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実の子供に何らかの罪を問うことはできるでしょうか?

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Q.

 家出中の子供(16歳)に、私が留守の間に家に侵入され、金庫ごと盗まれました。中身は通帳を含み約1000万弱と私たち両親の実印です。警察には盗難届けと捜索願は出しましたので、間もなく捕まると思います。
 そこで本人を何かしらの罪に問う事はできるのでしょうか?

(40代:男性)

A.

 何らかの罪に問うことを考える場合、まず、行為者の行為態様が刑法その他の法令に反するかどうかを判断することになります。

 お子様は、留守中に(お子様にとってみれば)自宅に侵入した上で、金庫を自らのものとして戸外に持ち出したということになります。
 この場合、行為の外形上は窃盗罪(刑法235条)、あるいは、住居侵入罪(刑法130条)が成立しているようにも見えます。そのため、この両方について検討します。

 まず、窃盗罪について。
 この点、財物である金庫(現金に換算して約1000万円の価値)を自分のものとしたわけですから、行為的には窃盗罪になります。
 しかし、窃盗罪には「親族間の犯罪に関する特例」(刑法244条)があります。条文では、直系の血族との間では窃盗罪が成立したとしても、「その刑を免除する」とあるため、『犯罪としては成立するが、刑が特例的に免除される』ことになります(刑法は家族間の犯罪に立ち入らないという制度的な特例という趣旨があります)。
 したがって、窃盗罪に問うことはできません(厳密にいえば窃盗罪が成立するものの結局のところ刑は免除される)。

 一方、留守宅に侵入したことを捉えて、住居侵入罪が成立しているようにも見えますが、お子様にとっては立ち入った先は自宅です。
 裁判例においては、住居での生活から離脱した後、無断で住居に侵入する場合は住居侵入罪が成立するというものがあります(最判昭和23年11月25日)。

 そのため、こちらでは罪に問えそうな気もしますが、今回のケースではご相談者様が捜索願を警察に出されています。つまり、お子様にとっては「捜索願が出されているのだから、ご相談者様の自宅に入ることを許されている。言い換えれば、帰るべき場所であり、住居での生活から離脱していない。そのため、住居侵入罪は成立しない」という判断も十分に考えられます。
 加えて、お子様が未成年であることも考慮すれば、より成立しないという結論に傾くものと思われます。
 したがって、住居侵入罪に問うのも難しいと考えるべきではないかと思われます。

 確かに1000万円相当の金額は莫大です。ただ、ご相談内容からはすべてが現金であったというわけではないように拝察します(通帳などは本人でなければ預金引き出しが困難だと思われます)。

 なにより、お子様はお金では買えません。今必要なのは、まずお子様が無事に戻ってくるように手立てを尽くす。保護された後には、事の重大さを教え、深く反省を促すこと。
 そして、ご相談者様がどれほどお子様を心配しているかを説き、今後このようなことを二度と起こさず、仲良く暮らしていけるように努力されることではないでしょうか。
 (被害金額が確定していないので)代償として失うお金は大きいものになるかもしれませんが、罪に問うことよりもお互いに理解しあうことに努めていただければと、私自身子を持つ親として願うばかりです。

元記事

実の子供に何らかの罪を問うことはできるでしょうか?

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