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糖質制限ダイエット 血中ケトン体増加や心筋梗塞の危険性も

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 糖質を多く含むご飯やパン、パスタや麺類、イモ類や根菜類などの炭水化物の量を減らし、肉や魚などのたんぱく質や脂質を好きなだけ食べる──そんな「糖質制限ダイエット」はこの数年で大ブームに。スタイルを気にする女性の間で、そのやり方を知らない人はいないほどだ。

 そのブームの先駆けになったのが、自身も糖質制限の食事で減量に成功したノンフィクションライターの桐山秀樹さんだった。桐山さんが糖質制限を始めたのは6年前、56才の時。糖尿病を患い、医師に「このままでは生死にかかわる」と告げられたのがきっかけだった。

 身長167.5cmの桐山さんは当時、体重が87kgあったが、3週間で20kg減。肥満で糖尿病を患うメタボ男性たちと「おやじダイエット部」を結成し、その活動を綴った『おやじダイエット部の奇跡』(2012年4月、マガジンハウス刊)はベストセラーになった。

 そんな桐山さんが2月6日、宿泊先のホテルで亡くなった。享年62。心不全による急死だったと見られている。

「糖質制限ダイエットの伝道師」として知られていただけに、その死をめぐっては「“糖質制限”が原因では?」とさまざまな憶測が飛び交っている。

 もともと糖尿病の治療の一種だった「糖質制限」のメカニズムはこうだ。

 糖質を摂りすぎると血液中の血糖値が上がり、「インスリン」というホルモンを過剰に分泌させる。インスリンは血糖を脂肪として蓄積させる働きがあるので、過剰な糖質の摂取は肥満を招きやすい。

 さらに血糖値が高い状態が続くと、インスリンの働きが低下し、やがて糖尿病に。糖尿病は脳卒中などの動脈硬化症のリスクを高めるほか、合併症によって失明したり、足が壊疽を起こして切断しなければならなくなることもある。 そのため糖質を制限することは、高血糖状態を解消することにつながり、糖尿病の改善や肥満の解消にも役立つとされていた。

 ところが最近になって、糖質制限はかえって死亡リスクを高めるとの研究結果も出されてきた。2013年、国立国際医療研究センター研究所の能登洋医師が約27万人のデータを分析した結果、糖質を1日の総摂取エネルギーの30%以下に制限すると、60~70%にした場合に比べて死亡率が31%も上がっていたという。

「糖質制限をしすぎると、血中にケトン体という物質が増えすぎて、血液が酸性に傾き、吐き気や意識障害など体に悪影響を及ぼす可能性があります」(順天堂大学糖尿病内分泌内科の綿田裕孝教授)

 炭水化物を我慢する代わりに肉類をお腹いっぱい食べることで、さらなる危険も。

「過度に糖質制限をし、結果的にたんぱく質を摂りすぎると腎機能の悪化を招きます。また、脂肪の中で飽和脂肪酸が過剰になれば、悪玉コレステロールが増えて動脈硬化を招きやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞の原因にもなります」(綿田教授)

「おやじダイエット部」のメンバーは桐山さんが亡くなった原因について、《糖質制限が原因で亡くなったのではなく、心不全・急性心筋梗塞で亡くなったのが、診断書からも明らかです。(中略)長距離の移動と多忙、急激な寒さが重なり、疲労も相当蓄積していたのでは》と「糖質制限ダイエット原因説」をフェイスブックで否定した。

 専門家の間でも賛否の分かれる糖質制限の効果。流行りものとして安易に飛びつく前に、リスクがあるかもしれないことを知っておきたい。

※女性セブン2016年3月3日号


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