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グラミー賞ノミネート作ベルリン・ドイツオペラ『イェヌーファ』が間もなく来日、「観る者に疑問を投げかけてくれる作品」

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グラミー賞ノミネート作ベルリン・ドイツオペラ『イェヌーファ』が間もなく来日、「観る者に疑問を投げかけてくれる作品」

 2016年のグラミー賞ノミネート作、ベルリン・ドイツオペラのプロダクションによるヤナーチェク『イェヌーファ』が、2月28日より新国立劇場で開幕する。

 本作は、チェコの閉鎖的な村を舞台に、未婚で妊娠する主人公イェヌーファと彼女を守ろうとするあまり子供を殺してしまう継母を巡る悲劇と愛の物語だ。日本での上演機会は非常に少ない作品のひとつで、ここ新国立劇場においても初上演となる。公演に先駆けて、音楽・文芸批評家の小沼純一氏によるオペラトークも開催され、当時のチェコの情勢や、ヤナーチェクの生い立ち、そして作品の魅力が語られた。

 オペラには女性をテーマにした作品が多く、本作も例にもれず主人公は女性だが、他の作品と大きな違いがある。小沼氏は「男性や社会に翻弄された女性を描く作品が多い一方、『イェヌーファ』では女性が、自分の意思で選択し決断している点が大きく違う」と説明した。そして、登場人物について「この作品の登場人物は、嫉妬したり、いじけたり、みんな“負”の部分を持っている。人間が誰しも持っている弱さを、ヤナーチェクは肯定したかったのでは」と語った。

 本プロダクションはドイツの鬼才クリストフ・ロイ演出によるもので、2012年と2014年にベルリン・ドイツオペラで初演。シュテヴァ役以外はベルリン公演時の歌手が来日し、グラミー賞にもノミネートされたプロダクションを再現することとなる。ロイが描く白を基調にした洗練された舞台は、農村というより、まるで私達が生きる現代社会のようだ。小沼氏は「現代に近い舞台のおかげで、このストーリーは遠い世界の話ではないということが伝わってくる。『イェヌーファ』には、ナショナリズムやエコロジーといった20世紀に提起された様々な思想が詰まっているということが、より伝わってくる演出になっている」と述べ、「ストーリーの分かりづらさに、文学性の高さを感じる作品。この作品を見てカタルシスを得ることはできないけれど、観る者に対して疑問を投げかけてくれる作品であり、そういう作品こそが芸術作品なのではないだろうか」と締めくくった。本作は、2月28日より新国立劇場で開幕する。

◎公演情報
ヤナーチェク『イェヌーファ』
日時:2月28日(日)14:00、3月2日(水)18:30、3月5日(土)14:00、3月8日(火)18:30、3月11日(金)14:00
会場:新国立劇場
指揮:トマーシュ・ハヌス
演出:クリストフ・ロイ
ブリヤ家の主人:ハンナ・シュヴァルツ
ラツァ・クレメニュ:ヴィル・ハルトマン
シュテヴァ・ブリヤ:ジャンルカ・ザンピエーリ
コステルニチカ:ジェニファー・ラーモア
イェヌーファ:ミヒャエラ・カウネ
粉屋の親方:荻原潤
村長:志村文彦
村長夫人:与田朝子
カロルカ:針生美智子
羊飼いの女:鵜木絵里
バレナ:小泉詠子
ヤノ:吉原圭子
合唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京交響楽団
芸術監督:飯守泰次郎

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