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「社会貢献で飯を食う」ソーシャルビジネスはWin-Winとなり得るのか

「社会起業」をした駒崎弘樹氏

 人の役に立つこと、社会の役に立つことは、「無私無償」でなければならないのだろうか?――2011年9月7日放送のニコ生シノドス「若者よ立ち上がれ!社会的起業とは何か?」では、ゲストにNPO法人フローレンス代表理事の駒崎弘樹氏を迎え、日本の社会問題と社会的起業について議論した。

 社会的起業とは、ビジネスによって社会問題の解決を行う「社会的”企業”(ソーシャルエンタープライズ)」を立ち上げること。社会問題の解決を第一の目的とする点で、利潤の追求を第一義とする一般企業と異なり、利益をあげるという点でボランティアとも異なるとされている。自ら収益をあげるため、善意や補助金頼みになることなく、専門的かつ持続的に社会貢献ができるというメリットがある。

 社会的起業への関心は、「新しい公共」という言葉や東日本大震災に関連して、ますます高まって来ているが、その背景には、社会問題の複雑多様化や、税収が減る一方で少子高齢化や選挙対策のために社会保障費は増加するという財政の問題がある。もはや、「官」の力だけでは問題に対応しきれないのだ。

■フローレンスの事例から

 駒崎氏が代表を務めるフローレンスは、病気の子供を預かる「病児保育」事業を行っている。起業のきっかけは、ベビーシッターとして働く実母から、ある母親が「病気の子供を看病するために長期間会社を休んで、クビになった」という話を聞いたこと。

 病児保育は利用する子供の数が変動するため、約9割の施設が赤字営業になっているといい、経営の困難さからニーズがあるにも関わらず十分な整備がされてこなかった。そこで、地域の小児科医や、子育てベテランママと連携することで、施設の固定費を削減。さらに共済型の月会費制をとることで、低価格ながら安定的な経営を実現した。

 不況の中で日本人の平均年収は大きく下がり、共働きの「ダブルインカム」が当たり前の社会が目の前まで来ている。そうなれば、これまで女性が担っていた家事・育児・介護といった仕事は当然、男女で分担する必要が出てくるし、それに伴って労働の構造そのものも変えて行かなくては生活が成り立たない。フローレンスのような企業には、こうした変化のきっかけ作りも期待されている。

■恵まれた人間の「自己実現」じゃん!?

司会の荻上チキ氏(左)、駒崎氏(中)、社会学者の筒井淳也氏(右)

 もちろん、社会的起業に対してはさまざまな批判がある。中でも代表的なのは、「恵まれた人間が自己実現のためにやっているのではないか」というものだ。

 駒崎氏は、苦笑いを浮かべ、そういう事例も当然あるとしながらも、

「『日本オワタ』、『日本詰んでる』状況というのはやはりあって、それに対して『終わってるよね』とせせら笑うしか選択肢がないのかというと、僕はそうじゃないと思う。誰でも良いから、とにかく社会的課題を解決しに走らないといけない」

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