽんのおやつ」(理論社) facebook:atsushi.hakuo ブログ:独酌日記
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