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電子書籍のメリットは「書き込み」にあり?

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 デジタル革命により、電話・音響機器・テレビ・カメラなどさまざまなアナログ機器がコンピュータ化。こうした流れのなかで、本もまた電子書籍化が進んでいます。日本では、現在出版されつつある本は少しずつ電子書籍化がなされていますが、過去に出版された本のほとんどは、まだ手つかずのまま。

 しかし、たとえばアメリカの大学図書館の図書予算をみてみると、大学の図書費のうち50パーセント近くが電子書籍に充てられており、電子書籍の占める割合が増えていっているそうです。

 また、本書『大人のためのメディア論講義』によれば、ニューヨークにある3つの大学は図書購入に関して連携しており、ひとつの大学は、ある分野では紙の本を買い、あとのふたつの大学では電子書籍を買うといった取り決めがあるとか。電子書籍を活用すると同時に、従来の紙の本もバランスをとって買うようにしているのだといいます。

 紙の本を大切にしながらも、次第に進みつつある本の電子書籍化ですが、本書の著者である石田英敬さんは、図書館が電子書籍を導入することのメリットとして、電子書籍とノートの統合という観点を挙げます。

 紙の本の場合、閲覧者は図書館が所蔵する本に書き込みをしたり、アンダーラインを引いたりすることは禁止されています。一方、電子書籍であれば、頁の余白に知識を書き込んだり、言葉の意味がわからないときには行間に書いておいたりと、それぞれ本に直に書き込みをし、場合によってはその内容をシェアすることも可能。返却すると自分のデジタル本棚から本は消えてしまいますが、書き込みは手元に残り、再度借りたり買ったりしたならば、本とその書き込みが再び対応します。

 この書き込むという行為に注目する石田さんは、「書籍への書き込みを進化させていけばメモになり、さらにはノートになる。ノートであれば、論文を書くことにもつながり、やがて本を書くことにつながってきます」(本書より)と指摘。電子書籍とノートの統合の可能性、読むことと書くことを結びつける可能性を説きます。

「紙の本である限り、本とノートは別個に存在する。しかし電子書籍によって、読むことと書くことには連続性があるということが分かってくる」(本書より)

 本書では、こうした本の電子書籍化をはじめ、人類のメディア文明の変遷について詳しく解説。これからのメディア社会をどのように生きていけば良いのかを考えるためにも、本書から学ぶべきことは多いかもしれません。

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