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AK-69、自らのヒストリーを語る一夜限りのストーリーテリングライブを開催

エンタメ

申し分のない新章の幕開けだった。2月27日、豊洲ピットにてAK-69が“FOR THE THRONE"ツアー終了以降、最初のワンマン・ライブとなる“NON FICTION"を開催した。自主レーベルFlying B Entertainment立ち上げ後、初となるライブでもある。

2月27日@豊洲ピット (okmusic UP's)

全国13カ所のホールを巡った空前のツアーから一転、今回は「一夜限りのプレミアム・ライブ」と銘打たれた当夜限定のセットだ。

この日、奇跡を目撃できると確信しているかのように、開場時間になると豊洲ピットの前は騒然とした雰囲気が立ち込めていた。後で聞けば、実に3000人という記録的な動員であり、その人数のアドレナリンが一カ所に集中しているのだからと、騒然の理由にも納得がいく。そして、この日のライブの持つ意味の重さを、もっとも理解していたのは、他ならぬAK-69自身だっただろう。アンコールまで含め、全36曲。そして、今回のライブの特別な趣向であった、曲の合間に、自主レーベル立ち上げまでの自身の来歴を語りながらのショウケース。MCのスキルが求められるステージであると同時に、ライフをみずから語るからこその“NONFICTION”。当然、繰り返しできる「企画」ではない。「一夜限り」であるのは、必然だったのである。

オープニングのVTRが終わると、AK-69を呼び込む生のスネアとハイハットが響く。その一瞬で、大袈裟ではなく会場のボルテージが一気に沸騰したのがわかった。優れたライブがアーティスト1人によって作られるものではなく、オーディエンスとの共犯関係が成立してこそのものだと考えれば、AK-69がステージに姿を現す前に、フロアは既にこの日、AK-69を“ZONE”に呼び込む準備を整えていたと言っていい。そして、この夜“ZONE”に入ったAK-69は、オーディエンスを更なる高みへと運んだのだ。1曲目「The Cartel From Streets」に始まり、名古屋の重鎮Phobia of Thugのギャングスタ・クラシックス「Click da trigger」、AK-69の活動の原点といってもいいB-NINJAHとの楽曲「Move on」など。最近のヘッズやリスナーには耳馴染みのない楽曲までもを織り交ぜながらも、それらを感動を持って聴かせきるのは、まさにマイクスキルがあってこそ。他にも数々のヒットチューンにクラシックス。まだ発売されたばかりの新曲『Flying B』、『We Don’t Stop』まで。3 時間に及ぶライブは、揺るぎない一体感を持って幕を閉じた。

この日、AK-69が見せたのは文字通り人生の紆余曲折、艱難辛苦があり、それらすべてが、今自身が立つステージに連れてきたものであるという告白にも似たものだった。痛みや苦しみのない人生など存在するはずもなく、オーディエンスはAKの言葉を自分の過去や体験に置き換え、生きる励みを得たのではないか。ヒップホップは、生き様の歌である。そう考えれば、その真価が発揮された一夜だったと言っていいだろう。またこの日、AK-69の口から今夏、東名阪でZeppツアーをやることが発表された。このツアーでも特別なショウを見せるとAK-69は約束した。“NON FICTION”と銘打ったステージで発表された以上、その約束は必ず予想を超えたものとして、我々の前に姿を現すに違いない。その日を待ちながら、改めて“NON FICTION”のステージを噛み締めたい。

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