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相撲協会理事選めぐり古参親方「一門制は事実上崩壊した」

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 通常なら本場所開催も地方巡業もない2月は、角界にとって静かで穏やかな時節。しかし今年は違う。3月末に行なわれる理事長戦をにらんで、親方たちの間で“仁義なき戦い”が始まっているのだ。すでに1月末に行なわれた役員候補選挙(理事選)により、10人の理事候補が決定した。春場所後の3月28日に開かれる評議員会で理事として承認され、新理事の互選で新理事長が決定する。

 今回の焦点は、八角・現理事長(元横綱・北勝海)の続投か、はたまた、将来の理事長候補と目される貴乃花親方の新理事長就任かの一点に絞られている。

 当初は八角理事長が有利、貴乃花理事長の誕生は時期尚早と見られていた。しかし「ここに来て情勢が変わりつつある」と語るのは若手親方だ。

「貴乃花親方が巻き返してきているというのがもっぱらの評判です。前回の理事選が、理事長選びにも大きく影響している」

 ここで理事選の顛末を簡単に振り返っておこう。初場所後、相撲協会は1月29日に全親方99人による投票を行ない、結果、10人の役員候補(理事)を選出した。前回(2014年)、まさかの落選を喫して返り咲きを狙っていた九重親方(元横綱・千代の富士)が直前になって出馬を断念。10人の定員に対して11人の親方が立候補した。

◇当選(得票数10)
二所ノ関(元大関・若嶋津)、伊勢ヶ濱(元横綱・旭富士)、山響(元前頭・巌雄)
◇当選(得票数9)
八角、貴乃花、春日野(元関脇・栃乃和歌)、出羽海(元前頭・小城ノ花)、境川(元小結・両国)、鏡山(元関脇・多賀竜)、尾車(元大関・琴風)
◆落選(得票数6)
高島(元関脇・高望山)

 この結果に接し、ある古参親方はこう吐き捨てた。

「一門制は事実上崩壊した」

 これまで理事選では、角界に存在する「一門」(現在は出羽海、伊勢ヶ濱、時津風、二所ノ関、高砂、貴乃花の6つ)が大きな影響力を持ってきた。一門の利益代表としてそれぞれが立候補者を指名・調整し、長らく無投票で理事が決まってきた。

「たとえ投票になっても一門同士の話し合いで票を融通し、当選者を操作してきた。それが今回、一門の描いた通りに票が動いたのは出羽海と二所ノ関だけだった。特に当選確実だといわれた高島の落選は“まさか”だった」(前出の古参親方)

 全99票を定員10で争う理事選では9票が当選ライン。伊勢ヶ濱一門から立候補した高島親方が理事選前日に行なった集会には、8人の親方が出席したため、選挙は楽勝と見られていた。にもかかわらず落選。これは8人のうち2人の親方が、直前になって高島から伊勢ヶ濱支持に乗り換えたためといわれている。その原因は“スキャンダル”だった。相撲ジャーナリストが語る。

「直前になって一方の親方の元に“伊勢ヶ濱に入れないとスキャンダルを流す”という脅しが入ったのです。その内容は判然としませんがかなり重大なものらしい。この親方は資金集めのための大きなイベントが五月場所後に控えている。スキャンダルで潰されたらたまらない。そのためやむなく、伊勢ヶ濱親方へ1票を投じたといわれています。

 しかし、理事選ではこれまでコンニャク(現金)が飛び交うことはあっても、スキャンダルが武器に使われることはなかった。前代未聞です」

 だが問題は、なぜこんな裏工作が行なわれたのか、である。勝手に一門外の候補に投票する「造反」をさせたならまだしも、高島親方も伊勢ヶ濱親方も「伊勢ヶ濱一門」だ。同じ一門内で票が流れるだけで、厳密には造反行為には当たらない。

「そこに絡んでくるのが新理事長争いです。高島親方は当選したら八角支持と見られ、反対に伊勢ヶ濱親方は貴乃花支持だとされた。つまり貴乃花を理事長にしたい勢力が仕掛けたものだとされています」(同前)

※週刊ポスト2016年3月11日号


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