体験を伝える―『ガジェット通信』の考え方

面白いものを探しにいこう 本物を体験し体感しよう 会いたい人に会いに行こう 見たことのないものを見に行こう そしてそれをやわらかくみんなに伝えよう [→ガジェ通についてもっと詳しく] [→ガジェット通信フロアについて]

【目標は○○!】 Jリーグを3度制覇した森保一監督が秘めるキャリアビジョン

f:id:kensukesuzuki:20160218175202j:plain

「みなさん! 広島のみなさん! 優勝、おめでとうございまああああす!!!」

2015年12月5日、J1優勝を決めたサンフレッチェ広島の森保一監督が第一声で発した言葉です。

もう一度書きますが、「優勝を決めた監督の第一声」です。チームの一番の目標が達成され、満員のエディオンスタジアム広島は歓喜のるつぼ。興奮のさなか、少しだけ目を赤くした森保監督の口から出てきたのは、ファン・サポーターをねぎらう言葉でした。

一事が万事。森保さんのコメントに、派手な言葉はほぼありません。対戦相手を挑発することはもちろん、自チームをひけらかしたりもしません。メディア受けする、スポーツ新聞の見出しになるようなリップサービスをする監督とは対極にあると言っていいでしょう。何も知らない人からすれば、「あれ、この人普通だな」と思われるかもしれません。

が。単なる優等生が、2012年から数えて4年で3度のJリーグ制覇という偉業が達成できるわけもありません。サンフレッチェ広島の人件費は、J1でも真ん中あたり。2012年には99%減資をし累積赤字を解消したものの、潤沢な資金どころかJ1でもかなり苦しい経営環境にあるチームです。そうしたチームを4年で3回も優勝させるのは、単なる“普通”の監督では到底ムリだとわかるでしょう。

見るべきは、「尋常じゃない成績を残しているのに、なぜこの人は“普通”で居られるのか」というところ。そこにこそ、森保さんの非凡さを読み解くカギが隠されています。

先をみれば、誰もが道のりの遠さに気づきます。現状の至らない自分に、「なんてダメなやつなんだ」と思ってしまうかも。過去の栄光を引きずってニヤニヤし、今日の課題を先送りしてしまう人だっているかもしれません。

森保さんに、そうした気持ちのブレが一切ないことは、お読みいただければわかるかと思います。ゼロックス・スーパーカップを目前に控えた、森保さんの真髄に少しでも触れられる記事になっていれば幸いです(インタビュー日:2016年2月5日 聞き手:澤山大輔)。

「優勝おめでとうございます」の衝撃

f:id:kensukesuzuki:20160218164621g:plain—本日はご多忙の中、ありがとうございます。早速ですが、個人的に「絶対にこれを聞きたい」という質問から始めさせてください。昨年のチャンピオンシップ優勝時のインタビュー、第一声をああしたものにしたのは、予め準備していたのですか? f:id:kensukesuzuki:20160218164644g:plain森保:1回目に優勝した時も言っていますし、2回目はアウェー(鹿島)だったのでそういう場はなかったものの(鹿島に来ている)「サポーターのみなさん、おめでとうございます」と言いながら走りましたし(笑)。そこは自然と出てきたものですね。 f:id:kensukesuzuki:20160218164621g:plain—言い方が適切かはおいて、正直「この人は普通じゃないな」と思いました(笑)。至上目標が達成された直後、「やってやったぜ」とかの感情より先に「おめでとうございます」が来るのが。
1 2 3 4 5 6 7 8 9次のページ
リクナビNEXTジャーナルの記事一覧をみる
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。