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半生を16ページにまとめた「親の雑誌」が好評 表紙は本人の顔写真、自分史より手軽で楽しい

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2月14日放送の「がっちりマンデー」(TBS)で、自分の親の人生を雑誌にしてくれるサービス「親の雑誌」を紹介していた。本や雑誌は発行部数が減り、出版業界は「斜陽産業」。そんな中、出版社ではない会社が雑誌製作でがっちり儲けているという。

この雑誌は「自分史」ではなく、子どもや家族が親のために申し込むサービスだ。親の人生を聞き取り、16ページの雑誌にまとめている。書店に並んでいてもおかしくない立派な体裁で、タイトルは「阪本辰治」とフルネーム。辰治さん本人が著名人のような雰囲気で表紙を飾る。プレゼントされる本人も、贈る家族も楽しいだろう。
製作費7万円。雑誌形式で5冊発行

中身も、きちんとプロが作ったと感じるていねいな作りだ。メイン記事は「阪本辰治として生きてきて」と半生を振り返り、「コラム・20分インタビュー」は、いまの暮らしや考えていることを掘り下げる。特集は「阪本辰治の”幸せ”に迫る」の3部構成。まさに、阪本辰治のすべてが分かる雑誌になっている。

自費出版する自分史の場合、ハードカバーの書籍形式で100ページ以上。製作費は数十万円から100万円以上かかることも。売れる当てもなく、ハードルが高い。

一方で「親の雑誌」は、製作費7万円。雑誌形式で5冊発行、1冊追加ごとに1800円とかなりお手頃だ。それでも、家族にとっては大切な宝物になる。

このサービスを行うのは、元々は高齢者の見守りサービスをしていた「こころみ」だ。家族と離れて暮らす高齢者に電話をして、家族に様子を報告するのが仕事だった。ところが、この電話のときに聞くおじいさん・おばあさんの話がなかなか面白かったのだそうだ。
子どもにとっても「自分のルーツ」を知ることができる

社長の神山晃男さんは、親の雑誌を始めた理由をこう語る。

「どうせなら(聴き取りした話を)形にして残したら良いんじゃないかということで、サービスを始めさせていただきました」

親への取材は神山社長と女性スタッフの2人組で「できるだけ気持ちよく話してもらう」ことを主眼に、3時間にわたる聴き取りを行う。その後、1か月間4回、20分ほどの電話インタビューで追加取材。いまの日常を切り取るコラムに使われる。親御さんの現在の生活や考えが分かり、思わぬ素顔が見えることも多い人気企画だ。

子どもにとっても、親の半生を知ることは自分のルーツを知ることでもある。時代の雰囲気や歴史的背景をうかがい知ることができることも興味を引きそうだ。

去年、雑誌を作ってもらった長谷川栄子さん(83歳)には「借金のカタに差し押さえられた実家を、栄子さんが銀行から借りた10万円で買い戻した」などドラマチックなエピソードも。申し込んだ娘さんは、今まで聞くことができなかった話を聞けたと喜び「兄弟みんなで宝物にしてます」と笑顔を見せた。
森永卓郎も「1人1人にニーズがある」と称賛

昨年5月からのサービス開始で、申し込みは約400件。今年中に1000件に届きそうな勢いだ。ゲストで経済アナリストの森永卓郎さんも「雑誌なんて斜陽産業そのもので、マスに訴えかけるのがなかなか難しくなっているんだけど、これは1人1人にニーズがある」と称賛した。

親も子も嬉しい、高齢化社会に即したスキマ産業で、類似ビジネスがどんどん出てきそうな気がする。しかし「親の雑誌」は、親を見守るサービスの中から生まれてきた。「雑誌を作って売る」よりも、個人に寄り添う視点があるからこその成功なのだろうと感じた。(ライター:okei)

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