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名著「パワープレゼンテーション」に学ぶ、人を動かすプレゼン術とは?

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グロービスの「ビジネスプレゼンテーション」コースでも参考図書に指定されている『パワープレゼンテーション』(ジェリー・ワイズマン著 / ダイヤモンド社)は、プレゼンテーションの本質と具体的な方法論が書かれた名著です。

ここではその『パワープレゼンテーション』に書かれている内容の中でも、特に重要と考える部分を抜粋してご紹介します。

プレゼンテーションの問題点「5つの過ち」

『パワープレゼンテーション』では、失敗するプレゼンは発表者が致命的な「5つの過ち」を犯しているとしています。その「5つの過ち」とは、

1.わかりにくい

2.聞き手にとってのメリットがない

3.論理の流れがスムーズでない

4.詳しすぎる

5.長すぎる

の5つを指します。特に4、5については、「何かを理解してもらうには、すべてを説明しないといけない」という思い込みが生み出すもの。しかし、実際に成功するプレゼンテーションは、話す価値のある情報のみを取り出し、聞き手に必要なことのみを伝える「絞り込み」にあるのです。

WIIFY – 「聞き手志向」を徹底せよ

プレゼンテーションとは、始まりを「A地点」とすると、最終目的地である「B地点」へ聞き手を導くこと。そのためまずはゴールである「B地点」を念頭にプレゼンテーションをスタートさせることが大切で、聞き手にしてほしいことは何かをはっきりと伝えることが重要だと説きます。

一方、聞き手を説得する上では、ゴールだけでなく聞き手自身にも目を向ける必要があります。聞き手にとってどう役に立つのか、そもそも聞き手の関心はどこにあるのかを知ることも重要です。

そのために「WIIFY(ウィッフィー)」、つまり「What’s in it for you?(相手にとって、何の役に立つのか)」に焦点を当てなければいけません。重要なのは「聞き手志向」ということです。

そのために有効なのは以下の6つのフレーズを使うこと。

1.「これは皆さんにとって重要です。なぜなら…」

2.「これは、皆さんにとってどんな意味があるのかというと…」

3.「なぜ私がこれを皆さんにお話ししているかというと…」

4.(「どうでもいいことだ」と聞き手が言った場合)「どうでもいいわけではありません。なぜなら…」

5.(「だから何ですか」と聞き手に言われた場合)「つまり、…ということです」

6.(「それで、どんな意味があるのですか」と聞き手に尋ねられた場合)「皆さんにとってのメリットは、…です」

プレゼンテーションを前に、内容を上記の形で話せるかリハーサルをしてみましょう。うまくできない場合は、WIIFYがまだはっきりできていない証拠です。

ここで1つ注意すべき点があります。それは相手を取り違えるということです。

聞き手が変われば話すべき内容は大きく変わります。自分ではできていると思っても実はズレてしまっていることがあるのです。

ここで書籍の中で書かれたエピソードを一つ紹介します。とある歯科医療機器メーカーのCEOが投資家に対するプレゼンをすることになり、著者はリハーサルの相手をすることになりました。

CEOは自社の商品について「この器具を使えば、みなさんはこれまでより早く、痛みの少ない根幹治療ができます」と述べたそうです。この言葉の聞き手は製品ユーザーである歯科医に対しては適切ですが、投資家に向けられた言葉ではありません。著者はそのことを指摘し、CEOは「国内では何万という歯科医が、世界ではさらに多くの歯科医が、根幹治療の改善を望んでおり、彼らはまさにこの製品を必要としています。そして、現在このような製品を持っているのは当社だけです」と言い換えました。

聞き手が誰かによって内容は大きく異なるため、プレゼンテーション前にチェックしておきましょう。

主役は発表者、スライドは脇役

「誰」に「何」を伝えるかが整理できたなら、次は「どう伝えるか」を考えます。その1つがプレゼンテーションのスライド作りです。プレゼンテーションのスライドを作成する際のポイントは以下の3つです。

1.主役は発表者

2.Less is More(少ないほど豊かである)

3.目の動きは最小限に(パーセプション・サイコロジー)

『パワープレゼンテーション』では、発表者が主役で、スライドが脇役であることが効果的なプレゼンテーションのモデルだといいます。スライドを文書のように単体で完結するほどにまで情報を詰め込んだり、また文書から取り出した図表類をそのままスライドに使ったりすると、聞き手の意識がスライドの方にいってしまい、発表者が脇役になってしまいます。そうではなく、発表者が内容をわかりやすくかみくだいて説明し、そのためのサポートにスライドを用いることが重要になるのです。

そのためスライドを作成する際は、「文」ではなく「キーワードの箇条書き」程度に留め、発表者がその中身を伝えるようにすべきである、と『パワープレゼンテーション』ではすすめています。1枚のスライドにつき1つのコンセプトにし、タイトルは1行で表す。それくらい情報を絞り込んだ方がわかりやすく、また情報量が限定的なため聞き手の目の動きが最小限になり、プレゼンテーションに集中しやすくなるのです。これはグラフなどを使って数字データを扱う時も同じ。すべての要素に文字や数字(ラベル)を付けるのではなく、必要な要素、ポイントのみに絞り込む方が大切だといいます。

資料を必要な要素のみにシンプルにまとめるということは、「何を伝えたいのか」がはっきりしていないとできない作業です。シンプルにまとめられないのであれば、それは逆に何を伝えたいのかがまだはっきりとしてないということです。

先述のWIIFYの質問を何度も繰り返し、伝えるべき内容を絞り込んでいきましょう。

『パワープレゼンテーション』には、他にも16のストーリーの展開パターンや、具体的なスライドの作成方法、プレゼンテーションの練習方法なども詳しく明記されています。

プレゼンテーションスキルの向上を狙う方は、一読の価値ありですので、ぜひ手に取ってみてください。

監修:リクナビネクストジャーナル編集部

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