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ネット上でのチケット転売で逮捕?チケット転売市場急拡大のリスク

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ネット上でのチケット転売は法律的に問題あり

近年、ネットオークションで、人気アーティストのコンサートチケットやプロスポーツの観戦チケットなどが、定価を上回る価格で高値取引される事例が激増しています。また、ネット上には、転売で儲ける方法を指南するいわゆる転売ビジネス絡みのサイトも山のようにあります。こうしたネットでのチケット転売行為には、法律上の問題がないのでしょうか。

答えは、大いに問題あり、です。ネットオークションでのチケット転売の関連で、複数の逮捕事例がでています。
たとえば、2015年2月には、ブルートレインやSLの指定席券を転売目的で購入
し、ネットで定価の60倍もの価格で販売した男性が逮捕されています。
一般に、ネット転売の摘発には、各都道府県の迷惑防止条例(ダフ屋行為の禁止)が使われます。大半の都道府県では、ダフ屋行為を禁じる条例が制定されているからです。東京都の条例の場合、禁止されるダフ屋行為を行った場合には、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金になります。常習の場合はさらに重く、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金です。

チケット転売で逮捕されるケース

では、どういう場合に、逮捕されるのでしょうか。
条例で禁じるのは、1つは、「チケットなどを不特定の人に転売するために公共の場所などで買ったり、買おうとする行為」、もう1つは、「転売目的で買ったチケットを公共の場所などで不特定の人に売ったり、売ろうとする行為」です。
要するに、転売目的で買うことも、売ることも禁じているわけですが、実は、先ほどの逮捕事例は、ネットで売ったことではなく、転売目的で「買った」ことを理由に逮捕しています。インターネットという仮想空間が「公共の場所」といえるかどうかには慎重な議論があるからです。
もちろん、今後条例が改正されて「ネット転売」自体が取り締まりの対象とされる可能性はありますが、今のところ多くの事例では、転売目的での「購入」で取り締まりを行なえているので、差し迫った不都合はないというのが実情でしょう。

転売目的のチケット購入はリスク大

「転売目的」というと、本人が「(コンサートなどに)行くつもりだったが都合が悪くなったからオークションにだしただけ」などと否認すればよいと思われるかも知れません。しかし、1回だけ、とか「たまに」という頻度ならともかく、オークションへの出品回数が多くなればなるほど、また転売期間が長くなればなるほど、「転売目的」は立証しやすくなります。言い逃れは困難です。

また、ダフ屋行為を禁じる条例がない都道府県で購入すればよいかというと、その場合でも、物価統制令という、なんと昭和21年に作られた法令によって逮捕される可能性があります。この法令では、不当に高価な額や暴利価格で契約することを禁じているからです。実際に処罰された裁判例もあります。

また、この法令では、不当に高額なチケットを買った側も処罰の対象になっていることには注意が必要です。刑罰も、10年以下の懲役又は500万円以下の罰金と重いです。
そして、当然ながら、高額なチケットを買ったものの、公演がキャンセルになった場合、払戻を受けられるのは正規料金だけです。買い手側にも、慎重な判断が求められます。

(永野 海/弁護士)

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