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イチローのユニークTシャツに学ぶ大人の自己主張力とは

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 日本人メジャーリーガーのイチロー選手のユニークTシャツが今年も話題になった。大人力コラムニストの石原壮一郎氏は、そこに大人の自己主張力を見る。

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 さすがイチロー、今年も期待に応えてくれました。いや、まだシーズンは始まっていませんが、まずはすっかり恒例となったオリジナルTシャツで、海のこっちから応援している私たちを喜ばせてくれています。

 マーリンズのイチロー選手は、2月23日にキャンプイン。初日のTシャツは、バットを持っているイチローっぽいイラストの横に「人生は42歳から始まるんやて」と書かれていました。ダウンタウンの浜田雅功から贈られたもので、イラストも浜ちゃん作だとか。2日目は「肩もわりかし強いほうやし」、3日目は「守りも固めやし」という文言が、同じイラストに添えられていました。

 去年のキャンプイン初日のTシャツは、前がカジキのかぶり物をしたイチロー風の少年のイラストと、小さく「♪おうえんしてくださいなんて~ いわないよ じぇったい~」の文字、そして背中に「応援よろしくお願いします」と太文字で書かれたツンデレ仕様。このページでも、そこから大人の「裏表使い分け力」を学ばせてもらいました。

 今年のTシャツからも、大人にとって大切な教訓を受け取ることができます。42歳のイチローは、メジャー現役野手最年長。大リーグ16年目となる今シーズンは、メジャー通算3千本安打まであと65本、メジャー通算盗塁数も500盗塁まであと2など、さまざまな大記録がかかっています。しかし、チーム内での役割は“4人目の外野手”で、今のままだと打席に立つ機会は少なく、記録の達成は容易ではありません。

 そんな状況での「人生は42歳から始まるんやて」「肩もわりかし強いほうやし」「守りも固めやし」の三連発。年齢に対する周囲の不安をけ散らし、自分の持ち味をアピールしています。ひじょうに果敢かつ堂々とした自己主張で、ひとつ間違えると押しつけがましい印象になりかねません。しかし、浜ちゃんの素朴なタッチのイラストとの組み合わせや関西弁の響きのおかげで、ほのぼのした雰囲気を醸し出しています。

 イチローへの尊敬を込めつつ、私たちもそのノウハウを見習いましょう。上司には、折に触れて自分の持ち味をアピールしたいところ。まずは、何気ない世間話を装って「昔から男の働き盛りは〇歳(自分の年齢)からって言われているそうですよ」と伝えます。次の日は上司の前をウロウロしながら、関西弁で「人脈もわりかし広いほうやし」と独り言を呟いて、さらに翌日も「頭もやわらかめやし」などと呟きましょう。

 会社でTシャツというわけにはいきませんが、ヘタウマなイラストが描いてあるネクタイを締めてこの作戦を実行すれば、サブリミナル効果が期待できるかも。上司が「もしかしたらこいつは、イチロー並みにすごいヤツかもしれない」と勘違いしてくれたらシメタものです。ネクタイのおかげだけに。

 自己主張の大切さだけでなく、着目したいのは「人生は42歳から始まるんやて」に込められた、物事を前向きにとらえる美しい姿勢。近ごろ大人気の心理学者のアドラーも、大切なのは過去よりも未来だと言っています。いくつになろうが「もう○歳か……」としょぼくれるのではなく、「まだまだこれから」と胸を張りましょう。

 この言い方は、自分に対してだけでなく、他人、とくにけっして若いとは言えない女性に対しても大いに活用できます。話している拍子に相手の年齢がわかったときには「女性が本当にきれいなのは○歳からだよ」とか「○歳といえば、女性がいちばんきれいな年代だね」と力強く言い切りたいもの。それが大人の勇気です。

 女性がふたり以上いる場合は、全員に対して「○歳といえば~」「△歳といえば~」と同じように言うのが大人の掟。うっかり(相対的に)もっとも若い女性にだけ言ったりしたら、どんな恐ろしい事態になることか……。わざとらしく響くのではとか、「いちばん」がたくさんあるのは不自然では、なんて些細なことを気にする必要はありません。

 ただし、こういうセリフを言ってみたいからといって、わざわざ女性に年齢を尋ねるのは無謀であり本末転倒です。功を焦らず、チャンスを待ちましょう。イチローだって、試合に出場するチャンスを我慢強く待たざるを得ない状況なんですから。


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