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詐欺事件の時効が完成しているかがわかりません

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Q.

 13年前になりますが、約500万円の詐欺にあいました。相手の名前、住所もわかっていたので、警察に被害届を出しました。ところが、警察の方の捜査がバレたようで、事情聴取前に逃亡してしまいました。その後、私も転勤でその地を離れました。
 よく、公訴提起を繰り返して時効を阻止した事件がありますが、詐欺事件では難しいでしょうか?時効は完成されてしまっていたのでしょうか?

(40代:男性)

A.

 刑事訴訟法250条2項において、詐欺罪の公訴時効は7年と規定されています。
 公訴時効の制度は、時の経過によって証拠収集が困難になり、その結果、公正な裁判ができなくなること。また、犯罪による社会的影響が弱まることにより可罰性が失われることなどによって、設けられたものです。

 もっとも、この公訴時効が停止するという規定がいくつかあります。
 まず、公訴時効は公訴提起があってはじめて停止する(刑事訴訟法254条1項)という規定があります。
 ご指摘のように、当該規定を用いて、(起訴状の送達ができないために)控訴棄却がされるのを知ったうえで、公訴提起を繰り返し、時効が完成するのを食い止めようとした事例はあります(日本ヘルシー産業脱税事件など)。

 しかし、そもそも公訴時効の完成前に訴訟提起を行う必要があるわけで、本件のように、すでに時効が完成していると思われる(7年の時効期間に対して、13年が経過している)ため、前述の方法は使えないと考えられます。

 次に、刑事訴訟法255条では、被疑者が国外にいる場合または、逃げ隠れしている場合には、公訴時効が停止するという規定があります。
 一見すると、本件の場合でも、「犯人が逃げ隠れしている」ため、公訴時効が停止するとも見えます。
 しかしながら、この規定は、実際上、国外逃亡犯に対して用いられています。
 したがって、この手法を用いても本件において時効の進行を停止させるのは難しいものと思われます。

 残念ではありますが、本件の場合、公訴時効は完成していると考えたほうがよいものと思われます。

元記事

詐欺事件の時効が完成しているかがわかりません

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